羽根突きは日本の正月で最も大衆的なスポーツのうちのひとつです。
「……マジかよ。番外編が2部構成になるなんて今までなかったぞ!?というかもう2月だぞ!いつまで羽根突きしてんだよ!!」
しゃーないやん。思いついちゃったんやから。
しゃーないやん。テスト期間だったんやから。
ということで、
「「「結婚……!!」」」
「「ス〇ッチ…………!!!」」
各々が各々の欲望のために争う、デスゲームの開幕だ!!
「最悪だぜ……。」
──季vsダーク&ライト──
(ふふふ、みんなには悪いけど、優勝をかっさらうのは……)
(間違いなく私たちです!)
その確信は正解か否か、ジャンケンで先行をとった季のサーブで試合が始まる。
「試合開始ィ。」
仕事モードの樹莉が宣言した瞬間、
「「ばっちこい!!」」
ダークとライトが分身し、テニスで言うところのダブルスの陣形を組む。
「なっ!?」
驚いたのは練だ。
(これがあの二人の本来の作戦……俺との試合の時は本気じゃなかったのか……?!)
自分が相手にされた時は2人は合体したままだった。合体したのは実力を稼ぐ為だと、勝手に予想していたが……この戦術で、確実なアドバンテージを得る。それが本来の作戦だったのだ。
「というか反則だろ?!!!」
「いやいや、ルールは説明しただろう?」
「……え?アレいいの!?許されるの!?」
「だって面白いし。」
「えぇ……。」
マジかこの運営。
(とりあえずこのゲームにおいて人数差は埋め難いアドバンテージ!!)
(私たちの1位・圧勝・優勝は確定です!)
(優勝したらどうしよっか?)
(ご主人様を給仕係にして、私たちはス〇ッチで遊びましょうよ!)
(それ最高かも!!)
……と、2人が念話越しに盛り上がっているところに、
「なんか楽しそうだね。」
水を差すのは季だった。
「色々考えてるみたいだけど……それ全部無意味だよ。」
──次の瞬間。2人はとんでもない勘違いをしていたことに気が付く。
「「………………!?」」
ズバシュッ!ドゴォッ!!!超攻撃的擬音が2人の近くで鳴り響き、そして、
「1-0。」
無慈悲に樹莉による得点の宣言が成された。
取らぬ狸の皮算用とはこのこと、サーッと2人の顔面から血の気が引く。
「「ま、まさか……?!」」
「要は、地面に羽根が落ちればいいんでしょ?」
そう、季はテニスのサーブの要領で、羽根を宙に打ち上げるのではなく、相手側の地面へと叩きつけたのだ。
((戦術を温存していたのは私たちだけじゃなかった!!))
しかし、それだけで2人のプランは揺るがない。
「けど先制点を取ったくらいで!」
「調子に乗らないでよねっ!!」
即座に合体するや否や、
((その戦術は簡単に真似できる!!!))
季と同様にサーブを放ち────
「1-1。」
──得点の宣言通り、季のフィールドに羽根が叩きつけられる。
しかし、その場に居た全員が注目していたのは、
「…………どうして?」
「なんで動かないの!?」
微動だにせずただ微笑んでいる季だった。
「ダークちゃん、ライトちゃん。」
そして、女神のような微笑から放たれる、まるで魔王のようなそのプレッシャーに、
「……私のサーブ、見えてないでしょ。」
相対していたダークとライト以外も、まるで心臓を鷲掴みにされるような錯覚を覚えた。
当然、それをモロに受けたダークとライトは動揺を隠せずに────
「「ッ!?」」
──図星。緊張で汗が頬を伝い、口内は干上がった砂漠のようになる。
「だから、動く必要がないんだよ。
このまま行けば先に5点に達するのは私だからね。」
「「…………っ。」」
「どう?とってもスマートな勝ち方でしょ?」
「「舐めるなぁぁぁぁっっっ!!!!!」」
────しかし、2人の奮闘虚しく…………否。
──そして、季の策略にまんまと嵌って激昂した2人は、予告通り順調に点数を奪い奪われ、
「5-4──勝者、神咲季。」
ついに勝者が確定した。
「「…………ま、負けた……。」」
「完璧な勝利。」
「け、けど、4万円あれば!」
「ソフト2本とス〇ッチを!!!」
そこからはもう、哀れなくらい試合はトントン拍子に進んだ。
「5-0──勝者、金子ルミナ。」
「「ぎゃああああああ!!!!!」」
「さ、3万円なら!」
「中古でス〇ッチを!!!」
「5-2──勝者、シルフィア・エルティ。」
「「うげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」
「わ、私たちの……」
「夢のゲームライフガガガガガガ……」
「5-0──勝者、カオス。」
「「ほぎゃああああああああ!!!!!!」」
結果、3勝4敗。惨敗。賞金は8千円。
その8千円という賞金は、ス〇ッチを買うにはあまりにも絶望的だった。
「ス〇ッチぃ…………ス〇ッチがぁぁぁ……。」
「完敗です…………。」
しかしその時、哀れな2人に救いの手が!
