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 悔しくて悔しくて夜も眠れなかった。


 エースピッチャーを激しく憎みもした。


(お前さえ、お前さえ居なければ…)


 だが、そんな怒りも己の実力には何も結びつきはせず、もはや諦めかけていた、そのとき。


 神が現れた。


 神が言った。


「お前に望みの力をやろう」


 神の力を授かった流星は、あっという間にエースピッチャーのポジションを勝ち取った。


(俺はこの力で甲子園に行く! そして優勝する! そのためには神の命令を実行しないと!!)


「行くぞ、転校生!!」


 流星が気を吐いた。


 片足を上げ、投球ホームに入る。


「オオオオオオーーーッ!!」


 流星の瞳に炎が燃える。


 たわみ、ひねられた身体がムチの如くしなり、振りかぶった右腕がカタパルトのようにボールを射出した。


 ド真ん中の豪速球。


 1球目、2球目を凌駕する速さでキャッチャーミットへと爆進していく。


 星男を心配そうに見守る文奈の眼には、あまりの速さにボールは全く見えていない。


 前の2球をどうすることも出来ずに見送った星男。


 その両眼がカッと見開き輝く。


 すさまじい速さでバックスウィングを終え、そこからさらに速いスピードでアッパー気味にバットをフルスウィングする。


 ゴッ!!


 バットの芯が正確にボールを捉えた。


 次の瞬間。


 流星の豪速球はバットを完全にへし折りはしたが、投げられたスピードとほぼ同じ速さでスタジアムの外へと消えていった。


「なっ!?」


 流星が振り返り、打球を見送る。


「じょ、場外ホームランだ…と…」


 流星がうめき、両ひざをマウンドに着いた。


 続いて両手も地面に着き、うなだれる。


「やったーーーっ!!」


 文奈が星男に駆け寄った。


「すごいよ、銀河くん!!」


 ハイタッチする星男と文奈。


 抱きつこうとする星男。


 さすがにそれは拒む文奈。


 文奈の眼にマウンドの流星が映った。


 文奈がマウンドに向かう。


 星男もついてくる。 

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