目眩く時空の消失=ロスト・クロノス #20
めっちゃ遅れました……ごめんなさい!
とりあえず今日の分です……
ぐるりと、剣を回す予備動作だけで竜巻と錯覚するほどの風が吹き荒れる。
「取り戻す?私を?全く意味が分かりませんよ!!」
そのまま回転を乗せた大剣の一撃を練に向けて放つ。
その余波だけで神々は吹き飛ばされ、大地を大きく抉る。
「所詮あなたは………………!?」
言い切る前にやはり絶句する。
「止めてくれ、季ちゃん。俺は君とは戦いたくない。」
ピタリ、絶対に相手を破壊するはずの大剣の一撃は、しっかりと練の五指で挟まれ、受け止められていた。
たらり、魔王になって初めて季は冷や汗をかいた。
「……戦いたくない…………?」
話しつつも季は次撃を放とうと剣を引くが、剣はビクともしない。
「俺は…………俺はただ……君達を助けに来ただけなんだ。」
それは、練の本当。真摯な思いだった。
打算も下心もなく、ただ思いの丈を言葉にしただけだった。
しかし、
「…………『助けに来た』?」
それが、季の『なにか』に触れた。
黒く変色する感情、何色も混ざり合って淀んで見えるその心。
「…………………………なにそれ。」
少なくともそれは、喜や楽の感情ではない事は明らかだった。
次の瞬間、放たれた蹴りをモロに受け、練が地面を転がった。
「助けが必要そうに見えますか?この私が!!」
さらに、自由になった剣を振り回し、動きを止めた練を横薙ぎにして吹き飛ばす。
「私は!!助けなんて求めてないんですよ!!!」
一瞬のうちに吹き飛んだ練に接近し、大剣を振り降ろし、破壊する。
「…………だってほら、私は脅かされることなんてない。この世界で一番最強なんですから!!」
しかし、
「へ?」
立ち込める砂煙の中でその男は、金子練は剣を受け止め立っていた。
「関係ない。必要なくても助ける。」
「…………っ。」
その言葉は、どこを取っても自己中心的で、
「この救済は、1から100まで全部俺の都合なんだ。」
季はそういう台詞がウンザリするほど嫌いだった。
「フザけた台詞を、いくつ並べたって。」
ブォン、構え直すだけで異次元の風圧。
「意味ないんですよッ!!!」
今度こそ本気の一撃。全身で全身全霊で放った唐竹割りを放った。
「それを決めるのは、俺だ。」
だがしかし、その剣圧を素手で振り払い、逆の手で剣を受け止める。
まるで流れ作業が如く簡単に、ワンパターンに渾身の攻撃が一瞬で止められる。
「…………は?」
あまりに圧倒的な力に、思わず声が漏れた。
間違いなく全力だった。「世界なんて7割ほど残っていればいいか。」そう思って放った一撃。それをこの男は完全に受け止めて見せた。
「…………何なんですかあなたは!!そんなに強くて、圧倒的で……でも私を殺すことも、傷つけることすらもしない…………いったい……一体何が目的なんですか!!!」
それは、その質問の正体は恐怖心だった。
出会った時から『ちゃん呼び』で、妙に馴れ馴れしくて、その距離感が妙に心地好くて気持ち悪かった。
そしてそんな質問に、練は質問で返した。
「どうして傷つけ合う必要があるんだよ。季ちゃん。
俺がお義兄さんを治すだけじゃあ不満なのか?何が君をそうさせるんだ?」
「…………不満なんて、ありませんよ。」
暫くして季はそう答える。
「じゃあどうして!!?」
「あなたには理解できませんよ!!そんなのっ!!」
そう叫び、また剣を振るう。
いつも読んでくれてありがとうございます!!




