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「これで『鍵』が全て揃いました」
「ついに!!」
文奈に緊張が走る。
が。
すぐに首を傾げた。
「『鍵』が揃うとどうなるの? そもそも何の『鍵』なのか分からないんだけど?」
「ボクがこの星に来たのは、ある任務のためです」
「そだ。前に言ってたね。どんな任務?」
「ボクたちの星の犯罪者を捕まえる任務です」
「ええ!? 銀河くんは警察官!?」
文奈が驚く。
「はい。この星の警察よりも、もっと広い権限を持ってますが、簡単に言えばそうです」
「い、意外! 犯罪者って?」
「ボクたちの星の秩序を著しく乱した者です。そして逮捕を逃れるために、この星まで逃げてきた。彼よりもボクの方が強いので、彼は一計を案じました」
「………」
「この学園の地下に隠れ特殊なフィールドを張りました。ボクには破壊可能ですが時間がかかる上に、この星にかなりのダメージを与えてしまう。ボクが捜査官だと彼は知っていましたから、そちらが選択されないと踏んでいたのでしょう」
「………」
「そして次のステップに移った。ボクに違う選択肢を与えます。別の方法があればボクはそれに飛びつく。そこで彼は自分を守るフィールドの『鍵』を作った」
「………」
「そして自らを『神』と偽って『鍵』を『神の力』と言い替え、この星の人たちに預けました。『鍵』の存在を感知したボクは、この星にダメージを与えずフィールドを無効果しようとそれを集める。すると『神の力』によって欲望を叶えようとする人々と敵対することになります。『鍵』を与えた人たちには勝負でボクを負かして追い払えと指示します」
「………」
「ボクたちの星では口約束は、この星よりもずっと重要視されます。『鍵』を集めるボクが勝負の条件を飲み、負けてしまえば星に帰るしかない」
「………」
「さらに一度、任命された捜査官は、その任を解除されることはありません。すなわちこの星の人々との戦いにボクが負ければ、彼は今後絶対に捕まらずに済む。この星の知識が乏しいボクは彼の狙い通り、すごく苦戦しました。でもボクには」
星男がニコリと笑った。
「嫁が居た」
「う、うん」
文奈が顔を赤らめる。
「彼の期待は打ち砕かれ、ボクはとうとう全ての『鍵』を集めてしまったというわけです」
「そ、そか」
「『鍵』が揃ったので、今から彼を逮捕します」
「なるほどねー。今から逮捕か…い、今から!?」




