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「ボクが勝ったから『鍵』をもらうね」


 星男が言った。


 ワイルド星男ではなくノーマル星男に戻っている。


「銀河くん!!」


 文奈が星男に駆け寄った。


 星男の勝利を喜んでいたが、倒れたまま涙を流す豪雷を見て表情を曇らせた。


「あなたの優しさは正しい。でも…」


 文奈が豪雷に言った。


「暴力は良くないと思います」


 文奈が言い終わると3人は、突如発生した濃いピンク色の霧に包まれていた。


「わ!!」と文奈。


「また銀河くんが女子になって豪雷くんと? キャー!!」


 文奈が勝手に想像して真っ赤になった。


 星男の全身が強い光を放つ。


 次の瞬間には星男が居た場所に大人しそうな男子学生が立っていた。


 星雲学園の制服を着ている。


「豪雷」


 男子学生が呼びかけた。


 豪雷が首だけを上げる。


「お、お前は…里村(さとむら)…」


「誰、誰!?」と文奈。


「すまない…俺は…」


 豪雷がさらに大粒の涙をこぼす。


「豪雷、お前が助けてくれたのは本当に嬉しかった。誰も俺の味方は居ない。ずっとこの地獄が続くと思ってたから。お前が奴らをやっつけてくれたとき、俺も勇気が湧いてきたんだ。俺にも心配してくれる、助けてくれる味方が居たんだって。でも…」


 男子学生の両眼からも豪雷と同じように涙がこぼれ落ちた。


「お前はやり過ぎた。途中から…奴らの顔を見ただろ? ただ泣きまくって『許してくれ、許してくれ!』って。そんなのを痛めつけたって…何の意味もない。奴らのやってたことと、いっしょになってしまう。俺は…お前に奴らと同じになって欲しくなかった。だって、お前は最高に優しいやつだから」


「おおおおおっ!!」


 豪雷が号泣した。


 顔をグシャグシャにして子供のように泣きじゃくった。


 男子学生がイジメられて豪雷によって助けられた生徒だと気づいた文奈も、もらい泣きしている。


 男子学生が豪雷に右手を差し出した。


「豪雷」


 男子学生の言葉に泣きながら頷き、豪雷がその手を握った。


 男子学生が手を引き、豪雷の上半身を起こさせる。


 豪雷がフラフラと立ち上がり、男子学生と抱き合った。


 その瞬間。


 豪雷の胸の辺りから緑色の発光体が出現し、男子学生の胸へと吸い込まれていった。


 豪雷の大柄な体格が急に縮み、中肉中背の優しそうな姿へと変化する。


 男子学生がそっと豪雷から身体を離す。


 強烈な光と共に男子学生は星男に戻った。







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