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また独りになってしまった。
ポロノシューは誰とも、ほとんど口を利かずに過ごした。医者と患者として以外、村人との接触を避け、食事さえろくに摂らなかった。
シュイはあの日以来、姿を見せない。
泣きながら出ていった彼女の顔が、何度も鮮明に蘇った。
「キローネに間違って薬を飲ませたときも、あんな顔をしていたな」
思いだして、自嘲気味に笑うこともあった。
一日が長いと感じた。
もう何年も、孤独な日々を送っているような錯覚に陥っていた。実際は、キローネたちがこの村を去って、まだひと月ほどしか経っていない。
シュイ目当てに足繁く通っていた男たちも、しだいに姿を見せなくなった。
これが正常なのだ。元に戻っただけだ。
ポロノシューは水を飲もうとして、厨房にやってきた。
大瓶は、ほぼ空だった。そういえば、しばらく井戸に汲みにいっていなかったことを思いだした。
「独りだと、水もなかなか減らないんだな」
渋々、井戸まで水を汲みにいった。
村の広場にある井戸は、住人の共有である。
井戸端には女や年寄りたちがいて、世間話に興じていた。
ポロノシューの姿を見るや、真っ先にシュイの近況を尋ねてきた。彼が知らないと答えると、残念そうに山の中腹を仰ぎ見た。
ポロノシューも釣られて、山を見上げた。




