ビフォー
「ファイヤー!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドオオオオオオーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
いつも俺の放つ魔法は強すぎる
・・・・・・だが最近それ以上成長しない。
なぜだろう?
「おいっロイガー。」
「なんだよ。」
『ロイガー』とは俺の名前だ。
パーティー仲間に心配そうな目で話しかけ
られた。
「お前いつもしっかり修行してんの?」
「言われんでもしてるよ。
昔、師匠から教わったのを1日も休まずに。」
「なのになぜ成長しない?」
「うるせぇよ。俺だって知らないよ。」
「ちょっとお前がんばりすぎたん
じゃないか?休むことも強さのうちだぞ。」
「分かってるよ。でも体が修行しないと
きたえないと落ち着かない体になっちゃったんだ。」
「どんな体だよ。
・・・・・・そんなんじゃ追放されちまうぞ。 俺、お前とまだ戦いたいからな。」
「うん、ありがとう。」
修行だ。帰って修行をしないと。
「はぁはぁ・・・・・・。
はぁぁぁぁ(打ち方を変えてみるか)
はああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ズドドダダダダダダァァァァァ!!!!!!!!!!!!
ダメだ。確かに魔法の火力は上がったけど
スピードが遅い。
う〜ん。とりあえず帰るか。
「いただきます。」
ごはんもたくさん食べないと強くなれない。
肉、肉肉!!!!!!!!!!
もぐもぐもぐもぐガツガツ・・・・・・。
「あと1口・・・・・・パクッ
はぁーごちそう・・・・・・さま。」
よしっ食後の運動だ。
「はぁはぁ・・・・・・ここはどこ?」
まぁ飛べばすぐに家につくからいいんだけど。
「せーのっ!!」
スパァァァァーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
あった。
ビュゥゥゥゥーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
「あぶねっ。」
ピュゥゥーー・・・・・・スタッ。
そして俺はすぐに寝た。
寝るのも修行のうちだからな。
グースピーグースピー・・・・・・。
朝になり・・・・・・。
「はぁはぁ。」
朝はいつも4時おきだ。
これくらいの時間に起きると人が少ないから
全力で走れる。
「フォォォォォォーーーーーー!!!!!!!!!!」
飛ぶように走れる。
しかし6時になると店をあける人が多くなって
いった。
「今日はここまでか。よいしょっ!!」
スパァァァァーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
ピュゥゥーー・・・・・・スタッ。
朝ごはんはあまり食べない。
いつもアップルを買って丸かじり。
そしてそのままギルドへ向かう。
ギィィィィ・・・・・・。
「よっ!!ロイガー」
「よっザラス。今日も早いな。」
「いやいやー家が近いからねぇー。あと修行もあまりしないから最近。」
「へぇーそうか。」
ギルドはとても静かだ。6時はまだ早かった
ようだ。
「今日なんかあったっけ?」
「えーと確か『ゴブリンドラゴンを倒す』とか
だったぞ。」
「ゴブドラか。分かったありがとうよ。」
「お前の力は強いが成長をしないらしいじゃないか。だけど今回は期待してるよ。」
・・・・・・期待されちゃったよ。
困るなぁーもし成長してなかったらどうする。
まぁーそんな事ないと思うけど。
「ありがとう。がんばってみるよ。」
・・・・・・3時間後。
「よおーしっゴブドラを倒しに行くぞぉー!!」
リーダーはみんなより1時間遅れてやってきた。
そのわりに堂々として謝る気配がなかった。
だが俺を入れた8人はリーダーの言うことを
聞いた。
「本当になんなんだよこのリーダーはよ。」
「ん?なんか言ったかロイガー。」
「いいや、何も言ってない。」
「そうか。じゃあ行くぞ!!!!!!!!!!」
「「「「お、お〜・・・・・・。」」」」
俺らはゴブドラのいる『ゴブ山』に向かった。
そして着いた。
トコトコトコトコ・・・・・・。
「はぁ〜あついな。
おいっロイガー、俺様をおんぶしてくれ。」
「え〜。」
「なんだお前、我の言うことが聞けぬというのか?追い出すぞ。」
はぁ〜仕方ないな。
「分かりました。どうぞ。」
「それでよろしいー。ヨイショ」
ちくしょー早くこんなパーティーから
抜け出してぇー。
でもまだ他のメンバーが残ってるし
もう少しがんばらないと我慢しないとな。
「・・・・・・あっ、
たくさんのゴブリンが来たぞー!!!!」
「なんだと!?お前らだけでどうにかしろ!!」
「「「「えーっ!?」」」」
「お前ら、俺の言うことが聞けないのか?
ならば今ここでパーティーから追い出して
やってもいいんだぞ。」
「「「「分かりました。」」」」
「それでいいんだ。いけっ」
ダッダッダッダッ!!ザシュッ!!!!グサッ!!!!
仲間たちがゴブリンの群れと戦っている中
にくったらしいリーダーをおんぶしているため
いっしょに戦えなかった。
くそっ!!!!!!!!
