百鬼夜行編 #3
作中の単語の変更をします。
十二獣→十二支
すみません!脳みそが遊戯王に犯されてました!
それは、当然の疑問だった。
「……いやちょっと待つのじゃ。『後はよろしく』ってお前……?」
「帰るんだよ。タマモの心臓も問題なさそうだしねぇ。」
既に踵を返して扉付近まで足を進めていた佐来は、一切振り向くこと無くそう言った。
「な、なんじゃと!?」
驚愕したタマモを弄ぶような口調で佐来が続ける。
「おややぁ。一体いつ、私自ら百鬼夜行を止める手伝いをすると言ったかなぁ?」
「佐来……貴様という奴はっ!!」
「何故怒るんだい?そも、百鬼夜行が目論んでいるのは、ご主人君の復活。それを妨げるなんて……ご主人に1度忠誠を誓った身としてはどうなのかなぁ?」
その言葉はタマモの胸の奥深くに突き刺さった。
まるで瞳が揺れるのと同調するように決心が揺らぐ。
「…………ッ。わ、私は…………!」
「…………ごめん。意地悪な事を言ったねぇ。
……つい、羨ましくってねぇ。」
佐来は、まるで詰将棋をするような先程の態度が嘘だったかのように、元の飄々とした口調に戻ってそう言った。
「羨ましい……じゃと?」
「そうだよぉ。ご主人君は誰かを犠牲にするなんてことを良しとしない。私だって……他の十二支のみんなだって分かってる。
でも、それと同時にご主人君にもう一度でも会いたい、話したい、触れたい、笑顔が見たい。そういう欲望が、ご主人君に見られたくない醜い心が、疼いて仕方がないのさぁ。」
「…………。」
タマモは、何一つ言い返すことはなかった。否、言い返せなかった。
何故ならタマモの心の内にもその、『醜い心』とやらがあったからだ。
「辛いよぉ?どっちつかずで居るのは。」
「…………!」
「とにかく、そんな心持ちのヤツが居ても邪魔なだけさぁ。私はどちらに加担する勇気もない臆病者なんだよぉ。」
「だから、」そう佐来は続ける。
「私は君たちが負けてくれる事を望むよ。そしてどうか私の望みを裏切って勝ってくれ。
……ご主人君が悲しむような事が無いようにね。」
そんな、素直じゃない言葉をその場に残し、佐来はその場を去った。
「…………難儀な奴。だから苦手なんじゃ。」
「え、えぇと、もう話し始めちゃっていいですか?」
恐る恐る、といった様子で招希が手を挙げて言う。
「あぁ、さっさとあいつの望みを裏切ってやらんとな。」
その一言に招希は安心の溜息を吐き、腰にぶら下げてあった小さな鞄からどう考えても取り出せない大きさの板を取り出し、壁に貼り付けた。
「せいっ!」
「え、なんそれ。」
さて、その現象にびっくりしたのは金子練のみ。他の誰もが、何故練が驚いたのかを不思議そうに見ていたのだ。
「えっと、これは魔法の板と言って……」
「違う違う違う……そっちの鞄!」
「…………?魔法の鞄ですが……?」
まるで、当たり前の事をわざわざ聞かれ、逆に戸惑っている。そんな様子だった。
「…………え??質量保存の法則は???無効????そんな法則ないの????」
「え、なんで知らないんだろお兄ちゃん。」
「あっ、そういえばご主人様って1回もクエストクリアしてませんでしたよね?だからじゃないですか?」
「ちょっと待て、なんで?なんで納得してんの?」
さて、ここらで1つ衝撃の真実を。
「実は、Aランク冒険者相当の実力が認められた冒険者はみんなアレが貰えるんです。便利ですよ。」
「Bランク以下の冒険者には貸し出し!素材採取クエストの大事なお供だよ!」
「…………!?!??!?」
「ま、まさか魔法の鞄を知らずにこの世界で生きていける人が居たなんて……流石に驚きですね!!」
「……ねぇ、アレ俺も貰えるかな?」
ここで登場ギルドエンペラー。
「お前は1年間以上何も活動してなかったから、冒険証が無効化されているから無理だぞ。」
「は、はぁぁぁぁぁ!!????俺、世界救ったんだが────ッッッ!!!!????」
「ギルドにクエストの達成報告を1度でもしたか?」
「………………。」
「例外は認められない。まぁ、頑張れ。」
「Noooooooooooooッッッッ────!!!!!!!!!!!」
「…………話が脱線しましたね!!もう話し始めていいですか??!!!!」
流石にキレ気味で招希が叫んだ。
ごめんね。
「本当にごめんねウチの兄さんが…………。」
いつも読んでくれてありがとうございます!!




