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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第4章 前方の敵後方の敵
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前方の敵後方の敵 1

 女神隊員はテレストリアルガード基地内にいるときは、ウィッグだけで特徴的な単眼を隠してましたが、ここ数日はフルフェイスのヘルメットをかぶったままになってました。

 実はフルフェイスのヘルメットに新機能が付いたのです。それは翻訳機。これまでは音声の翻訳機能が付いてましたが、新規に付いた翻訳機は文字の翻訳機です。

 このヘルメット越しに日本語や英語を読むと、女神隊員の母星の文字に瞬時に翻訳されるのです。翻訳された文字はヘルメットのシールドの内側に映し出されるシステムになってました。

 この機能は女神隊員の世界を大きく広げました。毎日毎日雑誌や新聞を読んでます。読んでる内容は自分の記事ばかり。批判的な記事も散見されますが、そんなのは無視して、ただひたすら自分を肯定してる記事ばかりを読んでました。

 フルフェイスのヘルメットのせいで見えないのですが、そのときの女神隊員の顔は、かなりニコニコしてるようです。

 そのうち女神隊員はインターネットを見るようになり、ネット通販にも興味を持つようになりました。いつも使ってる白い帽子に飽きたようで、他の巨大なつばの帽子を探してました。

 しかし、せっかく見られるようになったネット通販サイトですが、女神隊員はそれを買うことができません。懲罰的な意味合いをこめて、最初の6か月分の給料は全部じょんのび家族に進呈することにしたからです。女神隊員は今更、

「あんな約束するんじゃなかった」

 と悔やんでました。

 そんなある日のこと、女神隊員の後ろを通りかかった海老名隊員が、ふと女神隊員が見ているノートパソコンのディスプレイに眼が止まりました。その瞬間、海老名隊員の表情が変わりました。海老名隊員の脳裏に何か企てが発生したようです。

 なお、テレストリアルガードは正式発表してないのですが、ネットの世界では、女神隊員は宇宙難民船唯一の生き残りで、しかも単眼だということがなんとなくバレてるようです。


 その日はふつーの日でした。晴天の午前中、テレストリアルガード基地オペレーションルームには上溝隊員がいます。一応レーダーのスコープを見てますが、今まで第一にこのスコープに未確認飛行物体が映ったことはありません。

 ちなみに、女神隊員が乗ってきた宇宙船の墜落は、スペースステーションJ1からの通報で知りました。そんなわけで、上溝隊員は今のんびりとファッション系の雑誌を読んでます。

 オペレーションルームの隣室のサブオペレーションルームには隊長、橋本隊員、倉見隊員、寒川隊員、女神隊員がいます。なお、オペレーションルームとサブオペレーションルームの間の扉は常時開いてるので、実質1つの部屋です。

 橋本隊員は解説本を片手に詰将棋をやってました。橋本隊員はパチンコと競馬で泥沼にはまってしまった反省から、今は将棋に興味を移そうと頑張ってました。

 寒川隊員はテレストリアルガードに入る前はロックンローラーだったせいか、キーボードにヘッドホンを差し込んでキーボードを弾いてました。歌ってるつもりなのか、大きく口を動かしてます。

 ちなみに、寒川隊員はほとんどピアノは弾けません。おまけに楽譜は小学生程度の知識。ただ、アコースティックギターばかり弾いてたせいか、コードは完全に読めるようです。

 倉見隊員はインターネットをやってました。

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