第1章 2話『可愛い妹とクズ兄貴』
なるべく間をおかずに投稿します。
「お兄ちゃん、朝だよ! 起きて!」
俺のことをお兄ちゃんと呼ぶのは妹の琴葉だ。小4の琴葉は、俺が誕生日プレゼントであげたカチューシャを毎日つけてしまうほどのブラコンである。
「おはよう琴葉」
リビングにはバターの香りとトーストの芳ばしさが漂っていた。
両親は共働きで、俺が起きる頃には既に家を出ているため、基本的に朝食は琴葉と二人きり。いつも朝食は母が作っておいたのを温めて食べるのだが、今日は琴葉が食パンを焼いてくれたようだ。
「お兄ちゃんは小四の妹に起こしてもらって恥ずかしくないの? 琴葉は毎日大変だよ」
テーブルに着きパンを頬張っていると、琴葉が小首を傾げ、じっと視線を向けてきた。首の動きにシンクロして肩まで伸びた髪がわさっと揺れる。尊い。
「恥ずかしいけど目覚ましじゃどうしても起きれないんだ」
「でも、もう高校生じゃん? 明日からは自分で起きてみるー?」
「え?」
衝撃の事実に口がぽかんと開く。
「時間通り起きれる自信が一ミリもないんですけど」
「仕方ないなー。じゃあ、琴葉が好きなところを一つ言ってくれたら、明日からも起こしてあげるー」
よし。琴葉の好きなところなんて毎日、いや毎分更新されるからすぐ答えられる。
「匂い。その『欲に満ちた女の匂いが一切しない幼さ全開の甘い匂い』がたまらない」
正直その匂いでルームフレグランスを作りたいくらいだ。ただ、中の液体が何なのか考え出したらやばいのでこれ以上は割愛する。
「えへへ〜。お兄ちゃん褒めすぎだよ〜」
前髪をクネクネしながら、照れる琴葉は一段と愛らしかった。
やばい。ドキッとしてゾクっとしてムラっとしてビクッとした。
落ち着け俺。相手は最愛の妹だ。これは現実。妹にドキドキし、妹とイチャイチャし、妹でヌキヌキし、挙げ句の果てには妹をクチュクチュにする、タイトルに妹が入った妹モノのラノベじゃないんだ!
ん? そう考えると俺まともじゃね??
次回もよろしくお願いします!