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77 王国の秘宝2


「わたしはチビじゃなーい!」

 リヒトに放り投げられ、尻餅をついたままは、ニーナは腕をあげて怒っている。

「大丈夫?」

 僕は、ニーナの腕をとって立ち上がらせた。

 転がされたニーナは、擦り傷できてるし、土まみれになっていた。

 妹の扱いが酷いよ、リヒト。


 鎧兵の一団は、オスカーとリヒトの二人で、半数になっていた。

 だが、見ると、奥にもまた、次の一団が迫ってくるのが見えた。


「ええい、キリがない。思ったより多いな」

 リヒトがもう一体倒して、僕らの元へ駆け寄ってきた。

「面倒だ、ニーナ、やつらを吹き飛ばせ。」

 リヒトが、ニーナの脇に来てニーナの腕を掴む。

「さがってろって言ったじゃん、やだよ」

 ニーナが頬を膨らます。

「ほう、俺に逆らうと?」

「チビっていった」

「チビはチビだからしょうがないだろ、いいからやれよ。」


「ちょっ、ニーナに何をさせる気ですかっ」

 僕は、ニーナを抱き締めて、僕の方へ引き寄せる。

 リヒトは、ニヤッとして、ニーナに言う。

「ほら、お前、アレクがどうなってもいいのか? このままじゃ、やられるかもよ」

「僕はやられませんよ!」

 なんなんだ、この人は! 僕だって戦う。きっと、1体くらいは倒せるはずだ。

 僕はリヒトを睨んでから、僕はニーナを離し、鎧に向かっていく。

「アレク!やめて!」

 ニーナの声がした。僕は振り向かない。


 崩れた鎧のなかから剣を拾い、構える。本物の剣は重い。

 そして、近づいてみると、鎧たちは大きい。足先から、恐怖が湧いてきた。

 がしゃんがしゃんと音を立てて近づいてくる。オスカー先生が打ち倒しているのが見える。

 ふうっと息をはいて気持ちを落ち着かせる。足を狙うんだ。ニーナみたいに勢いづけて剣をぶつけていけばいい。

 腹に力をいれて、剣を横に構えて、鎧を目掛けて走り出す。

 迫る鎧に刀をぶつけていった。がしゃんという音がして、鎧兵の足を崩すことに成功した。ガシャガシャンと鎧が崩れ落ちる。

 

 やったあ!僕にも倒せた。

 と、思いきや、目の前に剣が迫っているのを感じて、慌てて避けた。

 僕が倒した鎧兵のすぐ後ろにいた鎧が迫ってきていた。僕は、次の鎧を倒そうとして、刀を振った。ガキンという音がして、手が痺れる。

 振っただけでは倒せなかった。やばい、また、攻撃される。

 僕はバランスを崩して、転んでしまった。鎧が迫ってくる。

 振り下ろされた剣を、自分の剣で受け止める。ガキンと金属音がひびく。重い!


 その時、後方からごおっと言う音が聞こえた。

 振り向くと、竜巻が迫ってきていた。

 ニーナの魔法だ!

 

 竜巻は、通路一杯の幅で近づいてくる。

 ごうごうと音を立てており、僕の方へ迫ってくる。

 僕は慌てて、鎧の剣をグッと押し返して逃げ、壁際に寄った。

 竜巻は、鎧の一団をなぎ倒して進む。

 巻き込まれた鎧は、ガシャガシャと崩れ、鎧の部分どうしがぶつかって、バラバラと落ちていく。


 竜巻が通りすぎると、鎧はすべて崩れて床に一面にひろがっていた。

 振り向くと、左手をあげたニーナが立っていた。


「ありがと、ニーナ、助かったよ」

 ニーナは僕のところに駆け寄ってきた。

「アレク!」

 というとともに、僕の右頬を摘んで引っ張った。

「痛い!なんだよ!」

「どーして、そう無茶するの! やられるところだったでしょ!」

「一体は倒したよ、離して!」

 ニーナが僕から手を離し、頬を膨らませている。

「心配させないで!」

「ご、ごめん」僕は、引っ張られた頬をさすりながら、謝っておいた。


「これは、一体どうしたことだ……」

 オスカー先生が、バラバラに崩れた鎧の間を歩きながら、僕らに近づいてきた。

「先生、すごい竜巻でしたね」

 僕はニーナの魔法を知らないフリをした。

「ああ、だが、助かった……」

 先生は、鎧を見下ろしている。


「お宝を一目見たら帰ろうぜ、また、新手が来るといけない」

リヒトが、手にしていた剣を鎧のほうへ放り出して言った。

「お宝って?」

リヒトを見る。

「その先のホールにあるはずさ」

「風の中心のことですか?」

「ああ」

リヒトは言いながら歩き出す。



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