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なんかバトルものテンプレの四天王みたいなやつが話す会議みたいなやつやってなかったからやるわ

久しぶり!!更新できなくてごめんなさい!!

さて、これは焚擁が招希を追い返した後の話だ。


「ふぅ。まったく、こいつを使うのは疲れますね。」


そう気怠げに目を細める彼女こそ、裕彩に『眼』を渡して唆し、百鬼夜行を決行させた。

今回の騒動の火付け役、招希だ。


(……結局、裕彩の『眼』は回収できなかったし、こちら側に引き込むことも出来なかった。)


当初の予定では、儀式を終了させた祐彩をそのまま勧誘。もしくは殺害して『眼』に宿った『生命』を奪い取る……その予定だった。


(絶対零度(273.15℃)の下限を超えた『(マイナス)』の温度操作が可能な固有(ユニーク)スキルは強力。もし仲間に出来ていれば……まぁ、たらればですね。)


「それでもノルマの3万……それを大きく超えて5万人分の生命は手に入りました。十分でしょう。」


そう彼女の中で結論付けられたが、仲間にとってはそうではないらしく、


「おいおい!ネコちゃーん!!何無様に逃げ帰っちゃってるワケぇ!?」


フードの人影が煽るような口調で招希に食ってかかる。

声色から察するに……女性だろうか。


「ノルマは達成しました。なんか文句ありますか?」


見るからに小柄────というよりも線が細い印象。フード付きの外套、その上からそれが分かる程だ。


「いやいや……俺らがあの程度だと思われたら困るんだけどぉ!!

──せめて全員皆殺しにしてこいや。」


紫の瞳がギラギラと、その眼光で人を殺してしまえる程の鋭さで招希を睨み付ける。


(血の気の多いこと……仕事以外の話はしたくないんですが。)


……と、面倒な絡みに苛立っていたとき、


「別にいいだろう。我々は仲間でもなんでもないのだから。

……ただそれぞれの目的の為にここに居る。それだけだ。」


低く威厳に溢れた声。凡人ならその声だけでも気絶していただろう。

流石に2対1は不利と判断したのか、引き下がり、


「…………けッ。食えねぇヤツ。」


そう吐き捨て、乱暴に卓に着く。

……これで卓に座っているのは計3人。どれも外套を来てシルエットが分からなくなっている。

だる絡みしてきた細身の女、先程2人を仲裁した大柄な男、そして尊大な態度でふんぞり返る長身の男だった。


「はは、仮に食われるとしたら貴様だろう?エルフ如きが────」


その長身の男が軽口を叩いた瞬間、


「エルフじゃねえ。ダークエルフだ。二度と呼び違えるな。」


ダンッ!!音が遅れて来る程の超速。

それを見せられても尚、長身の男は軽口を止めない。


「なにも変わらんだろう?日焼け耳尖り。」


「殺す。その存在価値のない命をリサイクルしてやる。」


「リサイクルされるのはお前の方だ。エルフはいい魔力資源になるからなぁ。」


「ダークエルフだと言ったが。

それを理解出来る脳もないらしいなぁぁぁぁ────ッッ!!!」


戦いに発展しそうになったその瞬間。


「おい。」


コト。人差し指が卓に置かれただけ。それだけで空気がピリと張り詰める。


「下らんガキの喧嘩を、俺に見せるつもりか?」


「「あぁ?」」


「…………はぁ、アホばっかりですね。」


三つ巴の喧嘩が勃発するのを外野から眺めていた招希は次の瞬間、身の毛が全てよだつような──いや、本当にそうなってもおかしくない存在感。それを感じ、心の臓が止まったかと錯覚した。


『ほぅ。まるで自分は違うと言いたげだね。』


「「「「────ッッッ!!!!!」」」」


それは全員同じだったようで、ふんぞり返っていた男も、卓にいわゆるヤンキー座りをしていた細身の女も、みんな椅子に行儀よく座っていた。


「…………いらして、いたんですね。」


「「「「…………創世神様。」」」」


姿は見えない。ただ、あるのは根源的恐怖。

────『勝てない』?

……そも、神に戦いを挑むこと自体が馬鹿げているのだ。あれは、勝つとか負けるとかとは()()()()()()()()()()()()

君は、細菌やウイルスとコミュニケーションを取ろうとするか?倒そうとするか?しないだろう。いや、出来ないだろう?その逆も然り。

()()()()()()()()()()()()()()()()


『はは、そんなに畏まらないで。取り敢えず……()()()()()()。仲良くしよう。』


恐ろしくて恐ろしくてどうしても心地好い。美しい不協和音のような声色。


「勿論です。」

「御意。」

「仲良く……はい。」

「…………分かりました。」


四者四様の『YES』を堪能した後、またその声はゆっくりと話し始めた。


『さて、招希。』


「はい。ここに。」


招希はその声が話し切る前に、卓に置かれた空の皿に大量の『眼』を置いた。

まるでビュッフェのミートボールが如く、山のように積まれた眼玉。それらが皿ごと消滅する。

……『なんとなく』、喰ったのだと理解できる。


『うん、いいね。これでまた……『ソラ』に近付いた。お疲れ様。』


『ソラ』……それが何なのか、声の主以外は知らない。興味が無い訳じゃない。ただ、自分以外がそれを質問するのを待っている。あわよくば『創造神様』が自ら打ち明けてくれるのをずっと待っている。


『じゃあ、次は招希以外だ。どうするかな。』


……と、細身の女性がフードを脱ぎ、口を開く。


「俺が行く。ダークエルフは狩りが上手いんだ。」


その言葉の通り、白髪に薄黒い肌────紫の両眼も相まって、『ダークエルフ』の手本のような見た目をしていた。


「エルフと一緒だな。」


長身の男が弄るような台詞を吐く。


「…………………………エルフよりダークエルフの方が上手いんだよ。」


……が、神の御前ということもあり、軽い否定で怒りを留める。


『ふふ、いいね。じゃあ次はシルヴァに行ってもらおう。目標は…………30万人だ。』


(招希のノルマの10倍……!!!?)


その場にいる全員がそう驚いただろう。


『ゆっくり。ゆっくりだけど、人間たちは私達の存在に気が付いている。そろそろ、沢山集めないとね。頼んだよ。シルヴァ。』


全員────神とシルヴァを除いてだが。


「分かりました。必ず。」


一礼をし、すぐに身を翻してこの空間を後にする。

ふわりと、空に浮かびながら。


「……さぁ、皆殺しだ。30万と言わず、何百と殺してやる。」


標的を──その行方を見据え、愉悦的な笑みを浮かべる。


「まずは────白豚(エルフ)を消すか。」


────その日、とあるエルフの国が滅びた。その知らせはギルドの連絡網を通し、たった1日足らずで周知の事実に変わった。


『ダークエルフがエルフの国を滅ぼす。』

いつも読んでくれてありがとうございます!!!!!!


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