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呪いの視線

登場人物


椎名 匠  二組 成績底辺

和木合 藍 二組 転校生。大人しい性格

岡村 沙苗 二組 成績底辺。ソフトテニス部

夏川 奈緒 二組 ソフトテニス部


藤林 隆  一組 成績底辺

坂本 由美 一組 大人しい性格


仲井 健一 三組 成績底辺

武内百合子 三組 大人しい性格

上野 義孝 三組 野球部エース

川中 幹彦 三組 野球部。同じ小学校

近野 美佳 三組 川中の彼女??


一組担任 加藤 玲子先生 新人

二組担任 原田 幹雄先生 柔道部顧問


「いったい聞くとマズいことって……なんだ」

 顔を上げて藍の方を向いたのだが……。


「今日の匠って、胸元ばっかり見るのね」


 ――?

 俺、そんなもん、ちっとも見てねーぞ! いや、今はそんなことよりも、王子様が俺達の他に、いったい誰に呼ばれて来たことがあるのかってことの方が大事なんじゃねーのか!

「思わず万年筆を放してしまうようなことを急に言わないでくれ」

 藍は目を細めて少し距離を取りながら、制服の下に着ている少し首回りが緩い白Tシャツの襟元を手の平で押さえた。

「いやらし~」

 距離を取るといっても二人の手は同じ万年筆を握っているのだから、離れられるわけがない。万が一、王子様が来ている時に万年筆から手を放したら、呪われてしまう……そういうルールだ。

「……あのなあ、頼むから胸元を手の平で隠すのをやめてくれないか」

「お、男らしい。見たいから見せろってこと?」

 今度は指先で襟元を少し引っ張って見せる。少しブラが見えてしまった――!

「――違う! 藍の小さな胸なんかに興味なんかあるもんか!」

 何を考えているんだ! ――これってもしかして、挑戦……じゃなくて挑発――?

 まだ俺達は中学生だぞ? まだまだ子供だぞ?

「へえーそうなんだ。でも私、もうBカップはあるよ」

「――!」


 そんなことを出会って数日の男子生徒に教えていいのか? いや、いいはずがない。

 何カップがどうなのかは知らないが……なんか、凄いことを聞いてしまったと思う。

「匠が大好きな夏川奈緒も、岡村沙苗もAカップよ」

 聞いてない、俺はなにも聞いてない――! ブンブンブンと顔を振る。


 ――しっかり聞いてしまったが、今のは聞いていない!


「って、なんでそんなこと知っているんだよ! 女子って、そういうの言い合うものなのか?」

 男子がトイレで自分のモノに……やれ毛が生えたとか、やれ脱皮したとか、やれおしっこ以外のモノが出ただとか言い合うように……?

「見たら分かるじゃない」

「……」

 そうなのか……。見たら分かるのか……。っていうか、見たのか?

「うわ、匠、今、女子に見られたら絶対にやばい顔してるよ! やばいやばい!」


 慌てて片手で顔を隠した。そんなヤバい顔をしていたのか……って、ヤバい顔ってどんな顔だと問いただしたい――。

 また指をねじって「バリアー」をされている!


「加藤玲子先生もAカップよ」


 ――もう、勘弁してくれって――!


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