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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第2章 橋本隊員奪還作戦
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橋本隊員奪還作戦 15(終了)

「どうした?」

 突然の声に女神隊員はびっくり。で、その声がした方向を見ました。そこには隊長が立ってました。

「隊長・・・」

 隊長は女神隊員の左手側に座りました。

「今日はよくやってくれたな。ありがと」

「・・・も、もうあんなむちゃな命令はしないでください」

 と、女神隊員の前髪から何かが流れ出てきました。顔の中央です。鼻水? いいえ、これは涙です。ふつーの地球人だったら涙は2筋流れますが、単眼な女神隊員の涙は1筋だけなのです。

 隊長はその涙を見て、一瞬神妙な面持ちに。次の瞬間、柔和な顔を見せました。

 隊長は女神隊員の帽子をおもむろに取りました。そして女神隊員の右側頭部に右掌を当て、彼女の頭部を自分の胸に優しく抱き寄せました。

 女神隊員の涙は止まりません。逆に増えてきました。そしてついに声を出して泣き始めてしまいました。廊下を歩く人々はこの2人を見てびっくり。でも、隊長はそのまま泣かせました。

 女神隊員は生まれたときから特殊能力をくさん有してました。母星では期待の星だったのです。そのせいか、幼いときからたくさんの試練を与えられ、それを次々とクリアしてきました。

 けど、今日ほどむちゃなミッションはなかったのです。ほんとうに、ほんとうに怖かったのです。ここまで我慢してきたものが、一気にあふれ出てしまったのです。

 隊長は女神隊員の頭を撫でながらこう言いました。

「今日はすまなかった。ほんとうにすまなかった。こんなむちゃな命令はもう二度としないよ。誓うよ。誓う」

 隊長は女神隊員の頭を抱く腕をほどきました。女神隊員は隊長の顔を見ました。ウィッグの透き間から単眼が丸見えです。

「ほら、眼が見えてるぞ」

 隊長は女神隊員の頭に白い帽子を被せました。

「さあ、行こっか」

「はい」

 2人は立って歩き始めました。


 ここはテレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。今海老名隊員がモニターで深夜に放送してるアニメ番組の録画を見ています。突然引分けの自動ドアが開き、隊長が、

「ただいま」

 と言って入ってきました。けど、海老名隊員の興味はあくまでもアニメ。隊長には振り返りもせずに、ぶっきら棒に、

「おかえりなさい」

 と応えました。隊長はテレビ画面のアニメに気づき、

「おい、一緒に見るって約束だったろ」

 海老名隊員はまたもやぶっきら棒に応えました。

「だって、隊長、なかなか帰ってこないんだもん」

 隊長は呆れました。

「もう・・・」

 隊長は卵型のテーブルに座り、海老名隊員に話しかけました。

「相変わらずお前の予知能力はすごいなあ・・・」

 アニメに夢中になってる海老名隊員ですが、その状態で、

「ふ、これくらい簡単ですよ」

 隊長もアニメを見始めました。今度は海老名隊員が隊長に話しかけました。

「女神さん、すごいですねぇ。上空1万メートルから飛び降りたのに、傷が1つもつかなかったなんて」

「でもなあ、あいつに泣きつかれたんだよ、病院で。怖かったんだってさ・・・」

 海老名隊員はそれを聞いて、少し顔色を変えました。

「へ~ 意外だなあ。なんでもできるスーパーウーマンだと思ってたのに」

「あいつ、身体的にはオレたちの想像をはるかに超えていたのに、精神的にはまるっきり子どもだったな・・・」

「でも、与えられたミッションはクリアしたんでしょ?」

「ああ」

「じゃ、安心じゃないですか。私もあんなすごいミッションをクリアしたいなあ・・・

 隊長、そろそろ私の身体を元の身体に戻してくださいよ」

 けど、隊長は何も応えません。海老名隊員は応答を促すように、

「隊長!」

 と、今度は強い口調で呼びかけました。

「わかってんよ」

 隊長は2度目は応えてくれました。さらに言葉を続けます。

「オレからしてみりゃ、お前、今のままでも十分役に立ってるぞ。今日だって橋本のピンチをいち早く察知してくれたじゃないか」

「それじゃ応えになってませんよ。隊長、私だってメガヒューマノイドに変身すれば、あんなミッション、簡単にクリアできますよ!」

「ふっ、何回も言ってんだろ。18になるまで待ってろって」

「え~ またそれですか? そろそろ次の宇宙人が侵略に来ますよ!」

「おいおい、お前の予言じゃ、次の宇宙人襲来までまだ時間があるんじゃないか?」

「あれ? 私、そんなこと言いましたっけ?」

「言った」

 海老名隊員はその言葉に反応しません。彼女の興味は、またアニメに戻ったようです。隊長もいつの間にかアニメに夢中になってました。

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