「私のお年玉を合わせても足りないかな?」
「「か、カオスぅぅ〜〜!!」」
・・・・・・\(^o^)/
悲しいことに、カオスも4位だったので賞金は1万円。その合計は1万8千円。
「足りない。」
「足りません。」
「足りないか〜。」
その1万8千円という金額は、ス〇ッチを買うにはあまりにも楽観的。
中古で買えたとしてもス〇ッチ〇iteくらいで、ゲームソフトも、コントローラーも多分買えない。悲しいね。
「でも、カオスが4位なんて……。」
「ホントびっくりだよね〜。」
軽く茶化してみせるが、内心は穏やかでなく、悔しさでいっぱいだった。
(…………やっぱりあの3人は別格。悔しいけど。)
……と、そんな哀れな3人の肩を叩く人物が1人。
「気を落とさないでください。私のをあげますから。」
「「「し、シルフィアちゃん!?」」」
そう、若干出番が増えそうな匂わせがある、エルフィーダ王国第2王女のシルフィア・エルティだった。
「そう、5万円をね……!!」
それは負けフラグじゃね?
「5-0──勝者、神咲季。」
「1-5──勝者、金子ルミナ。」
ほらぁ。
「ま、負けた……こんな…………完膚なきまでに、私が……!?」
運や地の利、そういう言い訳で自分を誤魔化すことはできる。
(ど、同格だと思っていた…………私だって2人に全然負けてないって……!!けどこの差……!!!)
しかし、こんな点差をつけられては、どうしても負けを認める他ない。
「く……ぐ……ぅ…………!!!」
地面に拳を打ち付けるが、痛むのは拳だけで、悔しさは一向に消えやしない。それどころか、悔しさは指数的に大きく膨らんでいく。
「おかーさん、大丈夫?」
「いや、普通に環境が悪いでしょ。」
「むしろ魔法が使えないのにスゴイです。」
「うん!よく頑張ったよ!!」
だが、彼女は1人ではない。大切な友人たちや家族がいるから。
……うん?なんか、レフアちゃん大きくなってね?ほぼシルフィアと同じ身長なんだが?
それもそのはず。最後にレフアちゃんが登場したのは、2022年のロスト・クロノス編なのだ。
……つってもそこから本編時空で1ヶ月も経ってないんだが。
「み、皆さん……!ありがとうございます!」
シルフィアはレフアを抱きしめながら、あまりの感動に嬉し涙を流す。
しかし、一方でお礼を言われた3人はバツが悪そうで…………
(((まぁ、3位でもス〇ッチは買えるし。)))
うっわひっど。
……さて、結構可哀想な目に遭わされる子が多いゲームでしたが、最初に申し上げた通りデス・ゲームですので、仕方がないことなのです。
そんな試合も残すところあと1試合。
──季vsルミナ──
「……なぁ、母さん。」
突然、いままで喋らず試合に集中していた練が口を開く。
「ん?どうしたんだい?練。」
「意図的に残したろ。この試合。」
「そりゃあ……盛り上がる試合は最後まで残さないと。」
「……自分の母さんに言うセリフじゃないけど、強か過ぎんだろ……。」
「褒め言葉だね。ありがとう。」
………………次回に続くのだ。
「うそだろ!???」
いつも読んでくれてありがとうございます!!
残念だったな!三部構成だよ!!!!
「……………………。」
いや、練くんごめんて、無言で圧かけないで?
そして、この場で読者の皆様にも、弁解をさせて頂こうと思います。なんと!最後の試合の季vsルミナは漫画になります!!え?作画は誰?
…………俺やね。俺。うんこの俺、HKmE。
なので三部目はめっちゃ遅れます。漫画は4月頭位にpixivかなんかに、文字の方は3月位に出るかも。その間に本編も更新するので、まぁ気長にお待ち下さい。
なんで、こんな風に報告したかと申しますと、逃げ道を潰すためかな!!!!




