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「神が言った通りじゃないか!!」


 痩せた男の影が声を上げる。


「私たちから力を奪うためにやって来た宇宙人。それが銀河星男の正体なのね」


 すらりとした女の影が言った。


「「何てことだ」」


 同じ背丈のそっくり同じ2つの影が同時に喋った。


「問題ない」


 ひときわ大きな影が言った。


「俺が叩き潰してやる」


「待ってください!」


 今度は小さな影。


 川中島と同じく月明かりに照らされ、その姿が浮かび上がる。


 賢そうな女子。


 金髪のショートカット。


 日本人ではない。


 白い肌。


 青い眼。


 銀縁の眼鏡をかけている。


「エレナ、何?」


 座っている影が訊いた。


「体育会系の流星が敗れたのですから、次は戦略系の者が当たるのが良いと思います。豪雷(ごうらい)さんでは…」


「何だとっ!?」


 大きな影が怒鳴る。


「俺が負けるとでも!?」


「やめなさい」


 座っている影が口調を強めると室内に静寂が訪れた。


「エレナ、自信があるの?」


 再び口を開いたのは座っている影。


「はい」


 エレナが頷く。


 眼鏡をクイッと上げた。


「ではエレナに任せましょう」


 座っている影の言葉に誰も異論を挟まない。


 ただ1人、エレナが「ありがとうございます」と答えた。


 やがてエレナを先頭に、立っていた影たちは全て部屋の外へと出ていく。


 残されたのは生徒会長席に座った影のみ。


「銀河星男…」


 影が呟いた。


「宇宙から来た悪魔か…」




「あなたの負けですよ」


 星雲学園2年B組、東欧からやって来た青い瞳の留学生エレナ・コヴァルスカは声高らかに宣言した。


 恐ろしく広い畳の部屋。


 正座したエレナの前、将棋盤の向こうにこれまた正座している銀河星男は口を開け、ポカーンとなっていた。


 2人からやや離れた位置にある細長いテーブルの反対側に、こちらを向いて正座している3人。


 両脇の2人は流星兵馬の野球世界に存在した顔の無いのっぺらぼうたちだ。


 時間係と棋譜(きふ)係。


 そして2人の間に座っているのは紫文奈。


「ぐぬぬ」とうなりながらエレナと星男の将棋対決を見つめている。


 3本勝負のうち、1本でも取れれば星男の勝ちという条件の最初の戦いが終わったところだった。


「じゃあ、次ね」


 エレナが流暢(りゅうちょう)な日本語で話し、盤上の駒を並べ直し始める。


 星男がポカンとしてる間に、早くも第2戦目の準備が整った。



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