女神の一番長い日 11
するとその期待の男は、その期待に応えてくれるようです。かなり強い口調で、
「おい、ちょっと待てよ! 話はまだ終わってないだろ!」
警察の偉い人がそれに反応。振り返り、隊長を見ました。
「ん、まだ何か?」
隊長は得意げに、
「実はその宇宙人、テレストリアルガードの隊員なんだ」
そのセリフを聞いて警察の3人はもちろん、テレストリアルガードの隊員たちも口をあんぐりと開けてしまいました。
「た、隊長?・・・」
隊長は言葉を続けます。
「実は30分前に総理大臣に申請書を出していてなあ!」
警察の偉い人は笑いました。
「あはは、こいつはお笑いだ。テレストリアルガードが宇宙人を雇うだと? そんな規定があるわけないだろ!」
「アメリカじゃ、投降した宇宙人を中心に作られた部隊があってな。それにならってあえてテレストリアルガード法には、テレストリアルガードの隊員は地球人に限るという文言は入れてないんだ。別にそいつをテレストリアルガードの隊員に任命しても、な~んの問題もないだろ!
テレストリアルガードの隊員はいろいろと身分が保証されていてなあ。今引っ張っていくと、あとあと面倒なことになるんじゃないのか?」
「ふふ、ああ言えばこう言うだな。
たしかにテレストリアルガードは総理大臣直属の機関。新規隊員を加入させる場合は総理大臣の許可を取らないといけないが、常識的に考えてその承認は、最低1週間はかかるんじゃないか?」
「さあねぇ、もう決済は下りてるんじゃないのか? まあ、もうちょっと待てや!」
「小賢しい! そんな言い訳は聞きたくはないわ!」
警察の偉い人は2人の部下を見て命令しました。
「いくぞ!」
「はい!」
いよいよ3人は宇宙人を連行する気のようです。が、ここで電子音が。それは警察の偉い人の携帯電話でした。警察の偉い人はスーツの内ポケットから携帯電話を取り出し、電話に出ました。
「はい、もしもし・・・ ええ、警察庁総監?・・・」
この一言で部屋の空気が変わりました。
「わ、わかりました・・・」
警察の偉い人は携帯電話を切り、つぶやきました。
「ふっ、こんなにも早く承認が下りるとはな」
警察の偉い人は2人の部下に声をかけました。
「おい!」
そして首を横に振りました。すると2人は宇宙人の腕にかけた手を離しました。
警察の偉い人は横目で隊長を見て、
「ふっ」
と捨てゼリフ。そのまま2人の部下を伴って、部屋を出て行きました。どうやら事態は好転したようです。が、次の瞬間、別の災難が襲ってきました。
ドアが閉まると、今度は隊員の1人、ヘロン号のベテランの隊員が隊長に喰ってかかったのです。隊員は一つ眼の宇宙人を横目で見て、
「隊長! ほんとうにこいつをうちに入れる気ですか!?」
「ああ、そのつもりだ!」
「こいつ、宇宙人じゃないですか!?」
「なんだ、嫌か?」
「ああ、嫌です!」
ベテランの隊員は巨大化して光線を撃ってる一つ眼の宇宙人を思い浮かべ、さらに現在の宇宙人を横目で見て、
「隊長、巨大化して破壊光線撃ったの、見たでしょ、こいつが!? もしあれを街でやられたら、とんでもないことになりますよ!」
「そんときゃ、またオレたちが止めりゃいいだろ!」
「オレたちが止めるって・・・ オレたちが止めるまでいったいどれだけの人が死ぬと思ってんですか!? どれだけ街が破壊されると思ってんですか!?」




