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百鬼夜行編 #12

すみません……だいぶ遅れました!

──さて、全員のマッチングが終了したところで場面は一周する。

シルフィアvs大駕だ。戦況の有利不利は不変。

拮抗状態だ。


(…………マズイですね。)


しかし、当のシルフィアはその状況を不利と断する。

なぜなら、シルフィアの目的は制限時間内に戦いを終わらせ、先に行ったみんなに追い付く事だからだ。

焦燥しつつも矢継ぎ早に魔法を撃ち続けるが、大駕は自分の身体とほぼ同じ大きさの剣を手足のように扱い、全ての魔法に対処する。


(分身じゃなくて本体で撃ち合って分かった。剣に魔力を打ち消す魔法が付与されている。勿論、ただの打ち消す魔法なら私が押し合いに負ける道理はありませんが……そこに物理的勢いが乗るなら話は別。)


時間稼ぎにしかならない魔法を連射しながら、シルフィアは思考を加速する。


(複数同時に魔法を撃っても、軌道を曲げても、その全ての魔法の軌道がズラされて有効打にならない……!!今度は3割以上の魔力を使った分身を自爆させてみる?……ダメ、3割の自爆を掻い潜った能力が不明なのに、そんなギャンブルじみたことは……。)


そして、導き出した結論は────


「…………あ〜あ。ダメ、八方塞がりです。少なくとも今の私ではあなたに勝つことは出来ません。」


まさかの諦めだった。


「おいおい……つまんねぇこと言うなよ!!まだまだこっからだろうが!?」


そんな不甲斐ないセリフに、大駕は驚きと残念さを隠せずにいた。


「別に諦めた訳じゃないですよ。」


しかしシルフィア──エルフィーダ王国第二王女ともあろう者が、こんな所で諦めたりするハズがなかった。

確かに現実は八方塞がり。彼女が使える魔法はおよそ4万6500種、その全てが敵を打ちのめすには力不足だった。()()()()()()()()()()()()()その答えは簡単。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


八方が塞がっていたとして、更に別の道を探し出せば良いだけの話だ。

今よりもっと強い自分になって、この状況をぶち壊しにしてやればいい。

それを聞いた大駕はニヤリと笑い、ポツリ。


「…………やっべぇ……()タイプ…………!」


さっきまでとは別の高揚、別のドキドキが胸の内より沸き立つ。煩悩と本能が暴走する。

つまりそれは恋のはじまりだった。


「ちなみに今お付き合いしてる方とかいらっしゃいますか!?」


「バリバリ新婚1児の母です!」


そして撃沈した。

だが、大駕という男は過去をクヨクヨ悔やまない。それがポリシー、いい所だ。


「ちぇっ。タイプだったのになぁ〜ッ!!!」


そして、そんな相手にも容赦をしないのがシルフィアのポリシー、わるい所だ。


「『陣雷』ッ!!」


地面を走る電撃。当然回避のため跳躍。勿論追撃で放たれる岩槍────


(なるほど、雷の攻撃で宙に浮かせてから、無詠唱の魔法で追撃か…………)


「──容赦ない所も素敵だぜちくしょう──ッ!!」


そのままの姿勢で回転して槍を叩き落としつつ、地面へ剣を突き立てる。しかし、感触が軽い。


(なるほど、どっちもフェイントか!本命は?!)


槍の後ろに控えていた魔法まで5cm。一見窮地に見えるこの展開。しかし、勿論ピンチであるはずがない。バチリ、青白い火花が散ったと思った次の瞬間。


神速の抜刀術がその魔法を正確に切り裂いた。巨大な剣の内に隠されていたのは一振の、太陽とは正反対の蒼白い光を返す刀。


「……!?」


しかし、それも本命の為のフェイント。シルフィアの真の狙いは────


「はあああああぁぁぁぁッッッ!!!!」


──己の拳そのもの。身体強化をふんだんに使い、顔面に拳を叩き込む。

その拳は完璧に大駕の芯を捉えてはいたが、


「良い拳だ、だが!!!!」


威力不足。


「全ッ全足りねえッッッ!!!!!」


逆にカウンター気味に放たれた蹴りでシルフィアは地を転がる事となる。

ケホケホと咳き込みつつも立ち上がったシルフィアの笑みは、絶望?いわゆるヤケっぱちから来るものか、それとも、


「……なるほど、私があなたに勝つために必要なもの、やっと分かりました。」


勝利の笑みか。


「ん?なんだ、教えてくれよ。」


大駕は、自分の顔を薄く彩る鼻血をゴシゴシと服で雑に拭きつつ、興味深そうな口調でそう問う。


「『パワー』、『スピード』、あと『魔法以外のパワー』です。」


それは脳筋のラインナップ。バカのラインナップだ。そんな言葉を真面目な顔で、ドヤ顔で羅列するので吹き出しそうになってしまうが、


「じゃあ俺に勝つのはムリだぜ。一瞬でその差を埋められるわけがねぇよ。普通ならな。」


大駕は心底楽しそうに笑って言う。


「…………もうできるんだろ?」


「えぇ。」


予想通り、期待通り、思い通り。まるで旅行を目前にした小学生が如く大駕の眼が爛々と輝く。


「イイね!!見せてくれよ!!!」


「お望み通り、お見せします。私の魔法を!()()()()()()

いつも読んでくれてありがとうございます!!!!

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