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流星兵馬が星男に敗れた次の日である。
文奈の両親を怪しいパワーで記憶改竄した星男はまんまと紫家の空き部屋一室を手に入れて、そこで寝泊まりするのに成功した。
文奈に自分といっしょに寝るよう頼んだ星男であったが鬼の形相でブチキレられて、さすがにそれは断念する結果となった。
今朝になって2人で学園へと登校してきたのだが。
2年D組の教室に入り席に着くやいなや、眼鏡をかけた美しい留学生エレナが現れた。
2人の前に立つ小柄な金髪女子は開口一番、こう言った。
「転校生、銀河星男くん」
エレナが眼鏡の中央を右手人差し指でククッと上げた。
「私はエレナ・コヴァルスカ。私と勝負していただきます。私が勝ったら、あなたは自分の星に帰ること」
「ええ!? また!?」
文奈が驚きの声を上げる。
当たり前だ。
昨日の流星との対決も、まだ消化しきれてないのだ。
おまけに星男は無理矢理、紫家に居候を決め込んだ。
嫁だ、嫁だと、ずっと言ってくる。
正直、これ以上のトラブルはごめん被りたい。
文奈の声に教室に居る他の生徒たちが、こちらを一斉に見た。
何人もの生徒の中に、文奈は以前から少し気になってほのかな恋愛感情を抱いていた学園一のモテモテ美少年、孔雀山麗士の顔を見つけ、恥ずかしさに真っ赤になった。
(孔雀山くんが見てるよ…どうしよう!!)
困っている文奈に星男は全く気づかない。
エレナをじっと見つめた。
星男の両眼がキラリと光る。
「君、『鍵』を持ってるね」
「『鍵』?」
エレナが怪訝な顔をする。
「ボクが勝ったら『鍵』を渡してもらいます」
「何のことだか…」
エレナは一瞬、迷ったが。
「私に負けはあり得ません。その条件で良いです」
言い切った。
「ちょ、ちょっと待って!!」
孔雀山に見られている恥ずかしさを一瞬忘れ、文奈が慌てた。
「この流れって、また戦う感じ!?」
「始めます!!」
エレナが叫ぶと同時に、その身体が強烈な光を発した。
あまりの眩しさに文奈が眼を閉じる。




