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おじさんのゆっくりした暮らし  作者: 春瀬由衣
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20xx年 12月31日 夜

 思っていたよりもあっけなく年末が来た。といっても一人暮らしであるからには、シンクに溜まっていく皿やコップ、急須のたぐいを見て何もせず偉そうにしていることもできず、昨日一昨日とできなかった家事を片付けていく。


 さんざん冷たいものを扱ったせいか、手にあかぎれができた。曲げるときにぐっと引っ張られてチクリと痛むのが、なんとも憎い。わざと関節をねらって吸いにくる蚊のようなものだ。季節は違うけれど。


 特になにも年末らしいことはする気がなかったが、全く何もないというのも寂しいものなので、受付終了ギリギリにおせちの予約をしておいていた。昨日買ってきて冷蔵庫に入れているが、食べる十二時間前に冷蔵庫に入れるらしい。まだ大晦日だし、食べ始めるつもりはなかったんだが、まぁいい。腐りはするまい。


 さて、おせちは明日開くのだが——


 どうしたものか。もう夜七時になるのに、「今日」食べるものを買ってきていない。今から買い出しは気が進まないし、だからといって、昨日買っておいた年越しそばだけというのも物足りないような気持ちになる。


 いや、どうせ三が日はだらだらと過ごして食べ過ぎてしまうのだから、これくらい腹を空かせているのがちょうどいいのかもしれない。


 よっと、どうしたものか。


 大きくて深い皿からすすいでしまったものだから、水切りかごが早々に満タンになってしまった。拭いて片付けるときとは逆で、小皿から水切りに置いた方が収まりがいい。水がよくきれるように裏返しにして置くから、一つの皿で多くの容積を占めてしまう。


 まぁ、仕事でもないし締め切りがあるわけでもない。効率は悪いが、すすいだものから順次拭いていくとしよう。


 おや、紅白まであと三十分か。紅茶でも淹れてゆっくりしていよう。


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