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 戦場へ到達した竜田勢は平地に布陣し、ここに「ぽん酢城」、萌杉勢、竜田本隊が三角形の三点の位置でにらみ合う状況となった。


 そして、夜の闇が訪れる。


 竜田玄々はひとつの決断を下す。


「ぽん酢城」より1200の兵を夜のうちに行軍させ、山上の萌杉勢を攻撃する。


 この際、戦場には地形的な特色の濃霧が立ち込めていた。


 朝、霧が晴れると同時に戦端を開き、その後の流れによっては本隊を動かし、敵を挟撃する策である。


 ところが。


 何者かの報せを受けたか、はたまた戦神(いくさがみ)に愛される者に天才的な閃きが舞い降りたか?


 夜の闇と濃霧の中、萌杉信々は軍勢に突如、下山を指示する。


 次の日の朝、竜田玄々は山上で始まるであろう戦闘の様子を見極めるため、霧が晴れるのを待った。


 霧が徐々に晴れていく。


 すると、あり得ざる光景が姿を現した。


 前方の川の手前に萌杉勢1300が整然と布陣していたのである。


「ううむ」


 このとき、竜田玄々は低くうめいたという。


 霧が晴れると同時に萌杉勢が竜田勢に襲いかかった。


 萌杉独自の超攻撃型陣形「くるくるがかりの陣」が炸裂する。


 竜田勢は突然、出現した敵に混乱状態に陥ったが、いち早く伝令を走らせた玄々の(げき)によって決死の防衛戦へと覚悟を決めた。


 火を吹くような萌杉勢の攻撃に竜田勢は半数の兵を失ったが、不退転(ふたいてん)の決意が全軍崩壊を免れさせている。


 真偽のほどは定かではないが、萌杉信々本人が竜田玄々の居る本陣まで肉薄し、馬上より斬りつけた信々の刀を玄々が軍配で受け止めたという逸話も存在する。


 さて、ここで戦場へと新たな軍勢が駆けつけた。


 山頂に居るはずの萌杉勢を攻撃する手はずであった「ぽん酢城」の兵士1200である。


 山頂へとたどり着いた彼らはもぬけの殻の有り様を見て、大いに動揺した。


 が、すぐに事態を把握し、竜田本隊の元へと全速力で進軍してきたのだ。


 野獣の如く暴れ回っていた萌杉勢は今度は背面に敵を迎える立場となった。


 攻守は逆転した。


 挟撃された萌杉勢は300の兵を失い、戦場より離脱した。


 竜田勢は余勢を駆って後を追おうとしたが、玄々がこれを制止した。


 こうして戦いは引き分けとも言える結果で幕を閉じたのであった。


(さて…銀河はどう出てくるか…)


 川中島は思案を巡らせている。







 

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