橋本隊員奪還作戦 14
倉見隊員はエレベーターの前に来ると、▲のボタンを押しました。が、2つあるエレベーターのケージは、今両方とも上の階にあるようです。
「ちっ!」
業を煮やした倉見隊員は、意を決して階段室に飛び込みます。そのまま階段を駆け登りました。2段抜きの物凄い速さです。
「うおーっ!」
倉見隊員の荒い息と咆哮が階段室に木霊します。
倉見隊員はある階の廊下に出ると、そのまま看護師や機材をすり抜けながら疾走。あるドアをオーバーランしたところではっとして。そのドアの前に戻り、名札を確認。
「ここだ!」
倉見隊員はそのドアをガチャッと開けました。
そこは個室の病室でした。飛び込んできた倉見隊員。
「橋本さん!」
病室のベッドには橋本さんが寝かされています。意識は十分にあるようです。その傍らには香川隊長と寒川隊員がいます。この2人はテレストリアルガードの隊員服を着てます。隊長が倉見隊員を見ました。その顔は呆れたという表情。
「おいおい、なんだよ、その慌てっぷりは? ここは民間の病院だぞ!」
しかし、そんな注意はなんのその。倉見隊員はベッドの傍らに来て、橋本さんの顔を覗き込みました。
「は、橋本さん、大丈夫ですか!?」
橋本さんは明るい顔で応えます。
「おいおい、そんなに慌ててどうする? 隊長さんの雷が落ちるぞ。気を付けろ!」
しかし、そんな注意はなんのその。倉見隊員はベッドの傍らに来て、橋本さんの顔を覗き込みました。
「は、橋本さん、大丈夫ですか!?」
橋本さんは明るい顔で応えます。
「おいおい、そんなに慌ててどうする? 隊長さんの雷が落ちるぞ。気を付けろ!」
「ああ、よかった・・・」
倉見隊員は安心したのか、へたれ込んでしまいました。
橋本さんは隊長に話かけました。
「隊長、あ、あの~ あの一つ眼の女は?」
「あ~ 女神隊員のことか?」
「女神? あいつ、女神て言うんですか?」
「ああ」
「ふ、そりゃまたすごい名前ですねぇ・・・」
隊長はあたりを見回し、
「う~ん、病院までは一緒に来たんだが・・・ あいつ、どこに行ったんだ?」
と、隊長はここであることに気づきました。そして考え込みました。
「そういや・・・」
その隊長に橋本さんが再び語りかけました。
「隊長、あ、あの~ 許してもらえますか?」
「ん、何を?」
橋本さんは申し訳なさそうに、
「・・・テレストリアルガードに復帰させてください」
「あは、それか・・・ いや~ それがなあ、お前の書いた辞表、まだ総理大臣に提出してないんだ」
「え? じゃ、書類上はまだ辞めてない?」
「まぁ、そういうことだな。ただし、今月分の給料はなしだぞ」
「あは、それで済むんなら、半年は給料なしでも働きますよ!」
それを聞いて隊長はちょっと笑いました。今度は倉見隊員が質問です。
「隊長、ほんとうに橋本さんを許してもらえるんですか?」
「ああ」
「よかった・・・」
「倉見、お前ももっと真面目に働いてくれよ!」
隊長はふと立ち上がりました。
「じゃ、ちょっと基地に連絡してくるか」
病院の廊下です。長椅子に白い帽子、白いワンピースのスカートの高身長の女性が腰かけています。そう、これは女神隊員です。特徴的な単眼は、この章の冒頭同様、ウイッグと帽子の巨大なつばで隠されてます。女神隊員は何か沈んでるように見えます。




