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勇者として異世界転移したけど裏切られたので錬金術師やってます!  作者: HKmE
目眩く時空の消失=ロスト・クロノス編
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修行!修行!!修行!!!苦行…………。

遅れたーっ!!

「ぐああああああああぁぁぁぁぁぁ──────ッッッッッッ!!!!!!!!」


狭い部屋で、悲痛な叫び声が木霊する。

苦痛に喘ぎながらも、練は必死に手を突き、自らを鼓舞するようにして吼える。


「負けるか…………こんなところで…………負けて……たまるかよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッ────────────!!!!!!!!!!」


そして、こんな事は有り得ないと言わんばかりにレクスが驚愕の声を上げる。


「なぁ、まだ15倍だぞ!?重力に換算しておよそ1.5倍!!なぁ!なんでこんなにしょぼい負荷でそんな叫び声が出るんだ!!?なぁ!!??」


驚愕は驚愕でも、あまりのショボさにだったが。

しかし、ショボいとはいえ、悲しいことにそれは練の本気だった。


「………………嘘…………だろ……!?」


因みに練の体重は60キロ程度なので、増えた重さは大体30キロのハズだ。

…………???やっぱりおかしい。


「この程度にも耐えられないなんて……普段どうやって生活してるんだ……?」


純粋な疑問を呟くレクス。一方、ダークとライトは余裕な表情でトテトテと練に近寄っていた。


「根性ないんですね♡」「フィジカルよわよわ♡」


なんかメスガキなってて草。

しかし、練には刺激が強すぎたらしく、


「ンッ…………。」


それがトドメになって完全に地面にへばり付いてしまった。


「「キモ。」」


そんな満身創痍の練にさらなる追い打ち。


「ぐああああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────────────────ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」


まるで蝉ファイナル。それは最早音響兵器だった。

その場にいる全員の鼓膜をぶち破ってやろうと、そういう思惑で放たれたとしか考えられない音量の断末魔。


「うるさっ…………え?いっつもこうなの?この人。」


レクスはそれをモロに受けていたが、ダークとライトはこの手の発作には慣れっこ、両手で自身の両耳に完璧な防音処置を行っていた。


「ご主人様はいっつもこうですよ。」


「……マジ?俺こんな奴の遺伝子継いでるの?ヤなんだけど。」


最大弩級のチクチク言葉を受け、練の体がまるで生物学実験で電流を流されるカエルの死体の様に跳ねた。


「酷い………………。」


「あ、今のはクリティカルだったみたい。」


「基準がイマイチ分からん……というかひどいのはアンタだよ。自分の体重の半分が乗っかるだけだぞ?どうしてそんなにキツそうなんだよ。」


それに対する練の返答はこうだった。


「俺運動よわよわ系男子だから。」


抽象的〜〜!

そんなスタンスの練に対し、尚もレクスは理詰めで問いかける。


「なんだっけ?共進化形態レゾナンスオーバーだっけ?アレも体重自体はダークさんとライトさんの分加算されるだろ?」


「女のコの体重は羽毛の様に軽いんだよッッッ!!!!別腹!!!!!」


(話にならねぇ〜!!)


よくIQが20程度離れていると話が通じなくなる、という話を聞くが、それに当て嵌めるとすれば、こいつのIQはそこら辺の野良犬位しかないんだろうな。レクスはそう哀れんだ。


「しょうがないですね…………。」


……と、まるで死体の様にピクリとも動かない練にライトが歩み寄る。

そして、耳元でそっと、


(頑張ったら、後でよしよししてあげますよ。)


そう囁いたその瞬間。


「────ッッッ軽い!!!メッチャ身体軽い!!!うぉー!!余裕だぜ!!!さぁもっとだ!!もっと負荷をかけてみろ!!!」


ジャンプジャンプ!!ビクトリーポーズを決め、天に向かって吼える。


「うわっ……それは流石に軽蔑です……。」


「欲望に対して忠実すぎでしょ!?」


「親ガチャ失敗。」


そんなあなたに着地狩り。


「がぁぁぁぁあああああぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッ──────────────────ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」


途端、のたうち回る金子練。そんな練を心配してか、ダークが口を開く。


「すご、季ちゃんに腕持ってかれた時よりうるさいじゃん。」


心配とかそんなことなかった。マジで他人事だった。

…………と、


「……よくよく考えたら、これだけ叫ぶ余裕があるって事は、もっと大きい負荷にも耐えられるんじゃないか?」


レクス、気付く。


「やべっ。」


それに気付き逃走する練。しかし、容赦の欠片もなくレクスは負荷を増大させる。


「じゃあ一気に50倍だ。」


無慈悲に響く指パッチン。途端に増大する身体の重量。


「グワッ!!」


ベタッと地面にへばり付く姿があまりにもマヌケだったので、思わずダークとライトの二人は吹き出してしまった。


「なんだ、いけそうじゃないか。流石世界を救った英雄だ。」


笑い声混じりにそう茶化してみせるレクス。

無様に這い蹲る練とはどえらい違いだ。


「冗談…………キツイぜ…………!!」


「冗談じゃない。こんなんじゃ母さんに見合う男になるのに100年はかかるぜ。喋る余裕があるなら、この状況にさっさと適応してみせろ!!」


そう言われても、練はこの状況に耐えるので精いっぱいだ。何かを考えたりする余裕なんてない。


「く…………レクスはどうやって適応したんだよ!!」


半ば苦し紛れ、叫び声に似た質問だったが、意外にもレクスはそれに応えてくれた。


「じゃあヒントをやるか……『身体の使い方』。」


「身体の…………?」


「あぁ、そうだ。普段何気なく、当たり前に動かしているこの四肢、それらを指先まで余すことなく理解しろ。」


応えてくれたとはいえしかし、それを答えとするには少し文章が短すぎるだろう。


「…………?もっとちゃんと教えてくれよ。」


当然の要求だが、返ってきたのは意外な返答だった。


「いや、開発に百年余りかけた産物を簡単に習得されたくない。」


「子供かッ!!」


思わず練がそうツッコんでしまう程下らないその回答。


「アンタのな。」


しかし、これほど説得力のある返しはなかった。


「ぐぬぬ……。」


「取り敢えず、一旦這いつくばっとけ。

そしたら見えて来るもんがあるかもしれないぞ。」


言われた通りに上を見てみると、そこには秘境があった。


「…………ダークと、ライトの、パンツとか?」


おい、それでいいのか主人公。


「ちょっともう!!なんかチラチラしてると思ったらっ!!」


「何見てるのばかっ!!この…………この、ばかっ!!」


幼女二人から罵倒と共にげしげしと足蹴にされる主人公。

普段ならこれでも興奮している所だが、流石にこの状況だとそうも言ってられないらしい。


「痛っ!痛っ!!50倍痛い!!俺死ぬぞ!?今下手したら死ぬぞ!!?」


しかし、それは至極当然の報いと言えるだろう。

聖域を覗いた罪は重い。


「…………なーんか、長い道のりになりそうだなぁ。」


そう言ってレクスは小さく溜息を吐くのだった。

いつも読んでくれてありがとうございます!!

いつまで経っても成長しない練くん。先が思いやられますねぇ。

でも安心して下さい。メッチャ強くなります。主人公なんで。

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