宇宙人受難之碑 13
室内にはベッドが1つあります。今そのベッドに1人の男が寝かされてます。女神隊員にズタボロにされた男です。今は縮小・等身化してます。
男の周りにはたくさんの医療器具や医療用モニターが置いてあります。男の左眼の下に貼られたガーゼがとても痛々しく見えます。
「う、うう・・・」
男が薄っすらと眼を開けました。すると白衣を着た男性がそこに立ってました。白衣の男性は男を見て、
「ん、意識が回復したな」
白衣の男性は歩き始めました。
「じゃ、あとはお任せします」
白衣の男はドアを開け、出て行きました。男はふと別の人影を感じ、今度は反対方向を見ました。その人影はフルフェイスのヘルメットをかぶった女神隊員でした。
男は女神隊員を見て微笑みました。それを見て女神隊員は驚きました。この男は私を見たらきっとおじけづくと想像してたからです。
女神隊員はヘルメットを脱ぎました。そして頭に小さなヘッドセット(自動翻訳機)を装着しました。なお、単眼は晒したままです。
「ごめんなさい」
そう言うと、女神隊員は頭を大きく下げました。ずーっとずーっとずーっと頭を下げてます。男は困った顔をして頭を横に振りました。「違う違う!」と言ってるようです。けど、女神隊員は頭を上げません。
この部屋の壁の一面全面にはガラスがはめ込んであり、ガラスの向こうには隊長と橋本隊員と海老名隊員の姿があります。隊長は海老名隊員に命令です。
「お前も行って、謝ってこい」
「ええ~ 私、あの人に脅迫されて、仕方なくやったんですよ~」
「そんなのはどうでもいい! ともかく行って謝ってこい、これは命令だ!」
「は~い」
海老名隊員は仕方がないなあて感じで返事をすると、部屋を出て行きました。そして無菌室の中に入って行きました。
無菌室の中、女神隊員はようやく頭を上げました。隊長はその単眼を見て、
「これじゃ、どっちが凶悪な宇宙人なのか、わからんな」
橋本隊員の質問です。
「あの男、どうします?」
「とりあえずうちの隊員にするか。その状態でじょんのび家族に出向するという形に・・・」
「そんなことできるんですか?」
「大丈夫、テレストリアルガードはなんでもありだ」
「いやぁ、それもそうなんですが・・・ 彼、じょんのび家族に帰れるんですか? もう宇宙人てことがバレちゃってますよ」
「あは、そっか・・・ めんどくさいなあ・・・」
なお、隊長は女神隊員に7日間の謹慎を命じました。具体的には7日間サブオペレーションルーム立ち入り禁止です。ただし、この処分には別の意味もあるようです。
翌朝、陽光に照らされたテレストリアルガード基地。その地下にあるサブオペレーションルーム。隊長が固定電話に出てます。
「あ、ああ、あ~そうか・・・ わかったよ、ありがとう!」
隊長は電話を切りました。寒川隊員がマグカップに入ったコーヒーを持ってきました。
「はい、コーヒーです」
隊長はその寒川隊員を見て、
「あいつ、釈放だってよ」
「あいつって?・・・ 宇宙人の写真を流出させたやつですか?」
「ああ、例の写真は誰にでもふつーに見られる状態になってたんだそうだ。まあ、早い話、自衛隊のミスだったらしい」
「なんか納得いきませんねぇ・・・」
「まぁ、しょうがないだろ」
そう言っておきながら、隊長の顔は妙に不自然、なぜか笑顔なのです。何か企みがあるようです。




