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デジリアルワールド   作者: 川端 誄歌
入学試験編
2/16

入学試験、Ⅱ

こんばんは、誄歌です


全話書き直しを繰り返しているところです

案外、昔の自分の癖が気になりますね(笑)





では、どうぞ( ゜д゜)ノ


寝ます(切実)

「でな、この試験は裏の合格ルールがあるらしいんだよ」

「はぁ?」

戦闘を終え、姉を探す旨を伝えた僕は、薊を引き連れてさ迷っていた。

初めは軽い自己紹介から始まり、今は目的の話しになっている。

「その裏の合格ルールってなんだよ」

「いやぁ、ほら。何でもここって最高一学年六クラスだろ?……んで、普通の合格手段はゴールすっこと。そうするとAから順にクラスに割り振られてくって、やつやん?」

相槌をうちながら歩く足は止めない。

この学校は他の系列校と違い、入学試験がある意味で簡単だ。今僕たちがやっているように、ほぼ実践に近い状態で試験は行われ、終わる。人と戦い、実力を示す。そして迷路を脱出する。ペーパー試験はない。

「まぁ、それでもAはイメージ的に強いクラスって感じがあるよな。わざとBに行くやつらもたまにいるけどよ」

だが、ただ運が良いだけでゴールすることもないわけではない。実際、早くゴールすれば実力に関係なくクラスはAになる。仮に誰とも戦ってないとしてもだ。そのせいか、以前強い人がわざとにBに集まったという話しは、僕も知っている。

「あぁ、性格の悪いやつらだ」

そのため、その年は例外的にAとBのクラスを替えたらしい。

「…………してな?噂の合格方法があるんだよ。特殊クラス七組の話だ。俺はそれを確認したい」

「……(間はなんだったんだ)七組?その噂はどこ出なんだ?」

はじめて聞く噂だった。思わず足が止まる。

「あぁ、えぇっとな。俺は校門で聞いた。先輩だと思える人たちがな、笑いながらなんか言ってたんだよ。「今年は出るかなぁって」それで確かめたくなったわけよ」

「ずいぶん最近だな。で、方法とか、そんなのは聞いたのか?」

若干の呆れが入り、歩くのを再開する。とんだ信憑性の薄い話だった。一瞬でも興味を持ったのがバカらしく思える。

「んや、こっそりあとをつけて聞き耳たててたんだけど、方法とかは分からんかった。調べようにもなんも出てこなかったし。俺もただの噂なのかなぁと考えてたんだけど。確かめてみたいもんだろ?」

だが、当の本人は疑いつつも信じているようだ。

歩いてる道の先が三つに別れていた。

立ち止まり薊の方を見る。

「どっちへ行く?それともここで別れるか?」

左右と前を順に指差し、ヘラヘラと笑ってみせた。

「楽しそうだな~。あ、おい凜!そこに金髪女子いる」

「あ?あー、ほんとだな」

確かに金髪だった。目を離した隙に出てきたらしい。

カチューシャのようなものを頭に着けて、パーカーを着ている。

背は遠目に見ても小さい、まるで子供みたいだ。

彼女はキョロキョロと左右を確認していた。どうやら、この先も複数に道が別れてるらしい。

「ならとりあえず前の道は考えないとして左右のどっちかだな」

「え?合流しようぜ、一人みたいだしよ」

「お前はお気楽だな。もしそれが狙いで近づいたら集団に襲われる。なんてことになったらどうするつもりだ」

「でも俺らなら切り抜けられんだろ」

「どこから出る自信だそれ……」

一度も共闘をしたことがないというのに、薊は自信ありげに胸を張っていう。さっきの戦いは結局別々に戦って終わったんだ。互いに連携したわけではない。僕がこいつの戦闘スタイルを見たわけでもない。

