前方の敵後方の敵 4
4人の頭上には巨大なスクリーンが設置されていて、そこにだだっ広い草原が映し出されました。草原の中には道路が見えます。畑も牧草地も見え、家や小屋が点々と建ってます。典型的な田園風景。
同じ映像がホログラムのモニターにも映ってます。それを見てAが焦ります。
「くそーっ、山か谷はないのか?」
ここでDが立ち上がりました。
「自分が行きます!」
「いいのか?」
「はい!」
Aはちょっと考え、それから口を開きました。
「じゃ、頼む!」
見えない宇宙船を追う2機のストーク号。そのストーク1号のコックピットです。寒川隊員。
「まもなく地上です!」
隊長はレーダースコープを凝視してます。今宇宙船の影から何か別の影が飛び出ました。
「ん、何か飛び出したぞ?」
隊長はヘルメットの無線機に話しかけました。
「橋本、今宇宙船から何か飛び出した。脱出用の船らしい。お前たちは元の宇宙船を追ってくれ。オレたちは飛び出した宇宙船を追う!」
無線機の向こうから応答。
「了解!」
レーダースコープを見ると、飛び出した宇宙船は地上に降りたようです。隊長はそれを確認して、
「脱出用の宇宙船が地上に着いたな」
それを聞いて後部補助席の女神隊員は疑問を持ちました。こんなにハードに着陸する脱出用宇宙船てあるの?
ストーク号は地上に落下した脱出用宇宙船を確認するために、低空飛行を始めました。するとレーダースコープ内の脱出用宇宙船と思われる影に動きがありました。なんとストーク号に突進してきたのです。それを見て寒川隊員が焦りました。
「な、なんだ? ものすごいスピードでこっちに突っ込んで来るぞ!?」
実はそれは巨大化した宇宙人Dでした。宇宙人Dは個人携帯用認識ステルス機能で透明になってたのです。
宇宙人Dは手刀を振り下ろしました。
「くらえーっ!」
手刀がストーク号のコックピットを直撃。コックピット内に火花が散りました。隊長が慌てます。
「うわっ!・・・ な、何が起きたんだ!?」
その瞬間女神隊員は5点式シートベルトを外しました。一方寒川隊員も焦ってました。
「だめです! ベイルアウト(座席射出⇒パラシュート脱出)できません!」
隊長はほぞを噛むばかり。
「くそーっ・・・」
が、ストーク号は強い衝撃とともに空中停止。隊長がさらに焦ります。
「こ、今度は何が起きたんだ?」
隊長がフロントガラスの外を見ると、そこには巨大なヘルメットがありました。女神隊員が巨大化し、ストーク号をキャッチしてくれたのです。それを見て隊長はほっとしました。
「あ、ありがとう・・・」
女神隊員は一抱えもあるストーク号を地面に降ろしました。次の瞬間、女神隊員は空を斬る音を聞きました。と同時に、脇腹にひどい苦痛を感じました。
「ぐっ!」
女神隊員はその衝撃で倒れそうになりましたが、まともに倒れるとストーク号を巻き込んでしまいます。わざとジャンプして遠くに飛ばされました。
女神隊員はスタッと立ち上がりましたが、次の瞬間、今度はのどのあたりに強い衝撃を感じました。どうやら見えない宇宙人に蹴飛ばされたようです。女神隊員の身体はまたもや吹き飛ばされました。
地面に倒れた女神隊員は、今度はちょっとだけ顔を上げ、あたりを見回しました。何か見えない敵がいる。見えなくっても影はできるはず。が、実は認識ステルス機能は影さえも作らないのです。




