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 眼が合うだけで女子は孔雀山ファンクラブに入るかメロメロになるかのどちらかである。


 よって文奈にフラれる確率も0%。


 それは間違いない。


 孔雀山の美しい瞳に見つめられる文奈。


(何? 前ほどドキドキしない…何故? 私…孔雀山くんが好きだと思ってたのに…)


 文奈の心が千々に乱れる。


 今までの女子たちのように文奈を手玉に取れると思っていた孔雀山は顔をしかめた。


(僕が好きだと何故、即答しない!?)


 余裕綽綽(よゆうしゃくしゃく)だった孔雀山に焦りが浮かぶ。


 文奈は星男の顔を見た。


 優しい笑顔で星男が見つめ返す。


「文奈さんはボクの嫁ですよ」


 星男が言った。


 文奈の胸が。


 胸の奥が。


 キュンとなった。


 あの日。


 星男が星雲学園に転校してきた日。


 いきなり星男のめちゃくちゃな発言から始まった2人の関係。


 両親の記憶も勝手に変えられた強引な同棲生活。


 何のための戦いかも分からず何度も協力し合ってピンチを切り抜けるうちに。


 文奈の心には孔雀山へのアイドルに対する憧れのような気持ちとは違う別の何かが。


 星男に対していつの間にか生まれていた。


 それは宇宙人の友達という域をすでに越えたもの。


 もっと強くて近くて大きなもの。


「さあ! 僕を選ぶんだ!!」


 孔雀山が大声を上げ、文奈に右手を差し出す。


 星男も右手を出した。


「文奈さんはボクの嫁です。この任務が終わったら、ボクは君を故郷に連れて帰ります」


 星男がニコリと笑った。


「ボクは文奈さんが大好きです」


 星男の言葉に文奈の顔が真っ赤に染まる。


「グヌヌヌ」


 2人の横に立つ孔雀山の顔は文奈とは逆に一気に青ざめた。


 絶対的勝利を確信していたのに、どうにも雲行きが怪しい。


 端整な顔立ちが歪み、脂汗がダラダラと流れた。


 孔雀山の全身からは「神の力」のフェロモンが全開で放出されている。


 にもかかわらず。


 他の女子たちのように文奈はメロメロにならない。


 星男の側に「神の力」を中和してしまうフィールドのようなものが存在するのであろうか?


「何故だ!!」


 孔雀山が叫ぶ。



 

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