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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第1章 女神の一番長い日
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女神の一番長い日 12

 ベテランの隊員は再び横目で宇宙人をにらんで、

「だいたい隊長はこいつに大甘ですよ! 隊長の家族も宇宙人エイリアンに殺されたんでしょ!?」

「何を言うかと思えば・・・ オレの家族を殺した宇宙人は、一つ眼じゃなかったよ!」

 ベテランの隊員はさらに語気を荒げて反論します。

「そんなの、関係ないでしょ! 宇宙人エイリアン宇宙人エイリアンでしょ!」

「なんだよ、そりゃ? 屁理屈ばっかり並べやがってなぁ!

 そんなにオレの云うことが聞けなっていうのなら、お前、テレストリアルガード辞めろ! はっきり言って不愉快なんだよ、お前は!」

 その一言に残りの2人の隊員も反応してしまいました。

「た、隊長?・・・」

 隊長の怒声が続きます。

「オレは総理大臣からテレストリアルガード作戦部門の隊長という重責を任せられてるんだ。オレの命令は絶対なんだよ。オレの命令が聞けないっていうのなら、とっとと辞めちまえよ!」

「ああ、辞めますよ! 辞めりゃいいんだろ!」

 ベテランの隊員はついにブチ切れてしまいました。そしてそのままドアに向かいました。本当に出て行くつもりです。それを見てヘロン号の若手の隊員が慌てました。

「は、橋本さん、本当に辞める気なんですか?」

 しかし、「橋本さん」は無言のままドアに向かってます。その顔は怒りで真っ赤になってます。ヘロン号の若手の隊員はさらに慌てました。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよーっ!」

 「橋本さん」はドアを開けると、吐き捨てました。

「ケッ! やってられるか、こんなとこっ!」

 ガシャーン! ドアが激しく閉まりました。今度はたった今「橋本さん」と言ってた若手の隊員が、隊長に喰ってかかりました。

「隊長、いったい何考えてるんですか!? 橋本さんはうちのエースですよ! 射撃は百発百中だし、ヘロン号のコントロールはすごいし! 今こんな人はほかにいませんよ!」

 そして1つ眼の宇宙人を指差して、

「隊長はこの宇宙人エイリアンと橋本さんと、どっちが大切なんですか?」

「両方とも大事だ。ま、去る者は追わずだ。今はそこにいる宇宙人の方がずーっと大事だな!」

 バーン! 若手隊員は眼の前にあったテーブルを思いっきり両手で叩きました。

「ふざけんなよーっ!」

 ストーク号の一般の隊員はその勢いに身を縮めてしまいました。そしてちょっとの静寂。それを停止させるように、隊長は静かに口を開きました。

「お前も辞めるか?」

 再びの静寂。と、今度はたった今語気を荒げた隊員がぽつりと発言しました。

「・・・いいえ」

「そっか」

 隊長はスマホを取り出し、それに話しかけました。

「おい、ちょっと来てくれないか」

 しばらくしてドアがノックされる音と、

「上溝です!」

 の声が。

「入れ」

 と隊長が言うと、ドアが開き、通信員をやってた女性隊員が入ってきました。

「失礼します!」

「よーし、これで全員揃ったな!」

 ここで女性隊員が何か異変に気づいたようです。周りを見渡して、

「あの~ 橋本さんは?」

 隊長が応えます。

「辞めた」

「ええ!?」

「諸般の事情てやつだ」

 女性隊員はちょっと納得してないようです。隊長の発言が続きます。

「さ~て、新規隊員の紹介だ」

 隊長は宇宙人を見て、

「名前は・・・ あ、まだ名前も訊いてなかったな・・・ じゃ、こっちから先にやるか」

 隊長はさっき喰ってかかった隊員を見て、

「まず、お前から」

「え?・・・」

「名前だよ。自己紹介!」

 隊員は露骨に嫌な顔を見せ、ぶっきら棒に発言しました。

「倉見だ」

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