61
「文奈さん!!」
私の好きな人の声…。
「文奈さん!!」
文奈の脳裏に好きな男の顔が浮かんだ。
銀河くん…。
銀河くん…。
「銀河くん!!」
突然、全ての感覚が正常に繋がった。
目の前の草原に星男が倒れている。
星雲学園の制服は煙を噴き上げ、ボロボロだ。
星男が苦しそうにうめいた。
「銀河くん!!」
文奈が恐怖の声を上げ、星男に駆け寄った。
星男の身体は真っ赤になり、ひどい熱を発している。
文奈は座り込み、ひざ枕に星男の頭を乗せた。
星男がうっすらと両眼を開き、下から文奈の虎柄ビキニに守られた小ぢんまりとした胸を見上げる。
「ど、ど、どうしちゃったの!?」
文奈は混乱した。
全くわけが分からない。
文奈の横に宝蔵院が立った。
「私から出た暗闇が…君の身体に入って…そこから雷で宇宙人を攻撃しだしたんだ…常人なら死んでただろう…宇宙人だから生きてるとしか思えない…」
「そ、そんな!! 私が銀河くんを!?」
文奈が星男のくすぶった頬を撫でた。
「しっかりして、銀河くん!!」
「文奈さん」
星男が言った。
消え入りそうな声だ。
「元に戻って良かった」
そう言ってニコリと笑った。
「銀河くん…」
文奈の瞳から涙がこぼれ落ちた。
星男の顔が濡れる。
「文奈さん、泣かないで。ボクは大丈夫」
「全然、大丈夫じゃないよ!!」
文奈が怒る。
そして謝った。
「ごめんね」
「文奈さんは悪くない。ボクの嫁ですから。100%悪くないです」
星男の言葉に文奈は、いっそう涙を流す。
「うん」
文奈が頷いた。
「私、決めたよ」
しっかりとした声。
「?」
星男がポカンとなる。
「私、銀河くんの嫁になる」
星男が一瞬、固まった。
そして、ゆっくりと口を開く。
「文奈さん」
「何?」
「ありがとう」
星男が言い終わると同時に。
文奈が星男に顔を寄せ、キスをした。
「ええ!?」
宝蔵院が驚く。
星男の身体がまばゆく光りだした。
しばらくして光が収まると星男の怪我は全てキレイに治っていた。
星男がガバッと起き上がり、文奈をお姫様抱っこする。
「銀河くん!?」
戸惑う文奈に今度は星男がキスをした。
すでに赤かった文奈の顔が、さらに真っ赤になる。
「怪我、治ったの!?」
「はい。嫁パワーで治りました」
「何、そのパワー!?」
2人は見つめ合ってケラケラと楽しそうに笑った。
「お取り込み中、申し訳ないが」
全てを傍観していた宝蔵院が口を開いた。