薊は勝手に盗み見ていたらしいが、

「あ、でもあっちから来たぞ」

「えぇ?」

彼女の方を見直す。小柄な金髪の少女が、耳のついたカチューシャを揺らしながら走ってきていた。

なんだか、嫌な予感がする。

「よし、薊。お前は左、僕は右の道に行く。どこかで合流しよう」

「あ。おい凜!待てよ!」

急いで右へ曲がる。

正直倒してもこの際良かったのだが、小さい子供のようなやつを斬るのは若干罪悪感がある。

特に、姉の体型に近い女子を斬るのは。

そういえば、今頃姉はどうしているのだろうか。

姉に刻まれたルーンに変化がないことから、無事なのは分かるが、それでも不安だ。

一人で行動しているのだろうか。それとも、誰かと行動を共にしているのだろうか。

お、男と行動していたら…………あぁ、考えただけで震えてくる。

もしそうだったら礼を言って斬り捨ててやる、

「………絶対に」

考え事をしていた僕は後ろを振り返ることなく、右の道を突き進んだ。

「お前ほのりっていうのか~。俺は薊大悟、こいつは橘凜だ」

「大悟さん、よろしくね。……なんで凜さんはほのりのこと避けるのかな……?」

「さぁ、なんでだろうな。俺にもわからん」

僕は、突き進んだ。

「なんで着いてきたんだよ、薊」

が、薊が着いてきてしまった。

左へ行かず、小柄な少女を連れてきてしまったんだ。

僕は立ち止まる。

後ろの二人も立ち止まった。

振り返り、二人と対峙する。

「だってよ、話も聞かずにお前が行くから悪いんだろ」

「…………わかった。それは僕が悪かったとしよう。だがその子はどういうことだ」

少女を指さす。少女は屈託のない笑顔で僕の方を見てきた。

改めて見ると蒼色の眼が綺麗な、小柄な少女だった。

少女はペコリと腰を折り、

「私、百合ほのりって言います。よろしくお願いします」

挨拶をしてくる。

「……はぁ。橘凜だ」

なにかを期待する眼差しで見られ、仕方なく挨拶を返す。

すると、百合は嬉しそうに回る。

その場で、スカートを翻しながら。

前を閉めていないパーカーの裾がつられて舞う。

長い髪が、ふわっと散る。

「俺のときと反応ちげぇじゃん」

「唐突に握手なんか求めてくるからだ。……なにニヤニヤしてんだよ」

「べーつに。それよりこれからどうする?」

「…………そうだなとりあえず道のど真ん中で会話ってのもあれだから、どこかで休みながらにしたいところだが……」

真剣に考えている、風を装う薊を見て、進行方向を見る。

しばらく前に休憩ができそうなスペースはあった。だが、そこまで戻るというのも気が引ける。かといって見える道なりにそのような場はない。

そもそも、実をいうと休むことに時間を費やしたくはない。早く姉のもとに向かいたいのだ。

だから百合と合流したくなかったのだ。

髪の色も長さも違うのに、姉に似た身長のお陰で気にかけてしまう。

「なさそうね。歩きながら改めて自己紹介をしあいましょう?」

だが、元気がありあまってるのかくるくると百合が先行する。

変わった少女だ。

何を考えているのかわからないが、それでも百合からは敵意が感じられない。

動作に淀みがない。

真っ直ぐな少女だ。

「しかたない。ほら、凜行くぞ」

「あ、……そうだな」

呆れ半分で百合を眺めていた。

考えなしに先行するのがどれだけ危ないことか、と考えていた時、薊に肩を叩かれる。叩かれた方へ向き直ると同時に、薊が百合を追いかけて僕の横を通過した。

「っ……。なんだろうな、変な気分だ」

然程して知りもしない二人の背中を見て、心が痛くなった気がした。

あの二人は友人ですらない。知り合ったばかりだ。なのに、

「なんで丸腰で居られるんだ」

なぜ、そんなにも互いを信用する。

なぜ、僕に背中を見せられる。

なぜ、笑顔で会話が出きる。

僕は薊と行動を共にすることになり、鞘に剣を納めたとは言え、ずっといつでも抜刀できるよう柄に手を添えていた。

いつでも斬り伏せられるように、していたのだ。

「おい、凜!早く来いよ!」

「…………はぁ、わかった。今行く」

この晴れない気持ちはなんなのか。

残念ながら今の僕には説明ができない。

だから、とりあえず僕は。二人の背中を見続けることにした。



どうでしたか?

本来は長くする予定でしたが、短く切りました。


次は熱いバトルと今さらながらの説明が繰り広げられます(予定)


果たしてどうなるか。御期待(あくまで予定です)

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