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デジリアルワールド   作者: 川端 誄歌
入学試験編
3/16

入学試験、Ⅲ

こんにちは、そして初めましての方が多いと思います。

かなりお久しぶりの誄歌です。


まさかの二年ぶりの投稿、

物語自体が大きく変わっているためも全く別の話になってしまっています。


では、デジリアルワールド、どうぞ( ゜д゜)ノ


徹夜です、眠たい(現在午前7時30分)

「じゃあ、改めまして。百の合と書きましてユリと読む。百合ほのりです」

元気よく左手を上げて百合は跳ねる。

背の高い方である僕らに合わせて跳んでいるのだろう。

跳んだところで、全然届いてないんだがな。

「おう、よろしくな。……あ、俺?俺は草冠に魚とカタカナのリみてぇなの書いてアザミと読む。薊大悟。そんでもってバーサーカーコードの保有者だ」

「そんな面倒な言い方をしないといけないのか?橘凜、漢字は後で調べて。……セイバーコード保有者だよ」

何が楽しいのか、二人は大声で笑いあっている。

こんな細い道で反響するほどに、大きな声だ。

目的は迷路をゴールすることだが、それでも戦闘は起こる。

血の気の多いやつや、自身がゴールするために人を殺すやつもいるんだ。

まぁ、二〇〇〇人が試験を受けて、A~Fまでのクラスに入れた者のみが合格。人数で言うなら一クラス三六人で、六クラスだから二一六人か。それはそれはみんなも焦るだろうさ。

「そういや、今さらだけどセイバーって一番強いんだよな?」

「……いきなりだな。たしかに、そうらしい。あるコードを抜いてな」

「あるコード?俺のバーサーカー?………………あれ、そもそも何種類あんだっけ?」

「お前、今さら何を言ってるんだコードはな……」

全部で七つ。

剣士のコード、セイバー。

弓使いのコード、アーチャー。

槍使いのコード、ランサー。

文字使いのコード、ルーン。

王のコード、ロード。

狂戦士のコード、バーサーカー。

そして、破壊者のコード、ルーイン。

「……ちなみに、あるコードとはルーインだ。ルーインは自分の周りにすべてを破壊する空間を常に創ることが出来る。物理も、魔法に近いルーンの力も効かないんだよ」

簡潔に言うなら、コードとは身体に魔力を流すためのもの。血を身体中に運搬する血管のようなものだ。

それと同時に辞書のように沢山の情報が詰まっている。例えば、僕が使った『閃』。あれもコードから引用した技だ。ただ、コードだけあってもなにもできない。できて身体能力強化。それこそ、『閃』くらいは使えるかもしれない。そこは個人差による。もちろん、僕は使えた。

「それに、他のコードと違ってドライブがなくても強い」

ルーインはそもそもその根底から違う。

コードと魔力。その二つが成立していれば、ルーインは自分を守る空間を周囲に創ることができてしまう。触れるだけで、物体を破壊することができる。

火力も、防御もともに規格外だ。

だから、今回の試験では試験開始から一時間が経過するまで、ルーインは力が使えない。ルーインだけは配布されたドライブを使っており、そのドライブによって破壊の力が制御されている。

「あー、なるほど。あれは確かにやべーよな。俺一回しか見たことねぇけど。死ぬかと思った」

「僕は一度も見たことないよ。強すぎるからなのか、なかなかルーインの子供は産まれないからね」

「私も、見たことないかなー」

「……そう、なのか」

各コードにはそれぞれ特徴がある。

セイバーだと、剣技。

バーサーカーなら暴走。

ルーインは破壊。

アーチャーは遠距離攻撃や索敵。

ランサーは素早さ。

ルーンは言葉に力を込められる。

ロードはすべての武器を使用可能。

「ロードもあれはあれで規格外だ」

「たしかに。他人のドライブを起動、使用できるしな」

ドライブはコードと繋がって初めて武器になる、特殊デバイスだ。持ち主によって形は変わり、そのため武器形態は千差万別。その上、ドライブには魔力が登録されており、例え奪われたとしても普通は使用できない。

