宇宙人受難之碑 10
密室となったオペレーションルームの中、海老名隊員はテーブルに座ると、目の前のコンピューターのキーボードを叩きました。つぎに指紋認証システムに左手薬指の腹を置きました。するとピッと音がし、ディスプレイに表がずらーっと現れました。海老名隊員はそのディスプレイに自分の右の掌をかざしました。
「もう、いくらなんでもそんなにいるはずがないじゃん、巨大化する宇宙人なんて・・・ だいたい女神さんだって数百万人に1人なんでしょ? 巨大化できる能力は・・・」
が、ディスプレイにかざした掌にビクンと反応がありました。海老名隊員ははっとしました。
「あ、いた・・・」
夕暮れ間近ですが、まだまだ空は明るいようです。ここはテレストリアルガードの基地です。今カマボコ型の格納庫から1機のストーク号が出てきました。続けて同じ格納庫からもう1機のストーク号が出てきました。
先に出てきたストーク号にはJPTG-STORK01の文字が、後から出てきたストーク号にはJPTG-STORK02の文字が見えます。JPTG-STORK01(ストーク1号機)の機内には隊長と寒川隊員と女神隊員が、後から出てきたJPTG-STORK02(ストーク2号機)の機内には橋本隊員と倉見隊員が乗ってます。
女神隊員はフルフェイスのヘルメットを被ってます。バイザーは降ろしてます。他の4人もフルフェイスのヘルメットを被ってますが、バイザーは降ろしてません。
2機のストーク号が垂直離陸しました。隊長の命令です。
「よし、瞬間移動!」
隊長の横に座ってる寒川隊員が応答しました。
「了解!」
ストーク2号機の橋本隊員も応答。
「了解!」
2機のストーク号がふっと消滅しました。
2機のストーク号がふっと現れました。下は山間部ですが、かなり都市化が進んでます。急な山肌に沿って家が建ち並んでます。隊長は下を見て、
「おいおい、ほんとうにこんなところにいるのか?」
それに寒川隊員が応えました。
「ええ、じょんのび家族という施設にいるようです」
「どんな施設だ? 老人ホームか?」
「それが・・・ どんな施設なのか不明です」
「え?」
「まだ資料が来てないのです」
「おいおい・・・」
隊長はなんとなく嫌な予感がしましたが、とりあえず降りてみることにしました。
ストーク1号機の腹から2条の光が照射され、その光の中を隊長と寒川隊員が降りてきました。2人は公園の中に着地。そこには女神隊員が待ってました。
「隊長、遅いですよ!」
「あんたが早すぎるんだよ!」
実は女神隊員は、テレポーテーションで先に降りてたのです。
別の路上では2つの光のリフトを使って橋本隊員と倉見隊員が着地しました。橋本隊員が倉見隊員に声をかけました。
「この先か?」
「はい、この坂の上です」
2人は坂を駆け登り始めました。
「よし行くぞ!」
「はい!」
隊長と寒川隊員と女神隊員が坂を駆け登り、橋本隊員と倉見隊員が坂を駆け登り、この2組が合流したところが、いかにも施設て感じの門の前でした。その施設の中を見て、隊長は唖然としてしまいました。
門の向こうにはたくさんの幼い子どもが見えます。中には車いすの子や松葉杖をついた子もいます。みんな楽しそうに遊んでいます。
「こ、ここがじょんのび家族?・・・
おいおい、これはいくらなんでもまずいだろ」
隊長は海老名隊員の顔を思い浮かべ、
「あのバカ、常識てーのを知らないのか?」




