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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第3章 宇宙人受難之碑
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宇宙人受難之碑 5

 隊長の演説が続いてます。

「日本の法律では、地球人には人権がありますが、宇宙人にはありません。だから私たちは法的責任を問われることはありませんでした。しかし、5千もの無辜むこの宇宙人を一瞬にして殺してしまったという事実は、ぬぐいきれるものではありません。

 この町の尽力により、ここに宇宙人受難之碑を建立してもらいました。せめてもの償いです。この町に感謝します。

 今も宇宙のどこかで侵略を受けてる無辜むこの惑星があるかもしれません。また難民船がやってくる可能性があるのです。みなさん、そのときはどうしますか? 私は彼らを受け入れるべきだと思います。地球人はそんなに薄情ではないはずです!

 話が長くなってきたようです。このへんで終わりにします」

 演説を終えると、隊長は再び頭を下げました。と同時に、パイプいすに座ってるみんなが拍手を始めました。とてつもなく大きな拍手です。中には立って拍手してる人もいます。

 が、冷めた表情でその拍手を聞いる人物もいました。倉見隊員です。もちろん彼は拍手してません。

「ふん、バカか」

 が、倉見隊員がふと横を見ると、隣りの橋本隊員も拍手してました。

「え?」

 橋本隊員は真面目な顔で無心に拍手してます。それを見て倉見隊員は唖然としてしまいました。

「は、橋本さん?・・・」

 橋本隊員は女神隊員に命を助けてもらったせいか、宇宙人に対する考えが180度変わってしまったようです。


 再びテレストリアルガードサブオペレーションルーム。テレビを見ていた上溝隊員が軽く笑いました。

「あは、うちの隊長がこんな立派な演説をするなんて・・・」

 が、次の瞬間上溝隊員ははっとしました。女神隊員はかなり真面目にこの演説を聞いてるのです。上溝隊員は、

「あは、こりゃまずかったかな?」

 と、心の中で苦笑い。

 ここで女神隊員の顔に異変が発生。顔のど真ん中、ウィッグの透き間から一筋の水滴が流れてきたのです。これは・・・ どうやら涙のようです。それを見て上溝隊員はびっくり。

「え? ええ~?・・・」

 上溝隊員は慌ててティッシュを取りました。

「あ~ もう・・・」

 上溝隊員はそのティッシュを女神隊員に渡しました。

「はい」

 女神隊員はそのティッシュを受け取りました。

「あ、ありがと」

 女神隊員は流れ出てくる涙をそのティッシュで拭きました。上溝隊員はその女神隊員を横目で見て、心の中でこう言いました。

「もう、眼が1個しかないから、涙が鼻水にしか見えないんだよね・・・」

 ちなみに、女神隊員の眼は大きすぎるせいか、涙腺も異様に大きく、そのせいで涙の量も半端ないのです。


 しかしです。世の中にはこの演説を快く思ってないヤカラもいました。

 ここは古色蒼然としたアパートの部屋。汚い部屋です。季節外れのこたつの上には、使用済みのカップラーメンのカップやペットボトルがたくさん載ってます。まるでゴキブリが運動会をやってるような汚い部屋。

 その傍らのテーブルでインターネットをやってる男がいます。メガネで小太り、髪の毛ボサボサ、いわゆる不細工な男、ブサメンです。

 ブサメンはテレビとパソコンのディスプレイの画面を交互に見ながら、こんなことをぶやいてます。

「けっ。きれいごと並べやがって! エイリアンはエイリアンだろ! こいつらだって侵略しに来たんじゃねーのか!?」

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