目眩く時空の消失=ロスト・クロノス #6
ごめんなさい!!めっちゃ日が空きました……。
小さな狭苦しい小部屋の中、燭台の光だけが大男の背中を照らしていた。
男は、部屋の中央で目を閉じ、瞑想をしているらく、よっぽど集中していたのか、まるで死体のように微動だにしなかった。
ふと、ガラガラという音が鳴り響いたとき、男は目を見開き、何やら呟き始めた。
「…………む?なるほど、想定より早いな。もうそんな時間か。」
そう言うと男は、膝を立てて歩き始めた。
燭台が男の顔を照らし出す。男の名はクール。
崩落寸前の地下室にいるというのに、男は冷静に笑みを浮かべっぱなしだった。
「さて、生き埋めになっても死にはしないが、ここがなくなる前に脱出しようとするか。」
そう言って男は窪みに入リ込み、拳を突き上げる。
その衝撃で手動エレベーターが稼働し、クールを上まで運搬する。
「世界が終わろうが終わるまいが、関係ない。
私は私のやりたいことをするだけだ。」
そう言って天高く、今度は掌を突き上げるのだった。
そして一方、同様に金子練が居る浮遊島でも異変が起こっていた。
「ん……なんだ?壁が……。」
ふと、練が違和感を覚えた時、
「だー!!!」
「パパ!!危ないっ!!!」
レクスの声を受けたルミナが練を突き飛ばした瞬間、壁が隆起し、木の枝がさっきまで練が居た所を貫いた。
「うおッ!?サンキュールミナ!……ってそんな事言ってる場合じゃないか。」
勿論、木の枝の攻撃がその程度で終わる訳もなく、次々と壁が隆起し、木の枝が姿を表す。
「お兄ちゃん!四方八方から木が!!」
「早く脱出しないとマズいですよ!」
「任せろ!えーと…………」
「あーもー!!ご主人様はこんな時に限って役に立たないんですから!!」
その時だった。
「ルミナに任せるの!!!」
一瞬、あたりを眩い閃光が包み込んだと思いきや、ルミナが龍人形態に変身する。
そして、天高く指を立てて叫ぶ。
「ビ──────厶っ!!!!」
途端、閃光が指先を基点に発射され、まるでレーザーカッターのようにルミナを頂点として天井ごと植物を円錐形に切り取り、
「や──────っっ!!!!」
そのまま極太のビームで焼き払った。
「…………派手すぎんだろ……。」
そして、それが終わるや否やルミナは、背中の翼で隣の部屋へと飛び込み、少女を抱えて戻ってきた。
「パパー!レフアちゃん確保なの〜!」
「ん〜なに〜?寝てたのに〜。」
「なるほど!!流石ルミナえらい!!!!」
「ってそんな事言ってる場合じゃないですよ!!」
そうライトが叫ぶ通り、斬り裂かれた断面から新しい枝がどんどん生えてきていた。
「木がどんどん迫ってくるよ!お兄ちゃんなんとかして〜!!」
ダークがそう泣きついたが、対して練はドヤ顔で鼻を鳴らしていた。
「ふふん!驚くなよ〜?『導きの神よ、世界の理よ。我が祈りと魔力を糧に、我らを彼の地に誘いたまえ。』────『転移魔法』ッ!!」
さて、この主人公は厨ニ臭い文字の羅列を詠唱しているが、これが正式な転移魔法の詠唱なのだ。
ちなみに初出です。使うやつ全員が全員詠唱スキップしてたからね!!
──間一髪、迫りくる枝葉を転移で避け、その場にいる全員で建物の外に脱出できた練は完ッ全にイキリ散らしていた。
「……どうよ!俺がシルフィアから教わったのは結界だけじゃないんだぜ?
…………ってなぁ、めちゃくちゃ褒めてくれって訳じゃないけどさ、ちょっとくらい褒めてくれても……。」
さて、そんな主張を無視してルミナが上を指さした。
「パパ……あれ……。」
「ん?…………んんっ!?」
そこにあったのは、異様な程に巨大な、そして見覚えのある木……練だけがその木を知っていた。
「でっけー…………って待てよ?これ……浮遊島ってユグドラシルだったのか!?」
「ゆぐ……?」
「ユグドラシル……この世界を吸って大きくなる魔樹だ。
……って重要なのはそこじゃない。ここにユグドラシルがあるって事は……!!」
ぐるりとあたりを見回すと、そこに居たのは見覚えのある姿。
…………嫌な予感が的中した。
「この時代の季ちゃん……ツイてねぇどころか…………考え得る限り最悪だろ……この状況……!!」
いつも読んでくれてありがとうございます!!8月中には……8月中には"ロスト・クロノス"を完結!!……できればいいなぁ……。




