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「でも『鍵』はまだ揃ってません。全部を揃えないと『門』が開かないので」
星男が続けた。
「『門』?」
文奈が訊く。
「はい。『門』を開けないと」
星男が答える。
「うーん。よく分からない…」
文奈は首を傾げた。
「何でついてくるの!?」
文奈が怒った。
「ええ!?」
星男が驚く。
「『ええ!?』じゃないよ!!」
文奈が星男の驚いた顔マネをして見せた。
「銀河くんは自分の家に帰ってよ!!」
星男は首を横に振った。
「ボクは文奈さんといっしょに居ます」
「そか。私の家に来るんだね」
文奈が頷く。
「って、納得しないから!!」
文奈が怒る。
「嫁と離れるのは嫌です」
「だから嫁じゃないでしょ!!」
何度も同じやり取りを繰り返しながら2人は結局、文奈の家の前まで来てしまった。
星雲学園から徒歩10分ほどの住宅街の、ごく普通の一戸建て。
「紫」と表札が出ている。
「銀河くん、いい加減にして!!」
「文奈さん!!」
星男が両手を広げ文奈を抱きしめようとする。
「いやーーーっ!!」
文奈が叫び、鍵を開けて家に飛び込むと星男もすぐ後ろに続いて、いっしょに入ってきた。
「ちょっと、ちょっと!!」
文奈が慌てて、星男を外に戻そうと押す。
星男はびくともしない。
「文奈、お帰り」
文奈の背後から母の声がした。
「あら、お友達?」
「違うよ! ママ、ちょっと中で待ってて! ややこしいことになってるから!」
「あら!! ボーイフレンドとややこしいことに!? ママ、すごく気になるわ!!」
「違うよ、ママ!! ボーイフレンドじゃない!! 銀河くんは今日、転校してきたばっかりなんだから!!」
「まあ、それなのにもう家にご招待!? 文奈、めちゃくちゃアグレッシブじゃない!!」
「だから違うって!!」
「銀河くん、文奈の母です。よろしくね」
文奈の隠された美少女要素は間違いなくこの人物からの遺伝と分かる美人の母が星男に声をかけた。
「お母さん、よろしくです」と星男。