武器形態の場合、弾かれてしまう。

運が悪ければドライブは壊れる。

だが、同じコードで他人の武器を握ることは可能だ。

最も、起動することはできない。一度でもドライブに戻ってしまえば、それまでだ。

「そうなんだ?私初めて自分以外のコードにあったからなぁ~」

「百合は、なんか複雑な家柄だったんだな」

「え?まぁ、たしかに複雑な感じだけど。なんでわかったの?」

答えは明白だった。自分以外のコード保有者と今初めて会った。彼女はそう言った。

それが何を意味するのか。

両親もコード保有者ではなかったということだ。

そして、同時に百合のコードを示す答えにも、

「あ、俺の身長な一八〇センチなんだ」

「わぁ!でかいね、私一四八センチだよ~。いいなぁ、身長分けてほしい…………!!」

……あぁ、考えるのがめんどくさくなってきた。

「へへっ、ちゃんと食ってたらそのうち伸びると思うぜ。俺なんか食って寝て筋トレしてたらこうなったしな!」

「勉強はどうした、勉強は。高校ならまだしも中学までは必須だぞ」

「だからここの試験受けてんだよ。頭わりぃんだもん、俺」

「お前……七々?」

「四九……そこまで馬鹿じゃねぇよ~」

「残念、九九は「よんじゅうきゅう」じゃなくて「シジュウク」が正しい答えだ」

「……性格わりぃ…」

「あはははは、仲いいねぇ~」

これのどこが仲良く見えるのだろうか。僕にはただ嫌われることをした自覚しかない。薊だってだるそうな顔をしている。まず仲が良さそうには見えるとは考えられん。

「二人は付き合いが長いの?」

「全然、ついさっき仲良くなった」

「仲良くなった訳ではない」

僕らが言った言葉で先行していた百合が立ち止まり、すごい勢いで振り返る。わざわざ一回転するほどに、勢いがあった。

ふわりとスカートが揺れる。

思えばこれはセーラー服と言うものなんだろうか。

ちなみに、僕はブレザーを羽織る制服で、薊はワイシャツにズボン。姉はベストを着用していた。さすがに高校の制服を着ているやつはいないか。

「なのに二人で行動してるの!?」

「するだろ。こんな状況だし」

「時と場合による。僕は一人の方がいろいろ楽なんだが」

「……ん?二人とも目的が別なの?」

呆気にとられたような表情をする百合。

それからすぐに疑問の顔を浮かべる百合。

忙しないやつだ。

「全くの別だ。僕は姉さん探しで、こいつは幻のクラス七組への合格手段を探している」

「姉さん?凜、お姉ちゃんがいるの?」

「あぁ、綺麗な紺色の髪をして、綺麗な黒い瞳。背は百合より少し小さいがそれでも胸は少しあって、手先が綺麗な上に料理や裁縫も得意でファッションセンスもよくてな、そしてなんと言っても優しい声、見るだけで癒される笑顔が…………」

