宇宙人受難之碑 4
女神隊員は振動で帽子もウィッグも飛んでしまいました。でも、とっても楽しそうです。
「きゃははは」
隊長は横目でその女神隊員を横目で見て、ふふっと笑みをこぼしました。
軽トラックが舗装路に出ました。女神隊員はウィッグと帽子を直しながら、
「隊長、来年また来ましょうね」
「ああ、また来年な」
軽トラックは走り去って行きました。
数日後、処替わってここは山中。はげ山なのか、樹木はありません。ところどころ草が生えてるだけです。ちょっと離れたところには、ストーク号が駐機してます。
平らなところでは、何かイベントが行われてます。そこを拡大すると・・・ 何か大きなものに白い布が被せてあります。
「除幕です!」
その女性アナウンサーに合わせ白い布が引っ張られると、石碑が現れました。その碑文を読むと「宇宙人受難之碑」
除幕と同時に、20羽ほどの白い鳩が放たれました。
この石碑と相対するように、たくさんの人がパイプいすに座ってます。その中にはテレストリアルガードの隊員服を着た香川隊長・橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員の姿もあります。
実はここは、女神隊員が乗ってきた宇宙船が墜落した現場なのです。テレストリアルガードと当地の公共団体が折半して、石碑を建立。今日はその石碑の除幕式の日なのです。テレビカメラも入ってるようで、今石碑が映し出されています。
テレストリアルガードサブオペレーションルーム。今テレビ(モニター)がついていて、先ほどの石碑が映ってます。女神隊員が卵型のテーブルに座ってこのテレビを見ています。その横には上溝隊員の姿もあります。2人とも隊員服を着てます。女神隊員はウィッグだけで特徴的な単眼を隠してました。
女神隊員がぽつりと言いました。
「私も行きたかった・・・」
それに上溝隊員が応えました。
「ムリですよ。ヘルメットして行けばヘルメットレディだと気づかれちゃうし、帽子とウィッグだけじゃ、眼を完全に隠すことはできないし・・・ あとで一緒に行きましょ」
女神隊員はその言葉に何も反応しませんでした。何かを思い出してるようです。きっと乗ってきた宇宙船が攻撃され、地球に墜落したときの記憶だと思います。上溝隊員はなんとなくそれを察し、沈黙することにしました。
再び山中の会場、司会の人が発言してます。
「次はテレストリアルガード、香川隊長のお言葉です」
石碑の前に一時的に設けられた壇上に隊長が向かいました。隊長はまずは壇上に上がる前に壇上に一礼し、壇上に上がったら今度は観客に一礼し、演説を始めました。
まずはマイクテストのつもりか、
「あぁ・・・」
と声を発して、それから本題へ。
「テレストリアルガード隊長の香川です。
私たちは8年前と5年前、宇宙から侵略を受け、たくさんの人命が失われました。そのせいか、宇宙から来る侵略者を極端に怖がるようになりました。
今から3か月前、地球に1隻の宇宙船がやって来ました。その船は侵略を受けた惑星から逃げてきた、いわゆる難民船でしたが、宇宙人を極端に怖がってた我々は、この船を攻撃してしまいました。難民船はこの地に墜落し、乗っていた難民5千人が一瞬にして亡くなってしまいました。
我々に彼らを殺す理由があったのでしょうか? 過剰防衛だったんじゃないでしょうか?」




