宇宙人受難之碑 16
男は道端に駐めてあるクルマの後部に行きました。1.5ボックスタイプのクルマです。どうやら彼の愛車のようです。
男はハッチバックを開けました。そこには巨大なハンマーや巨大なバールやディーゼルの小型発電機があります。それを見て一同が感嘆な声をあげました。
「おお~っ!」
その中でも特にすごいのは、巨大なハンドブレーカー。男はそのハンドブレーカーに触れ、
「これくらいないと石碑は壊せませんよ!」
列車組の最初に口を開いた男が、そのハンドブレーカーを撫でました。あまりの大きさに感激してるようです。
「こりゃあすごいですねぇ。あなた、解体屋?」
「いや~ 親父が解体工なんですよ。今日は借りてきました!」
「こいつぁ頼もしいですなあ! じゃ、行きますか!」
7人が2台のクルマに分乗して出発しました。1台はこの1.5ボックスのクルマ。もう1台は白い軽自動車です。
2台のクルマが山道を走ってます。2車線ですが、かなりきれいに整備された道です。
ここは先頭を走る軽自動車の車内。助手席には列車組で最初に口を開いた男が、運転席には待ち受け組で最初に口を開いた男が座ってます。助手席の男が口を開きました。
「ずいぶんと立派な道ですねぇ」
運転している男の返答です。
「これ、石碑を設置するためだけに作った道なんですよ。あんなキモいエイリアンのために税金をジャブジャブ使うなんて、絶対間違ってますよ!」
「ダメだなあ、日本政府は・・・ あんなくだらない石碑を作る金があるんなら、戦闘機やミサイルをもっともっと作ればいいのに!」
「絶対破壊しないといけないですねぇ、あの石碑は!」
「ところで今日、50人来るって話だったけど?」
「まあ、この手のオフ会の参加人数は、だいたいこんなものですよ」
ここで後部座席に座ってた女の子が口を挟みました。
「それなんですが、噂では例の写真をネットに上げた人が、今朝死んだみたいなんです。それにびびって、たくさんの人が回避したみたいなんです」
運転席と助手席の男2人は、それを聞いてびっくり。
「ええ~?」
女の子はさらに話を続けます。
「なんでもその人はオカルト板に、誰か助けてください。今オレの部屋の中に誰かいるみたいなんです。死神かもしれません、て上げた直後に、階段から落ちて死んだようなんです」
これで2人の男はさらにびびるかと思いきや、
「あは、なんだよ、それ? 今時死神ってw」
「草生えるの世界ですなぁ」
と、高笑いを始めてしまいました。後部座席の女の子はそれを見て、元々感じていた嫌な予感が悪寒に変わったようです。
この道路の終点はちょっと大きな駐車場でした。2台のクルマがこの駐車場に入ってきました。
2台のクルマが停車。ライト消灯。7人が2台のクルマから降りてきました。軽自動車を運転してきた男が空を見上げました。満月に近い月が出ています。その月のせいで、街灯のない真夜中だというのに、それほど暗くありません。
「ふ、ちょうどいい明るさだ」
それに軽自動車の助手席に乗っていた男が応えました。
「こりゃあ、懐中電灯はいりませんねぇ」
1.5ボックス車を運転してた男が、自身のクルマのハッチバックを開けました。男はそこから巨大ハンドブレーカーを取り出し、抱え上げました。
「うぉーっ、こいつは重いぜ! よくこんな巨大なもの、軽々と持ち上げるなあ、うちの親父は、おい!」




