表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士とロリのGランクダンジョン  作者: 三角 スミス
第一章 Gランクダンジョン開店
1/2

天使の鉄槌(エンジェリックマワシゲリ)

下品さはこれから加速する可能性があります。

早めのブラウザバックをお勧め致します。


 なぁみんな聞いてくれよ。酷いんだよ。

 ここだけの話なんだけど三十五歳にして童貞だとうっすーい確率で死ぬんだよ。

 びっくりだろ? こんなことになるなら予め日本政府は対策を打っておくべきだよな!!


 俺だって好きで童貞だったわけじゃねえ。そんなに不細工でもない。と思う。

 高校の時には幼馴染で彼女の朱里って子もいたんだよ。

 でも当時の俺は事を致すのは責任を持てる大人になってから!!なんていうクソみたいな貞操観念持ってる俺かっけーみたいな感じだったんだよ。ほんと後悔しかねえ。

 それでお互い大学生になったら自然消滅みたいな? 遠距離恋愛って難しいぜ…。


 社会人になってからというものコンパに明け暮れた俺を待っていたのは童貞をこき下ろすという悪しき風習。

 この年になって童貞とかありえなくね? 欠陥品なんじゃね?みたいな。

 その状況で僕童貞です。っていえなくね? 無理げーじゃね? 当然一緒になって童貞叩き始めるよね。

 そんな状況で女の子を誘える訳がなく。

 俺の二十代さようなら。強いて言えば職場が悪い。だって男しかいなんだもん。

 

 迎えた三十歳の誕生日。大学時代の連れ達の結婚式の招待状やら子供産まれましたー連絡を、死ねリア充どもという呪詛でかき消して一人ワインとチーズでお祝いしてましたよ。独り者の幸せってやつだよ。

 もう振り切れてるよ。結婚なんてしたくねえ。もはや意地だ意地。


 そもそもすげえ問題を俺は抱えているんだ。

 もうね……。俺の頭の頭頂部には髪の毛はないんだ。俗に言う博士ヘアーだよ。テンパで博士の俺のあだ名はのどぐろ河童。のどぐろ成分どこだよ!!


 そして諦めた。俺の息子よすまん。君の活躍は来世になりそうだ。


 そんな俺の人生は三十五歳の誕生日を迎えた午前6時に終わった。

 

 ベッドで寝てたらなんか重いなーなんて思ってうっすら目を開けたら、すげえ可愛い子が俺にまたがってんの。

 股間の上に膝立ちで。これ息子限界まで応援すれば入んじゃね?的な事を考えたら女の子すげー冷たい目してんの。服着てんだから無理に決まってんじゃん。冗談だよ冗談!!

 ってかなんで俺の頭の中の事わかるのん?あちゃーサトラレだったか俺。なんてな。

 現実を飲み込めずとりあえず二度寝することにした俺は女の子のキュートな声で強制的に覚醒させられたわけだ。


 「とりあえず死ねよ。欠陥品」


 キュートだけど言葉遣いが下品。この子を教育した大人は誰だ。

 おじさん怒らないから手をあげなさーい。俺だったらもっとおしとやかに育てるね。お父さん大好き―ってなるように。間違いない俺天才イクメンになれる気がする。

 童貞のどぐろ博士だけど……。


 でまあそこまで考えたところで俺の思考はバッサリと無くなる訳だ。

 なんていうの? ランス? みたいなやつが俺の胸貫いてるんだもん。

 痛かったというより熱かった。

 そんな最後の感想を抱いて、さようなら人生ってなる筈だった。

 いや。間違ってはないのか。

 もうどうでもいいか……。



 ★★★



 で、今のこの状況になりましたと。

 

 真っ暗な部屋に蝋燭みたいなのを壁にかけた一室で俺はキュートガールと向かい合ってる訳だ。

 

 「俺死んだの?」

 「うん。君は死んだ」

 「殺したの君だよね」

 「♪~♪~」


 キュートガールは下手糞な口笛吹で誤魔化してた。なんだろうこのファーストコンタクトだけで伝わるポンコツ感。

 金髪ツインテール引っこ抜いてやろうかと思ったわ。やらなかったけど。

 金髪美少女に触れるとか無理ですから!! イエスロリコンノータッチ。この世の常識。

 ここがどの世か知らんがな。


 「で、ここはどこなの?」

 「ん~? 三十八世界?」


 あー。ちょっといいかな。

 正直この子可愛すぎて内容が頭に入ってこないわー。

 ん~?の時に小首を傾げて唇に指当てるのヤバいわー。わかってるわこの子、自分の武器に気づいてるわー。恐ろしい子!!