「お前もいけ俺様をおんぶしながらな。」
「はっ?」
「分かっていると思うが少しでも俺様が傷ついたら追い出すからな。」
「なんだと?」
「早くいけ!!!!追い出すぞ成長もできん
ザコ虫!!!!!!!!!!」
このこみ上がってくる怒りをゴブリンに
ぶつけてやった。
俺ならこんな奴・・・・・・でも
パーティーにはまだ弱い仲間もいて殺っちまったら金が入らなくなる。仕方ないガマンだ。
「ファイヤーバード『フェニックス』!!!!!!」
バサッバサッ!!!!!!
メラメラメラメラ・・・・・・。
「クァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うわぁー!!!!逃げろぉー。」
バァァッ!!バァァッ!!バァァッ!!バァァッ!!
・・・・・・。
ゴブリンの群れを少し逃がしてしまったが
ほとんどをフェニックスで焼き殺し
仲間たちが斬り殺した。
「おっ、よくやった。褒めてやる。」
パチンッ・・・・・・パチンッ・・・・・・。
なんだ?これは。
敵は弱いとはいえ命をかけて戦い勝ったものに
そんな祝福のしかたはないだろー。
まじないわ、このクソリーダー。
「おーー!!!!でっかい洞窟だなぁー。
ここにゴブドラがいるのか。
それにしては小さいなぁー。」
なんだこいつはガキか?
ていうかもう俺の背中からおりろ。
「早くおろせマヌケ!!!!」
ちっ!!こいつ・・・・・・ふざけやがって。
「ほらっ」
「よいしょっ、お前の背中には二度と乗らん。乗りずらかった。」
「そーすか早く行きますよ。」
俺は冷たくそう言った。
そして自分でも気づいていた。
怒りが爆発しそうだ。
早くゴブドラ見つけてこの怒りをぶつけよう。
「ちょっとあれ何?」
ゴゴゴゴゴゴォォォォォォ・・・・・・。
ゴブリンのような緑の肌ととがった鼻
そしてへびに似た体とドラゴンのウロコ
こいつはまちがいないゴブリンドラゴンだ。
「お前ら殺っちまえ。」
「リーダーは戦わないの?」
「あたり前だ。メンバーにやる事をあたえるのがリーダーだからな。」
なんじゃそりゃ?
「だああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
バァァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「「「「はああああ!!!!!!!!!!!!!!」」」」
「ギエエェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シャキィィーーーーン!!!!!!!!!!
ダンッダンッダンッダンッ!!!!!!!!!!
剣で立ち向かうものや拳でタコ殴りにするものもいた。
そして俺は剣が得意ではない。
拳でタコ殴りにして最後に最強の魔法で
倒す。ような感じだ。
「おりゃおりゃおりゃおりゃーーーー!!!!!!」
ダンッダンッダンッダンッ!!!!!!!!!!!!!!!!
「グエッグエエエエッ!?ギエエエエ!!!!!!」
俺はゴブドラの顔をどんどんと殴っていった。
ゴブリンのドラゴンとはいえ炎は吐いてくる。
顔を殴ることで炎は吐かなくなる。
「ファイヤーフィスト『スルトフィスト』!!!!!!!!!!」
ドゴゴオオオオッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「クアアアアアア・・・・・・。」
ゴブドラは俺の燃え上がる最強の拳と魔法で
洞窟の壁におもいきりぶつかった。
「ギエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「怒っちゃった。」
「今だロイガー!!早くいつもの放て!!!!!!」
「よしっファイヤー!!!!!!!!!!!!!!!!」
ッッドッッドガアアアアァァーー!!!!!!!!!!
洞窟がゴブドラにとってせまいというのも
あって勝てたのだと俺は思った。
「よくやった。」
いい威力だったろ強くなったろ?
どうだ?・・・・・・なぜそんな顔をする?
「お前・・・・・・全く成長してねぇな。
『出てけ』」
「えっ?」
「『出てけ』成長を感じられないヤツは
いらん。俺様のパーティーから出てけぇ!!!!」
ゴブドラを倒してすぐにリーダーから
告げられた。しかも仲間の前で。
俺はだまってそのまま追放された。
とぼとぼ・・・・・・。
「はぁ〜・・・・・・あのクズ。
もう一生あのパーティーにもどらねぇー。
この怒り修行にぶつけてやる!!!!!!」
そのころ俺は1人で静かな帰り道を歩いていた。
『元』クズリーダーのグチをはきながら。
「・・・・・・やっぱり今日は修行
休もうかな。
ザラスもあんなに強くなってたし。」
いつもなら少し修行してから帰るところだけど
今日はこのまま家に帰ろう。
ガチャ。
なんだろうこの罪悪感は?
師匠と別れてから10年間、1度も休んだことが
ない修行を休むのはなんか・・・・・・。
「とりあえず寝るか。」
いつもより6時間早く寝ることにした。
とくにやることがなかったし。