目眩く時空の消失=ロスト・クロノス #15
ちょっと遅れました……ごめんなさい!
一方その頃。
拳を振るうクールは何処か妙な違和を感じ取っていた。
(…………妙だ。)
拳を振るう度、その思いは確信を帯び始める。
(この勝負、先程まで私が圧倒していたというのに……今は同格、いやそれ以上に強くなっている……!?)
先程まで簡単に受け止められた剣が重い。
「もう身体の限界が来たのか?」その疑念が脳裏を支配する。
「くっ……!!」
剣の重みに思わず膝を突いた時だった、魔王が耳元で囁いたのは。
「ありがとうございます。いいウォーミングアップになりました。」
「…………何をした?」
「何も?ようやく魔王の力が馴染んできたって感じです。」
そう言って蹴りを放ち、クールを数メートル程吹き飛ばす。
「ここまで楽しませてくれた貴方に、私の魔王としての能力────特異能力を教えてあげましょう。」
まるで、今までの戦いは全てままごとだったと言わんばかりの速度と気迫で斬り込む。
(速いッ!!!)
今までが散歩に思える程の圧倒的速度。
初速すら視界に捉える事ができず、クールは戦慄した。
「しかし、速さだけならばッ!!」
言葉通りクールは、背後からの攻撃を背中で受け止めて見せる。
「【コード開放】──『反逆・超越・到達』。」
だが、季がそう呟いた途端。季の姿が揺らめく炎のようにゆらりと揺れ、存在感が更に増す。
(それだけじゃない…………段々重く……強く…………なっている……!!?先程よりも大幅に……大胆にッ!!!)
もう、拮抗などなかった。抵抗は無駄だと言わんばかりに四方八方から斬撃が加えられ、そのたびにクールの肉体が宙を舞う。
「お、おい……あいつ、押されているぞ……!」
「だ、だからといって……我等に何ができるというのだ……!!」
しかし、クールはきっぱりと手のひらを突き出して笑って言う。
「神々よお構いなくッ!!これは私の戦い!!誇り高きタイマン勝負ッ!!故に手出しは無用ッ!!!」
「そう?私はまとめて来ても別にいいですよ?だって────」
「やめ…………」
クールが止めようとするのも虚しく、大振りの斬撃が、その余波が抉る。大地を、神々を。
「──もうここに居るのは、取るに足らない雑魚ばかりですから。
……勿論貴方も含めて。」
砂丘の上に、次々と神々が墜落する。
まさに一瞬の出来事だった。
「…………言ってくれるな。」
怒り心頭といった様子でクールが睨めつけるが、目の前の魔王は見透かしたようにして笑う。
「だって、もう限界でしょ?」
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