 って三十八世界ってなんだよ。どこだよ。もはや怪電波受信してるね。間違いない。真正の中二病怪電波症候群だよ。


 そこからが大変だったよね。この頭の壊れたハッピーキュートパツキンガールから事情を聞くの。

 体感四十分ってところかな。全部再現してもいいかなーと思ったけど。優しい俺が簡単にまとめてしんぜよう。


 ☆☆☆


 とりあえず。俺死んだ。笑うわー。しかも殺したのこのツインテ。理由は人材不足だって。

笑っちまうぜ。笑っちまうよ……。しかも結構たまたまらしいぜ。三十五歳以上で童貞とかもはや存在価値なくね? 種の保存を実行できないならほかの事に使うしかないよねみたいな感じであっさり殺してくれちゃったわけだ。言い訳できないところがまた悲しい。俺の世界の三十五歳童貞の数少なすぎるんじゃね? 結構な奇跡的な確率で殺されたんだと思うんだ。


 ああ悪い脱線しちまった。どうやら俺の住んでた世界が二十二世界だそうだ。そこから世界を超えて三十八世界にやってきたということらしい。マジ電波。でもねえ、俺こういうの知ってる。異世界転生ってやつだろ? 小説よんだことある。仕事ずる休みして三日で読み切った。いいよ俺三十五歳にしてこういう希望のあるやつスキー。もちろんお約束のあれだよね。チート授与式。今この瞬間、俺は生まれ変わってチートを所持して童貞捨てて子供を育てるんだ!! みたいに浮かれたよね。これが俺の人生で一番テンション高かったんじゃないだろうかと思うくらいテンション爆上げなわけよ。まあ一刀両断されるわけだが。

  

 「ごめん。意味わかんない。チートってなに? 何テンション上がってんのキモ」


 デリケートにオブラートに包んで言霊は発射してほしい。可愛ければなんでも許されると思うなよ!!許すけど!! もう意味わかんない。この状況でチートくれいないの? どうすんの? 俺の頭河童のままだけど? それはまずい。せめて童貞は捨てさせてほしい。できれば子供も欲しい。さらに言えば嫁は君であってほしい。もはや一目惚れまであるよね。そんな俺は恥も外聞もなく美少女に土下座したわけだよ。

 

 「お願いします。せめて十六歳くらいまで肉体年齢戻してください」

 「泣くなよキモイな。うわーマジかよ。わかったよ。まだお前は霊体だから入れ物くらいはいじってやるよ」


 フフフ。かかったな。ここでガキンチョと大人の差が出たわけだ。顔グシャグシャになるくらい号泣している三十五歳博士ヘアーの中年男に土下座される経験は初めてのようだ。泣き落としは女だけの武器じゃないんだよ。あまりにも惨めな者に対しては優しくなれるんだ。これも人生経験として心に刻め!!


 とまあそんなこんなで、俺は十六歳の頃の肉体を手に入れることができたわけだ。


 「あれ……。以外にカッコいいかも?」


 そしてポロりとパツキンロリ美少女はこんなことを宣った。フフフ。これも作戦のうちの一つ。まず俺は学生時代そこまでヒドイ有様ではなかった。三十五歳の俺がもはや如何してこうなった状態なだけだ。それを目視した直後に、まし程度の外見を見るとちょっとカッコよく見える。

 これぞ必殺ギャップ萌え!! 大事なのは落差なのだよ若人よ!!


 これ脈ありなんじゃね? いや待て、待つんだ俺。こういうのはもっと心を許してからだ。いままでこの感に従った結果が三十五歳童貞なんだろうが、冷静になれ!!


 だがしかーし。勢いも大事って雑誌に書いてあった。だから俺は男のバイブルを信じてすっと近づいて抱き寄せたよね。

 俺の息子がちっぱいの間くらいにちょうど収まるくらい幼女だったんだと認識した瞬間に俺は思考を加速させる。

 イエスロリータノータッチ。このクソッたれな定型文が俺の思考を数瞬ごとに邪魔をする。

 違うんだ世の諸君わかって欲しい。たまたまなんだよ。たまたま抱き寄せた時にちっぱいとちっぱいの間にうちの息子がお邪魔しちゃっただけなんだ。しかも服越し。白い純白のドレスみたいなラブリーエンジェル的な奴を着てたんだ。だから感触もなにも感じない。なんとなくほのかに暖かかっただけなんだ。

 

 そして、迫りくる終わりの時。


 俺の息子が無垢にむくっと喜びを表してしまったがために、この瞬間は終わったのだった。

 俺にはこのオチは覚悟できていた。まあ制御できるわけがない。まして十六歳の健康的な男子の体なのだ。反応しないというのが無理なのだよ。

 だからこそ俺は言いたいことを言うことにした。遺言として。


 「これって、俗に言うパイ……」

 「死ね」


 俺は視界が真っ白になるくらいの強烈な上段飛び回し蹴りを食らった。

 

 でも、俺は最後の最後まで抗った。

 君たち紳士にその報酬をおすそ分けしようと思う。

 

 シルクっぽい白レースフリル。 以上である!!

 

 俺の意識は暗闇の中に落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