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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第3章 宇宙人受難之碑
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宇宙人受難之碑 8

 と、ここで出入り口の自動ドアが開きました。上溝隊員がはっとしてその方向を見ると、女神隊員が部屋を出て行くところでした。上溝隊員は慌てて女神隊員を追いかけました。


 廊下に出ると女神隊員は右手を壁に付けました。そしてその手に顔を押し付けました。

「う、うう・・・」

 女神隊員は泣いてます。それを見て上溝隊員は何か声をかけようと思いました。でも、いい言葉が思い浮かびません。

 女神隊員が泣くのは今日2回目です。2回とも上溝隊員の眼の前でした。1回目では上溝隊員は心の中でちょっと笑ってましたが、今回は女神隊員に同情してます。けど、何もできません。上溝隊員まで自己嫌悪に陥ってしまいました。

 しかしです。これは女神隊員にはかなりひどい仕打ちです。女神隊員はテレストリアルガードの一員です。地球を守る組織のメンバーの1人なのです。ま、女神隊員にその自覚はあまりないようですが。

 もちろん女神隊員の正体はなんなのか、テレストリアルガードはいまだに発表してません。写真を流出させたブサメンが知るよしもないのです。それでも香川隊長の怒りはかなりなものでした。

 隊長はすぐにテレストリアルガードの名で警察に通報。1時間もしないうちに流出元のブサメンの正体がバレ、即刻逮捕になりました。

 しかし、流出した写真はインターネットを駆け巡り、いろんなところに貼られてます。しかも添えてある文章は嘲笑の雨あられ。これは完全に弱いものイジメ、単なる差別です。日本人はここまで劣化してしまったのでしょうか?

 女神隊員は自室で小さくなってました。壁を背に体育座りです。両ひざの間から巨大な一つ眼が見えてます。前髪のウィッグは珍しくつけてないようです。女神隊員は思い出してました。

 彼女の母星は凶悪な宇宙人の侵略を受けるとの予言を受け、たくさんの脱出用の宇宙船を造りました。女神隊員はそのうちの1つに乗り込み、5000もの同胞とともに母星を退避しました。

 5000の同胞は冬眠状態でカプセルに入れられましたが、彼女は数百万人に1人の異能力者。いわゆる女神です。宇宙船の操縦を任されました。

 しかし、地球の側を通ったとき、テレストリアルガードスペースステーションJ1から攻撃を受け、この地球に墜落してしまいました。そのとき彼女は5000の命とともに殉死する覚悟を決めました。

 けど、地球に激突した瞬間、彼女の本能が働いてしまい、ショート瞬間移動(テレポーテーション)とともに巨大化して難を逃れました。さらに彼女は地球上のテレストリアルガードの猛攻撃を受け、拉致られてしまい、いつのまにかその組織の一員になってました。

 なんで自分はテレストリアルガードの一員になってる? 意志が弱いから? 宇宙船が地球に激突したとき、そのまま死んでしまえばよかったのに・・・

 テレストリアルガードの基地に連行されたとき、巨大化して再び暴れればよかったのに・・・ たとえまたストーク号やヘロン号に攻撃され、身体がズタボロになっても、それはそれで本望だったはず・・・

 私は何もできなかった。私は私の命がかわいかったのだ。5000もの同胞の命よりたった1個の自分の命を大事にしてしまったのだ。私はなんて情けないんだ・・・

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