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イェルフと心臓  作者: チゲン
第一部 イェルフと心臓
10/61

10頁

 野伏は十二人。

 だが、ポロノシューたちの位置を、正確に突き止めている訳ではないようだ。三人ずつの四組に分かれ、この近辺を捜索していた。

 結果的に、ポロノシューが奇襲をかけた格好になった。

 ひと組目は、うまくきょを突き、得物を抜く暇さえ与えなかった。

 ところが、最後の一人に呼び子を鳴らされた。これで他の野伏たちに、奇襲を知られてしまった。

 いつもならこんなヘマはしない。負傷のせいか、今日は体の動きが鈍かった。

 二組目のなかには、先日討ち漏らした野伏がいた。

 その野伏は、ポロノシューの顔を見るなり、恐怖に駆られて遁走とんそうした。そのため他の二人も浮き足立ち、苦もなく一蹴いっしゅうすることができた。

 これで野伏の数は半減した。

 残った六人は、リーダーの指示でひとつにまとまり、周囲を警戒しながら移動し始めた。これでは迂闊うかつに手が出せない。

 ポロノシューは、茂みのなかから様子を窺った。

 このまま野伏たちが進むと、ウタイが隠れている辺りに接近してしまう。

「まずいな」

 珍しく、ポロノシューは舌打ちした。その拍子に、足もとの小枝を踏んで、小さな音を立ててしまった。

「そこだ!」

 野伏たちが、一斉に矢を放った。

 ポロノシューは身をかがめて駆けだした。

 矢が、腕や足を掠めていく。

 一本が、左肩に突き刺さった。

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