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百鬼夜行編 #27

今までの遅れを取り戻す勢いで!投稿投稿投稿!!!

「そうは問屋が卸さないでしょうが。」


招希はいつの間にか2人まで後数メートルという距離にまで接近していた。

招希の一挙一動に目を光らせる2人。

しかし、警戒は的外れ。全て水の泡と成す。


「ぅ………………ぁ………………?」


招希がいざやってみせた事といえば、指を鳴らしただけだった。


「裕彩?」


だが、たったそれだけのことで2人の結末(ハッピーエンド)は崩れ落ちる。


「あ、ぅぁあ。ぉゔゔぅぁぁ、」


左眼を抑え、小さく呻く。苦しむ裕彩とは対照的に『惑星眼』は歓喜を表すように光り輝く。


「裕彩ッッ!!!!」


タマモの呼びかけも虚しく、裕彩は身体を小刻みに痙攣させるばかりだった。


「くだらないチープな感動で御涙頂戴。万事解決・大団円なんて今どき流行りじゃないんですよ。」


そう嘲け嗤う少女の正体に、姿形の面影にようやくタマモはたどり着く。


「貴様…………招希……か?」


「そう。招希です。」


気が付かないのも仕方が無い。開かれた瞼の奥には、双眸が在るべきそこには、色の違う『惑星眼』がそれぞれ嵌められていたのだ。


「なんで……貴様がここに?その眼はなんじゃ?まさか、全部貴様のッ!!」


「はいそこまで。この場で喚き散らすのはナンセンスですよ?そんなのが遺言だなんて、笑えないでしょう?」


ぞわり。背筋を毒虫が這い回るようなビジョンがタマモを襲う。


「はっ、そっちも考えておいたらどうじゃ?遺言とやらを!!!」


それらを振り払い、心を奮い立たせるが、


(とは言ったものの。『終末神』の力は切れかけ。こんな状態でこいつの相手は────)


確実に勝てない。

惑星眼が片眼だけの裕彩にあれだけ手こずったのに、それが両眼。さらには相手の実力も未知数ときた。

ならば、タマモの行動は早かった。


(せめて!!!)


しかし、


「『せめて裕彩だけでも助ける』なんて。甘いんですよ考えが。」


タマモが伸ばした手は、招希に踏みつけられ届かない。


「くっ!?」


更に蹲る裕彩に平手打ちを食らわせ、地面に転がす。


「あなたが考えるべきことは、こんなバカガキをとっとと諦めて私から逃げること。でしょう?」


悔しさに血が滴るほどに唇を噛む。

あともう少し、もう少しなのに────


「おややぁ、それはちがうねぇ。」


──その時だった。

作業服を着た女────佐来が丸腰で悠々と現れた。

徒歩で階段を登ってきたのか、軽く息を切らしている。


「……あぁ、佐来サマ。今更どうしました?」


敬意もなにも感じられない『サマ』に、「まったく嫌になるねぇ。」と小さく呟き、言葉を続ける。


「なぁに、これは私が招いた惨状とも言えるからねぇ。片付けの手伝いくらいしてもいいよねぇ?」


ガチャリ、作業服のポケットが金属やガラスが擦れる音を漏らす。

先程、彼女が丸腰と表現したが、それは間違いだった。彼女の全身に武器、全身に凶器が仕込まれている。

臨戦態勢は万全。しかし、それでも招希は余裕を崩さない。手持ち無沙汰にタマモの腕を踏み躙る程だ。


「……はっ。あなたは後方支援向き。仮に幾つも武装を持ってきていたとしても、この状況を覆せはしない……それはあなたが1番分かってますよね?」


うんうんと、佐来はそれを肯定する。


「確かに、私じゃあ無理だよぉ?能力向上薬(ドーピング)を使っても素の能力が低いと効果は薄いからねぇ。」


「じゃあ一体何──────!?」


ガコン。そんな物騒な金属音に続け、蒼雷が地を駆ける。


「十二支最速、なめんなよ。」


剣を盾にしてのタックルで、2人から招希を大きく突き飛ばす。


「大駕!?」


名を呼ばれて、ニッと笑ってみせるが、直ぐに敵に向き直る。


「なるほど、あなたの後方支援能力を侮っていたみたいですね。疲労困憊で倒れていた人間をここまで早く快復させるなんて。」


空中で不自然に減速し、天地逆のまま掌を2人──否、3人へと向ける。


「でも不十分です。」


即座、現れた『惑星弓』から流星の如く色とりどりの魔法を射出する。


「おややぁ、不十分?本当にそうかなぁ?」


その瞬間、3人を光の壁が覆う。


「近くに()()1()()倒れてたからねぇ、ついで……コホン。ボランティアで治してあげたのさぁ!」


それに少し遅れて少女が転移魔法で現れる。


「という訳ですタマモさん!ボサっとしてないで早くその子を!」


「…………うん!」


紆余曲折あったが、


「『終わりにしよう。』こんなの。」


遂に、裕彩の左眼────『惑星眼』は砕け散った。


「…………はっ、いいですよ別に。」


招希がくいと人差し指を曲げるのを合図に、そこら中に転がっていた『惑星眼』が手のひらに集まる。


「そんなに生きたいなら勝手に生きるがいいですよ。こんなくだらない世界で、救いなんかない世界で、救いようのない世界で、頑張ってもがき苦しむがいいです。」


「バーカ。救いなんて必要ないのじゃ。」


「私たちはもう、大切なものを沢山もらったからな。」


「…………それはそれは。まったく羨ましいですね。」

いつも読んでくれてありがとうございます!!

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