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「ちょ、ちょっと! 急に何なんですか!?」
文奈の抗議の中、流星の胸の辺りから優しい緑色の光が発生した。
光は球状になり流星の身体から飛び出し、野球部マネージャーの胸へと吸い込まれた。
2人が唇を離す。
マネージャーの身体が先ほどと同じ眩しい光を放つ。
一瞬でマネージャーは元の星男へと変わっていた。
「ええ!? 何!? 今の何!?」
文奈が星男に訊いた。
「『鍵』をもらうために彼の好きな人になったのです」
「それって…変身したってこと?」
「そうそう。彼の心を開いて『鍵』をもらいやすくするために。もちろん、変身した人の思考までコピー出来ます」
「そ、そか」
文奈はとりあえず納得したようだったが。
「じゃあ、マネージャーは銀河くんだったのね。あれ?」
首をひねった。
「ってことはキスをしたのはマネージャーと流星くんじゃなくて…銀河くんと流星くん…ってこと!? キャーーーッ!!」
文奈が再び真っ赤になった。
星男が腕を組み、困った顔になる。
「これが嫁の焼きもちというものか」
「私はまだ、銀河くんの嫁じゃないよ!!」
文奈が怒る。
いつの間にかピンクの霧が晴れ、3人は星雲学園のグラウンドに戻っていた。
「これで君の力は無くなった」
星男が流星に言った。
「そうか…もう俺は…」
流星はそう言うと再び下を向いた。
文奈が星男の袖を引っ張る。
「銀河くん、行こう。そっとしておいてあげよう」
星男と文奈は流星を置いてグラウンドを離れ、校門を出た。
「何だかよく分からないけど解決したんだよね?」
文奈が言った。
「はい」
星男が笑顔で答える。
(かわいい)
屈託のない笑顔を見て文奈は思った。
すぐに首を横に振る。
(ダメダメ。今日、知り合ったばっかりだよ! しかも宇宙人なのに)
先ほどの戦いからも、今や星男が宇宙人という事実は受け入れてしまった文奈であった。