「お、おぉう。止まれ止まれ、凜。二度目だから俺は慣れたけど、ほ、ほのりが引いてるぞ……」

目を閉じ、熱く語っていると両肩を掴まれ揺らされた。

仕方なく語るのをやめて、閉じていた目を開けて前を見る。

薊が半笑いで僕を止めに来ており、その後ろに百合が薊の影に隠れている。

「…………すまん、先に言うが僕は紛う事なきシスコンだ」

「……え、えぇ。素敵な、姉さんなのね…」

「あぁ、最高の姉だ。あれほどの人は……」

「あー、はいはい!ストップストップ!!七組の話しようぜ、な?な!!」

「そそそそうね!七組の話聞かせてちょうだい!」

二人とも連れないやつだ。人がせっかく愛しの姉について語ってやっていると言うのに。嘘か本当かもわからない七組の話をしたいだなんて言い始めるとは……全く。

「ほのりはなんか知ってるか?七組について」

「うぅん。全く初めて聞いたわ」

それも当たり前だ、その七組の話を信じている薊でさえ聞いたのは二時間前なのだから。百合が知らなくても無理はない。

「んとな、七組は……」

薊が懸命に身ぶり手振りで教えている。

なんのため身振りなのか、全く理解ができない。

O型か、こいつ。

僕はすでに聞いていた説明のため、二人の前に出る。

目を凝らしてみるがこの先に特に変わったものはないようだ。

今までと同じ、黒い壁がそびえ立つ道だ。

「そっか~。ただの噂話でしかねぇのかなぁ~」

「諦めろよ、普通に合格した方が楽だと思うよ。僕は」

そろそろAクラス分は合格者が居るのではないだろうか。

試験は丸一日となっているが、例年八時間ほどで終わっているらしい。

「えぇー。夢がないなぁお前は~」

「それで合格できなかったら元も子もないだろう。僕がお前にかろうじて付き合っているのは、C位を目指しているからだ」

Aクラスは学年の、学校の代表として難しいミッションが課せられていく。遠征も多いらしい。

Bも補欠として少し辛いものがくる。たまに、遠征があるようだ。

Cからは地域活動だけで、面倒がない。

だからCが良いんだ。別にDでもいいだろうとおもうかもしれないが、試験はゴールできたものから帰宅。それなら早く帰りたい。だからCなんだ。そのためにも、早く姉と合流したいものなのだが、手立てがない以上地道に探すしかない。

「んー、私もそれくらいが言いかなぁ。凜さんがCに行くなら私もそうしようかなぁー」

「えぇ、やる気出そうぜ~。ラブアンドピースのために戦うとかよ~」

「面倒が嫌いなんだ。僕は自分が強くて、姉だけを守れればそれだけで良い」

「それこそ、Aならもっと強くなれるかもしれないじゃんか!」

たしかに、Aならもしかしたら強くなれるかもしれない。だが、所詮、少し強いやつらの中で力をつけても意味がない。

「僕は誰よりも強い自信があるんだ。誰にも負けないよ。例え、神様が相手になってもね」

「あははは、なにそれ。凜さんって自信家なんだねー」

「そう、かもな」

僕はお腹をかくふりをして、自然な動作で柄を掴んだ。

そして、迷うことなく百合の首もとへ剣を突きつける。

「試すか、百合」

「は、速いね……ほとんど見えなかった……」

素振りの風圧で百合の髪が舞っていた。

薊が僕を止めようとしていたが、左手に握った鞘で肩を突いて反対の壁へ押し付け、止める。

「微動だにしないんだな」

「なれてるもの、こういうの」

「………………」

「凜さんこそ、今ので私の首を斬らなくてよかったの?貴方えげつない戦い方する人でしょう?」

そう言われ薊を睨む。彼はばつが悪そうに僕から視線をそらし、わざとらしい口笛を吹き始めた。百合に言ったのはこいつで決まりだ。

薊とは、別件で話し合う必要があるかもしれない。

「そうだな。少し話して情が入った。だから別の方法で力を見せよう」

百合から剣を離し、薊へ向き直るような動作の中、剣を投げた。

「ぐっ!?」

何かに剣が刺さる音がした。

小さな悲鳴も聞こえる。

本当にめんどくさいが漁夫の利を狙ったやつが僕らを狙っていたようだ。

腰に鞘を付け直す。

「薊、ほのりを頼むぞ」

閃を発動させ、返事を聞かずにその場から跳ぶ。

「僕は、君たちみたいのが嫌いなんだ、よ!!」

「っあ……」

壁際がすぐそこだったらしく、剣が刺さっていたアーチャーが壁に寄りかかっていたのを視認。迷わず剣の柄を膝でさらに押し込み、そのまま彼の顔面を殴った。剣の根本までが肩口に刺さる。

