『──』の日常。
正月休みは終わりだ──ッッッ!!!!
私の名前は『──』。ただの狐です。今は今日食べる山菜を集めているところです。病気のお母さんのためにも、なるべく栄養があるものを────
「うっ!?」
──きぃん。耳奥に突き刺さるような音と一緒に私は地面を転がりました。頭がくらくらするけど立ち上がって、『それ』が飛んできた方向をゆっくりと見上げます。
「っし!!頭は100点だったな?俺はいま何ポイントだ?」
「29340ポイントです!!アチッ!!」
「下2桁は切り捨てろと言っただろう!三本尾如きが俺の気分を損ねやがって。」
「す、すみません!!」
「俺の尾の数を言ってみろ!!」
「はいっ!!10本です!!」
「そうだ!!最強の十本尾だ!!」
──ぞろぞろと、私と同じ年齢らしい妖狐がこれでもかと群がっていました。
「…………。」
黙っているのは、あいつらが怖いからじゃありません。
さっきの爆発で耳がきぃんと鳴っているので、会話が聞こえないだけです。
「おい、魂無し。」
聞こえません。怖くありません。
「…………。」
そんなふうに黙って座っていると、
「いっ……!!」
突然髪の毛を掴まれて、無理やり膝立ちをさせられました。下向きの景色からは、ていねいに手入れされてふわふわなしっぽがたくさん見えました。
「お前の事だよ魂無し!!わかってんだろ?」
ぐいと髪を引っ張られて、痛くて目を細めました。
「…………!」
するとその妖狐は、不機嫌そうに私をぎろりと睨みました。
「なんだ?一本尾の癖に俺を睨むのか?」
どくどく。心臓がうるさかったです。また、あの爆発がくる。そう思うと震えが止まりませんでした。
「……うぅ…………。」
そのとき、ぎゅるるるるる〜…………と、私の気も知らずに、おなかが呑気な音を出しました。
すると、その妖狐はうるさいくらい大声で笑って言いました。
「おいおい!腹が減ってるなら言えよ!!俺が料理を振舞ってやる。」
そして、その妖狐は私をぽいと放り投げて、手のひらから炎を出しました。
めらめらで、きらきらしていて、とてもかっこよかったです。
そしてそれを、私を放ったように、ぽいと投げました。
「………………ぁ。」
投げた先には、お母さんが編んでくれた籠と、さっきからずっと集めていた山菜がありました。
「ほうら、草の丸焼きだ!」
ぜんぶめらめらできらきらになりました。
「あぁ…………あああ……!!!」
炎はこんなに、まるで花火みたいにきれいなのに、とても悲しかったです。
とても悲しくて、ぽろぽろと涙が出てきました。
「んだよ、喋れるんなら最初に言え!!折角の料理が無駄になったわ!!」
お腹をけられて、私の体はごろごろと転がりました。
「ゲホッ……ゲホッゲホッ…………。」
顔を上げると、妖狐たちはそれぞれ、にやにやと笑っていました。
「……雑魚の癖に生意気なんだよ。お前。」
ぎゃははははは…………そんな笑い声が聞こえましたが、私はちっとも楽しくなかったです。
……あの後、どうやって家に帰ったのかは覚えていません。ただ、玄関の前で立ち止まって泣いていると、お母さんが出てきて、私を抱き締めてくれました。
「……ごめんなさい。ご飯、取れなかった。」
そう言うと、お母さんは、私を抱き締めながら泣きました。
「ごめん……ごめんね……!!強く産んであげられなくてごめんね……!!」
風邪が悪くなったのでしょうか。私は心配になりました。
「お母さん、大丈夫?どこも、痛くない?」
そう言うと、お母さんはちょっとびっくりしたみたいな顔をしたあと、私をもっと強く抱きしめました。
「うん、大丈夫。大丈夫。」
ぎゅっと抱きしめられて、少し苦しかったけど、うれしかったです。
「優しい子に育ってくれて……本当にありがとう……。」
私は、その言葉の意味がよく分かりませんでした。
けれど、お母さんがうれしそうだったので、私もうれしくなりました。
いつも読んでくれてありがとうございます!!
突然告知もなく、投稿を休んでしまって、本当に申し訳ない。
……実は、クリスマス時点で流行病。いわゆる新型コロナウイルスに罹っていた疑いが────というのはお休みに全く関係ありません。普通にモチベが切れてました。まぁ冬休みではしゃいだ結果生活習慣ボロボロで日中全く起きれなかったってのが理由だと考えられます。以後気を付けることを約束します。
あと、正月番外も出そうと思ったんですが、ネタ切れです。正月って番外編何回も出す要素ないんですよね。
あと、正月イラスト描きました!!!!!https://www.pixiv.net/artworks/104150685
新キャラの裕彩と、我らが季ちゃんを描いたよ!
「……なんでそんな服着てるの?」
「それは私が聞きたいよ!!」




