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別世界線に来て全ての元凶を倒したので、異世界で気ままに余生を過ごすハズが……

また番外編です。

今回の番外編はあまり触れられなかったあの人について!!

本編の投稿は少々お待ちくださいませ〜

アテもなく────いや、目当ての薬草を探して森をぶらつく男がいた。

その男は、アビスとの戦争を終わらせた英雄の1人、『金子練(別世界線)』だ。

公式推奨呼称は『やさぐれん』。

字面での練(本世界線)との差別化のため、彼の事は『レン』と表記する。悪しからず。


「……迷った。」


風が吹く。それもとても強くだ。

『寂しい』という感情にここまで襲われたのは何時ぶりだろうか。


(……この世界の俺のせいかな。騒がしいのに慣れてしまったみたいだ。)


因みに、この男。ギルドでは『地道に働く方の英雄』という呼称で親しまれ、何度か飯を奢られたりしている。

更に因みに、女体化した方は起業し成功。『成金女』という呼称で妬まれている。

更に更に因みにだが残念な方は『幼女を救う為に世界を救う男』とか『幼女と過ごす為に神を辞める男』などなどボロクソ言われている。


(……俺が、今更人の温もりを求めるなんて…………。)


さて、そんな事を考えたせいです。

こんな状況にぴったりのお方が現れます。


「そんな悩みも筋肉を鍛えれば解決ですぞ。

どうです?レッツトレーニングッ!!」


その暑苦しい黒服は音もなく現れた。

そう、求めていた人の温もり(Lv.50 物理型テンプレ努力値厳選済み)だ。

……分かりにくかったか?つまり脳筋だ。


「うわっ!なんだこいつ!?」


錬金術の初見殺し攻撃ですら見切った男に不意打ちが通用してしまうのは、存在がギャグに振り切っているから?

いや、こんな考察など意味はない。コイツが何をしても『筋肉の力』で説明がついてしまうからだ。


……さて、レンとは面識のないこの男の名は、金次躯万(きんつぎくまん)。筋肉の力で常識を破壊する執事だ。


「むむっ?どうやら貴方、相当な筋肉をお持ちのようで。」


「あぁ……?元傭兵……のようなものだからな。」


「えぇ……えぇ!わかりますよ!

聞こえております筋肉の『闘いたい』という切実な叫びが!」


流石に元後衛向きステータスなだけあり、レンには筋肉の声は聞こえなかった。

多分幻聴。


「……筋肉ソムリエかなにかで?」


「えぇ、そのとおりです。

……ま、そのような資格は御座いませんが。」


「……面白い方ですね。」


意訳:なんだお前。


「ご褒めに預かり恐縮です。

……ですが、お嬢様はもっと面白いお方で御座いますよ?」


「それってどういう────」


その詳細を聞く前に、『面白いお方』とやらはやって来た。


「──()()ぁぁぁぁ──────!!!!!!」


いや、飛び付いて来た。


「…………?」


瞬間、レンのスイッチが切り替わり、世界がゆっくりに変わる。


(練様?アイツの知り合いか?

……いや、アイツがそこまで慕われる要因は一つとしてない。元は同じ人間とはいえ無茶苦茶な奴だからな。

では前の世界の人間……いや、それこそ慕われる理由にはならない…………なら答えは1つか。)


ここに居たのがもし、あの錬金術師だったなら、戸惑い、思慮の前にこの頭突きを喰らっただろう。

だが、歴戦の勇者にとってこの状況(自らが暗殺されること)は寧ろ懐かしささえ感じる程の日常。


少女が接近する……凶器と殺意を剥き出しにするまで動きは見せない。むしろ隙を見せる。


(武器は確認出来ない……隠蔽された魔術?)


しかし、直接触れる寸前になっても魔法の起こりを感じない。

それどころか、身体に触れるその手に悪意を全く感じない。


(……殺意はない…………なんで?そんなわけなくね?じゃあ、金子練(常識のないロリコン)の事を本気で好きってことになるだろ…………?)


とりあえず積もる疑問は置いておいて、怪我をしないように受け止める。


(……やはり、殺意はないか。しかし一体……?)


「…………練様……?」


怪訝そうな表情を浮かべるレンに、少女は不思議そうな顔を向ける。

そして、その腕に触れた瞬間、ハッと何かに気付いたような表情を浮かべた。


(いや何にだよ。)


「……お嬢様、やはり彼は『あの男』では御座いません。

この筋肉……一朝一夕で身に付くものでは────」


「──気付いていましたわ……あの逞しい上腕二頭筋に触れた時に。

というか練様の事をあの男って言うのやめなさい。仮にも私の恋人ですわ。」


さて、色々ツッコミたい現実に頭痛がしてきたレンだったが、


「上腕二頭筋で人の事を区別するのか……。

というかその……」


嫌な予感と共に、どうやら『金子練』は面倒な状況に巻き込まれているようだということだけ断片的に理解できる。


「すみません。お強い冒険者様。

……ご迷惑をおかけいたしました。」


(いや……どうする?これは本当の事を教えてやるべきか?

でも、もしかしたら名前が同じだけかもしれんしな……。)


「金子練です。年は17歳、身長は貴方とほぼ同じの錬金術師の男です。」


すらっと読心してくるなよ筋肉男。


「……?ど、どうも?じゃあ知り合い?…………です……ね…………。」


流石に歴戦の勇者たるレンも困惑を隠せず、顔を引き攣らせながら無難な返事を返す。


「本当ですの!?練様は一体どちらへ!?」


「え──っと、それはですね……。」


流石に居場所とまではいかないが、家は知っている。そこで長くても3日程度待てば出会うことは簡単だろう…………しかし、


(言えね────ッ!!

『そいつハーレム築いてて子供もいるよ』

とか言えね────ッ!!!

しかも昨日電話で……

『なんか子供生まれたわ。今度家来いよ!かわいいから!じゃ。』

──とか急に伝えられたとか言えね────ッ!!!!)


今言わなかったとしても、金子練は某有名RPGよろしく、ゾロゾロと嫁を連れ歩いているので、出会った時点で即アウト。

なんなら刻まれる傷はより大きくなるだろう。


「さぁ!練様も私を待っている筈ですわ!早く迎えに行って差し上げなければ!」


(……仕方ない、ここは────)


ここでこの判断に至ったのは、彼の性根が呆れるほど優しさに満ち満ちているためであるが、この判断で、彼の()()()ガラリと一変する。


「え?俺が金子練だけど?」


それが彼にとって良い方向に進むか否かは実際、彼の心持ち次第だが。


「「!!???」」


とりあえずこの一幕は、2人の驚愕の表情で幕は下りる。

いつも読んでくれてありがとうございます!!!


さてと、勇者として長年過ごして来た金子練は思いやりに満ち満ちた青年ですが、それが今回初めて顕になるくらい主人公周りしか書いてませんでしたね。

ということで今後も今回みたいに本編に関わりそうな奴らや、放置してた奴らの番外編をやるかもしれません。そう、気が向くままにね。

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