壁にも突き刺さった様子からして抜けそうにない。

左右に彼の味方であろう人間が三人隠れていた。左に一人、右に二人。ランサーに、セイバーとルーン。バランスが取れているといってもいいだろう。

「武から、離れろ!」

セイバーの女子が斬りかかってくる。丸腰の僕は応戦するすべがない。

柄を足場に、槍使いの方へ倒れるようにして跳ぶ。

横に振られた一線が眼球の前を過ぎた。

「セイッ!!」

続けて突き放たれた一撃の槍の上に両足を着け、歩く。

「なん、だと!?」

「ちょっと危なかったね。回転するもんじゃない」

槍の上を少し走って跳ぶ。同時に腰から鞘を外して槍使いの後頭部を叩く。

ガッと鈍い音がした。だが、槍使いは倒れることはなかった。確実に骨がいったように思ったのだが、

「ぐっ……はっ!!」

踏みとどまるとそのまま気合いの乗った突きを繰り出してくる。

「ルーンか」

鞘でその一撃を受け止め、宙に浮いていた僕はそのまま後ろへ飛ばされる。その隙にセイバーが突っ切ってくる。僕が床につく前に斬るつもりだろう。

足の裏に意識を集中させ、宙にある魔力を踏んで僕は加速する。ここが魔力の濃度が濃い場所で良かった。おかげでこの戦法がとれるのだから。

「ひぃっ!?」

驚いた拍子に上がった右手を掴む。

「下段で切り上げるつもりなら、そのままにしてないと、ね!」

「ぐうぁっ…………」

こめかみを鞘で殴打した。

彼女の目から光が失われていく。

「借りるよ、剣は」

武器がドライブへ戻る前に奪い取り、魔力を供給した。

普段僕が使っているやつと違って重い。

これが大剣というやつか。

「貴様!!……マリ!!」

「う、うん!」

マリと呼ばれた文字使いがランサーへなにやらルーンを施す。

多分、攻撃力、速さ、等のルーンか。

「おい、凜!大丈夫か!?加勢しなくていいのか!」

ランサーの姿が消えた。

──速い。

「あぁ大丈夫」

剣を縦に持ち、横へ振る。

「くっ、ばれてたか!」

「お前も、中々やるみたいだね」

剣の腹と槍がぶつかる。

火花が散り初めて槍使いの顔が見えた。

「ふん、てめぇもなぁ!」

「おっと。こりゃさすがに片手じゃ無理か」

賢そうな顔つきに似合わず、馬鹿力だ。ルーンの加護があったとしても、これは彼の素の能力あってこそだろう。

鞘をルーンへ向けて投げる。が、

「させねぇ!」

ランサーの体当たりによって拒まれる。

だが、それでいい。

「っ!!」

右足をかけ、足を払う。

鞘を弾くために片足に体重が乗っていた彼は意図も簡単に浮く。

「仲間想いは、時に辛いな」

僕は嫌な笑顔で言った。対して槍使いの顔が歪む。

両手で柄を握り、振り下ろした。

いつもなら圧せない所だが、今回は運が良くも大剣だ。

武器ごと斬り伏せられる自信がある。

「う、おぉぉぉぉぉぁぁぁあ!!!」

「まだ頑張るのか、お前らは」

予想外の反撃だった。槍使いが踏ん張っただけでなく、文字使いが突撃してきたのだ。生身で、僕の鞘を持って、

「はぁぁぁぁ!」

綺麗な姿勢の上段構え。女子とはいえコード保有者だ。武器の鞘で殴られれば僕も一溜まりもない。だが、今槍使いへの攻撃をやめれば確実に刺される。

かくなる上は、一旦後ろへ跳べば何とかなるか、

「とりゃあ!」

「ひゃ、なに!?」

と、考えていた刹那、跳んだ文字使いへ誰かが飛びかかった。

その後ろを背の高い影が、慌てた様子で動いている。

それだけで、誰かわかってしまう。

百合と薊だ。

「…………ちっ、はぁぁぁぁ!」

全身に魔力を込め、押しきる。武器が真っ二つになり槍使いの心臓へ刃が当たる。いや、当たりかけた。

「……命拾いしたな。時間切れだ」

切っ先が先に床に当たり勢いが削られる。

そのおかげで、それ以上刃が押し込めなかった。

同時に、奪った武器がドライブへ戻ってしまう。

「…………負けたよ。まさかあんたら仲間だったとはな」

「仲間じゃない。ましてや友達でもないよ」

ドライブを少女のもとに投げ、百合に飛び付かれ驚いて顔面を床にぶつけたらしい文字使いから鞘を取り返す。

「ランサー、他の連中のこと、頼んだぞ。それと、さっきの『閃』。速くて見えてなかったよ。勘で大剣を振っただけだ」

「………………ありがとう」

「…………」

身体が自然に止まった。まさか敵として戦った人間に礼を言われるとは、思ってもいなかった。僕は女子にも手加減なく、容赦なく攻撃をした。きっと骨が折れているはずだ。早く手当てしないと、死ぬかもしれない。なのに、なぜ礼を言われたんだ。

