女神の一番長い日 14
女神はちょっと下を向いて考えました。なんでこいつらの仲間にならないといけないんだ? こいつら、5000もの同胞を殺した仇でしょ・・・
でも、私には還る母星がない。他の惑星に行く手段もない。今はこの星で生きてくしかないのか?・・・ この星で生きてくためには、まずは私の居場所を確保しないと・・・
女神は横目で隊長を見て思いました。この人はさっき私を助けてくれた。この人ならなんとかしてくれるはず・・・
女神は短時間ながら深く考え、ついに結論を出しました。
「わかりました。私をこのチームに入れてください」
それを聞いて隊長の顔がぱっと明るくなりました。
「ありがと!」
隊長は感謝の意を込めたのか、深く頭を下げました。寒川隊員と上溝隊員も明るい顔を見せてます。でも、倉見隊員はあまりいい顔をしてません。
それでもこの一つ眼の宇宙人のテレストリアルガード入隊の申請書はすでに通ってます。本人の入隊意志も確認できました。新たなテレストリアルガード作戦部門の隊員の誕生です。
女神は再び隊長を見て、
「あの~ このヘルメット、脱げる場所はありませんか?」
「うん・・・ そういや医療区画に無菌室があったな」
と言うと、隊長は上溝隊員に命令しました。
「おい、連れていってやれ」
「了解!」
上溝隊員と女神が廊下に出ました。上溝隊員が話しかけます。
「よかった。あなたが入隊してくれて。実はテレストリアルガードには元々40人以上の隊員がいたんだけど、次々と辞めちゃってね、今は6人しかいないんだ」
「え?」
「橋本さんも辞めちゃったみたいだけど、あなたが入ってきたから、また6人かな?」
「何があったんですか?」
「隊長が次々と死んじゃってね。今の香川さんで4人目なんだ」
「戦死ですか?」
上溝隊員は首を横に振りました。
「病死。正確に言えば、3人とも心臓麻痺よ」
「心臓麻痺? 3人も?」
「しかも3人ともなんの前触れもなく突然錯乱状態に陥って、そのまま死んじゃったんだ。そのせいでテレストリアルガードは呪われたチームというレッテルを貼られちゃってね、たくさんの人が辞めちゃったんだ。でも、今の隊長になって不幸は止まったみたい」
女神は何か質問を続けようと思いましたが、特にセリフが思い浮かばないようです。と、上溝隊員が立ち止まりました。
「ここよ」
そこには1つのドアがありました。かなり重そうなドアです。上溝隊員はラミネートされた紙を女神に渡しました。それにはイラストがたくさん描かれてました。
「これが無菌室とエアシャワー室の使い方よ。あ、日本語だから、わからないかな?」
「大丈夫ですよ。イラストをみれば、だいたいわかりますよ。それじゃ」
女神はエアシャワー室に入りました。上溝隊員は彼女を微笑んで見送りました。
強い紫外線を浴び、上下左右からの強烈なエアシャワーを浴び、女神が無菌室に入ってきました。この部屋には医療用のベッドしかありません。それも1つだけ。
壁ですが、1つの面全体に大きなガラスがはめ込んであり、向こうの部屋からこっちの部屋が観察できるようになってます。現在向こうの部屋は無人のようで、真っ暗です。
ガラスの反対側の壁には、観音開きの大きなドアがあります。ドアの向こうにはたくさんの機材があるようです。1面には今女神が入ってきたドアがあり、残り1面はただの壁です。




