新章開幕!?今あの三人は!?
めっちゃ遅刻。ごめんなさいー!!
……そして、およそ3000年の月日は流れ────現在、時間軸が正確に修正されてから1週間後のこと。
「……そうですか、この街にも来てないんですか。」
残念そうに、しかし明るい声で少女────シルフィアはそう言う。
そこは『神味亭』。少女たちは3つのカウンター席で横並びになって、店主と会話をしていた。
「すみません……恩人が失踪したって時になんの役にも立たなくって…………。」
そう申し訳なさそうに言うのは店長、鏡堂香子だった。
「ううん…………充分だよ。」
季は首を振りながらそう言って、隣の席に視線を向けた。
「このさっぱりするやつ、パパが飲んでたやつなの!美味しいの〜!」
その傍から見れば痛々しい程の空元気さ。
しかし、季とシルフィアは知っている。
「そうですね……だって、こんなに楽しそうなルミナちゃんは久しぶりに見ましたから。」
何も知らない2人の代わりに1人、責任を感じて塞ぎ込んでいた彼女の姿を。空元気すらなく、1日をぼぅっと過ごしていた彼女の瞳を。
「そうだね……はやく見つけてあげないと…………練くん。」
その時、ふと気付く。外が妙に静かだという事実に。
「……外が騒がしいですね。」
「そうだね、まるでお祭りだよ。」
外界と隔たれたように感じるほど、店内の騒々しさがよりくっきり鮮明になるその静寂。
その静寂を指して2人はそう言った。
そして、
「店主さん、すみません。扉は後で弁償します。」
相手の返事を待たずにシルフィアは魔弾を射出する。扉を突き破った魔弾はきらと輝き────瞬間、外で爆発。爆風が店内へとなだれ込んだ。店内は一気に大パニックを起こす。
しかし、仮に扉を破っていなければ、怪我人が居ただろう。流石王女、先見の明が…………
「……こんな強い威力にしたハズは…………。」
…………プルプル震えながら、店主の方へ振り返ると、
「いいよぉ!!全然っ!!いいですよぉっ!!!!だってもうお代は貰いましたっ!!!
刺激的ッッッインッッッッッッッ────────────────スゥピィレェィィィィ──────ションッッッ払い!!!一丁あがりッッッッッ!!!!!」
なんか楽しそうだったので、よかった。
「じゃあ、さっさと終わらせるよ?」
季が召喚するは、時空を司る剣。今の季に最も相応しい剣だ。
「ええ、そうですね。」
シルフィアは魔導記憶を展開する。あらゆる魔法が刻まれた円盤は、まさに努力の現れ、研鑽の証拠。
「「この悪趣味な祭りを!!!」」
そして、静寂という名のヴェールを破りさり、2人は喧騒へと足を進める────
いつも読んでくれてありがとうございます。
めっちゃ遅刻しちゃいました…………遅れた分を取り返す勢いで投稿します!!




