女神の一番長い日 22
隊長は女神に大声で呼びかけます。
「おい、女神、一気にたたみかけろ!」
「はい!」
女神は応えました。どうやらフルフェイスのヘルメットに内蔵された自動翻訳機もそのまま巨大化したようです。
女神は先ほどの手錠の電気ショックで悶絶した男を思い出しました。そしてその直後の隊長のセリフも思い出しました。
「逮捕後の宇宙人はどこに行くのか、見た者は1人もいないんだ」
「この男は私が葬ってあげないと!」
女神はそうつぶやくと、両腕をL字に曲げ、両ひじを腋に付けました。その手にそれぞれ違う色の光が集まってきます。
海老名隊員はこれを興味津々に見ています。
「あの光・・・ ふふ、あの光線技をやるのかな?・・・」
女神は光に満たされた両手を頭上に真っ直ぐ挙げ、そして一気に振り下ろしました。両腕が水平になったところで両掌を合すとビームが発生。その光線がのたうち回ってる男の身体を直撃。とてつもない火花がさく裂。もうもうと煙が立ち上がりました。
その煙が収まると、そこには男の巨大な死体が転がってました。歓喜の声をあげる海老名隊員。
「やったーっ!」
倉見隊員は茫然としてます。
「なんて破壊力だ・・・」
寒川隊員はストーク号に搭乗して女神と対峙してる自分を思い出しました。あのときも女神はストーク号に向かってこの光線技を放ってました。そのときの隊長の判断は、バリアではなく、瞬間移動。もしあのときバリアを選択してたら、確実にストーク号は消し飛んでました。寒川隊員は唖然とするばかり。
「ああ・・・」
隊長は側にいる海老名を見て、
「ほんとうにお前の予知能力はすごいなあ!」
海老名隊員は顔を赤らめました。
「あは・・・
けど、まさかここまですごいとは思いませんでした」
「ああ、ものすごい人材をゲットしたな!」
しかしです。たくさんの木造家屋が壊されてしまいました。女神はそれを見て、この星の住民に恨まれるなあと覚悟しました。けど・・・
「やったーっ!」
「すごいぞーっ!」
これを見ていた人々が、こぞって歓声を挙げているのです。
「ニューヒーロー誕生だ!」
それを言った男子に、その隣にいた女子が、
「バカねぇ、ヒロインでしょ!」
「あは、そうか?・・・」
彼らを見て女神は戸惑ってます。こんなにも歓迎してくれてるなんて、まったく想像してなかったからです。これを見ていた倉見隊員も戸惑ってます。
「お、おい、そいつはとんでもない破壊光線を撃った宇宙人だぞ・・・」
女神はふとその倉見隊員を見つけました。次の瞬間、縮小・等身大化。そして倉見隊員の前に立ちました。なお、隊員服やヘルメットはそのまま縮小してます。
仁王立ちの女神を見て、倉見隊員は焦ります。
「な、なんだよ!」
倉見隊員はレーザーガンを構えました。それに対し女神は、きっぱりと宣言しました。
「私の居場所は今ここにしかありません! あなたには都合が悪いのかもしれませんが、しばらくはここにいさせてもらいます!」
倉見隊員はレーザーガンを降ろしました。女神にそれは効かないとわかってるからです。逆に、もしあの光線技で反撃されたら・・・
「す、好きにしろよ・・・」
倉見隊員はぷいっと後ろを向いてしまいました。と、そこに突然の声が。
「おおっ、いたぞーっ!」