「……別に」

わからない。

理解ができなかった。

だから振り返らなかった。

彼は、泣いているのに礼を言っていた。

百合と薊は達成感に溢れた笑顔を浮かべている。

「薊。お前に関してはなにもしてないだろ」

壁に刺さった剣の柄に手をかけた。

「いや~それな~」

「なら、な、ぜ。そんな、顔を、している!」

びくともしなかった。

引っ張っても抜けない。

魔力を込めても抜けない。

壁に足を付けて力を込めても、魔力を込めても。なにも起きない。

「選定の剣かこれは」

「全然駄目ね。びくともしないもん」

困り果てて悩んでいると百合が柄を跳び掴み、ぶら下がる。だが、剣はまるで負荷がかかっていないかのように壁に突き刺さっている。

「……よし、薊。抜け」

「はぁ?やだよビリって来るやん」

「限定的に承認させるから大丈夫だ」

「えぇ~、どうしよっかな~」

「てか、抜かないとこの人ここから動けないから」

そう。何事もないかのように百合もぶら下がっているが、剣は壁に直に刺さっている訳じゃない。武と呼ばれていた弓兵を貫通して刺さっているんだ。百合はいったいどんな気持ちでぶら下がろうと思ったのだろうか。彼女のメンタルがわからない。

「んー………………」

それでも薊は渋った。

腕を組み、指をトントントンとしている。

「わかった、何が望みだ。できることならやってやる」

「お、!まじで!?言ったな、今言ったよな!?」

「……待った、やっぱ撤回だ。良いからこれを抜いてくれ」

「いーや。俺は聞いたぞ。ほのりも、聞いたよな!」

「うんうん、聞いた聞いた!」

駄目だ。もう後戻りは許されないらしい。

「よし、俺からの条件は、ふたーつ!」

「………………」

目で先を促す。薊は大きく息を吸って、

「一つ!俺たちを下の名前で呼ぶこと!」

「はぁ?」

「二つ!俺たちは、友達であり、親友、そして仲間。であること!!!」

「はぁ!?」

「この二つを飲むなら抜いてやる」

「嘘だろ…………。絶望しか感じない……」

頭が痛くなる気持ちになった。薊が何を考えているのかわからない。百合も百合だ。なぜそっち側なんだ。なぜ並んでピース……いや、二つを表すポーズをしているのだろうか。

「簡単だろ?他に頼みてぇことねぇしな。七組の話は今聞いてくれてるし、」

「さっきだって、大悟に私を守れって言って飛び込んでいったしね」

「そーれな!」

もはや夫婦だ。息が合いすぎる。というか、いつの間になにも付けずに名前を呼び合う仲になったんだ。

「頼んだだけだったんだけど、言わなきゃ良かった。あー、わかった。背に腹は変えられない。…………大悟、ほのり。………………………………これでいいか」

「……うん!」

「うっし。任せろ」

百合が嬉しそうに跳ね、薊が剣の柄を握った。

ゆっくり、徐々に。不快な音を立てながら抜けていく。見ていても良かったのだが、それはそれで気まずい。

なんとなく槍使いの方を見る。先程まで泣いていたくせに、今度は笑いを堪えていた。

「お前、やっぱ気絶しろ!」

「うぉ!?なぜバレた!い、いや待て今体に力入らねえマンだから!」

「問答無用だ、僕のストレス発散の糧となれ」

嗚呼、本当に。気が狂う。

拳を掲げた僕は、

「凜、抜けたぞ!」

目を閉じて微振動を繰り返しながら、差し出された剣を受け取った。剣を返し、鞘へ納める。タイミングが、悪い。本当に。

「行くぞ、大悟、ほのり。早くしないと僕はそこのそいつを本当に殺りかねない」

槍使いを跨いで先へ行く。

「あ、おい、待てよ凜!」

「歩くの早いよ!凜!」

二人の声を背に、僕は前へ歩いた。



この話は今から四年前に考えていた話を改稿し、新たに書き起こしたものです。

遥か昔に読んだことがある人は、もしかしたら主人公の性格の変化やバンバン技を使わないことに違和感を感じるかもしれません。

仲間との関係発展方法もちょっと変えました。

大悟とほのりが凜のシスコンぷりに引くシーンも改稿前の文にはなかったものです。

改稿前は受け入れられてましたから、(笑)

作者のエゴですね。現実の人間関係はそう簡単ではありません。(ファンタジーで現実のはなしぶっこむ)


とまぁ、そんな感じでいろいろ変えてみました。

面白ければいいなと。いろんな方に受け入れられればと、心の底から思います


それでは次回の投稿でm(_ _)m

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