橋本隊員奪還作戦 7
けど、女神隊員が「嫌です!」と応えたらテレストリアルガードの職を失う可能性があります。そうなると警察に連行され、何をされるのかわかりません。ここはみんなと意見を合わせないといけないのです。
女神隊員はきっぱりと応えました。
「私も同じ意見です!」
「そっか・・・」
隊長は女神隊員の気持ちを察しました。が、隊長も救出に気が向いたようです。隊長はさっと立ち上がり、
「よし、行くか!」
外は抜けるような青空です。今カマボコ型の格納庫の1つからストーク号が出てきました。
そのストーク号のコックピット。前章と同じように隊長と寒川隊員が並んで座ってます。その背後には前回にはなかった補助席があります。今そのイスには女神隊員が座ってます。今の女神隊員はフルフェイスのヘルメットをかぶってます。巷で噂されてるヘルメットレディの姿になってるのです。
フルフェイスのヘルメットで顔色は見えないのですが、女神隊員は何か複雑なことを考えてるようです。
乗りたくもなかったストーク号に今こうして乗っている。そのうえ地球上で一番嫌いな人物、橋本元隊員を救出しに行こうとしている。嫌だ。とっても嫌だ。今すぐにでもストーク号を降りたい・・・
いっそうのことすべてを放棄して今ここで巨大化してしまおうか・・・ いや、そんなことしたら、香川隊長まで殺してしまいます。私が生きながらえてるのは、隊長のおかげです。そんなことはとてもとても・・・
じゃ、テレポーテーションで逃げる? でも、残念ながら、今地球上に女神隊員が逃げ込める場所はありません。今は命令に従うしかないのです。
隊長が寒川隊員に質問しました。
「そーいや、倉見は?」
「今日も無断欠勤です」
「ふふ、そうか。あいつも辞める気だな」
隊長の声のトーンが命令モードに変わりました。
「よし、離陸!」
寒川隊員が力強く応えます。
「了解!」
ストーク号が垂直離陸を始めました。いつものように反重力エンジンで浮上してるので、無音です。
コックピットの隊長が再び命令します。
「水平停止!」
「了解!」
ストーク号が空中で停止。
コックピットの隊長の命令が続きます。
「認識ステルス機能作動」
「了解!」
寒川隊員がコンソールのボタンの1つを押しました。するとストーク号の外装に薄い光の膜が現れました。次の瞬間ストーク号はパッと消滅しました。認識ステルス機能です。これも宇宙傭兵部隊ヴィーヴルからもたらされたオーバーテクノロジーの1つです。
隊長は今度はオペレーションルームの上溝隊員を無線で呼びました。
「どうだ? レーダーに映ってるか?」
オペレーションルーム、上溝隊員がモニターを見ながら、
「隊長、ストーク号の機影がレーダーから消えました!」
再びストーク号のコックピット。隊長がさらに命令。
「了解!
よし! 出発だ! 瞬間移動!」
今度はストーク号そのものがふっと消えてしまいました。
別の上空です。ストーク号がふっと出現しました。瞬間移動です。
ストーク号の真下にはプライベートジェット機が飛んでいます。ストーク号はプライベートジェット機の倍以上の大きさがあるのですが、プライベートジェット機はストーク号の存在にまったく気づいてません。これは認識ステルス機能のせいです。認識ステルス機能を作動させると、レーダーでも肉眼でも完全に認識できなくなってしまうのです。




