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激闘!!練vsフィアルーン(中編)

くっっっっっっっそ長げェェェェェェッッッッッッッッッ!!!!!!!くなりました。

ただ、その分めちゃくちゃバトルしてますよ!期待して!!

後Twitterでルミナちゃんの進捗上げてます。

https://twitter.com/HKmE18?t=dnYSCM1Rk-8BslEofG8sTw&s=09

見てね。


追記・『アル』という人物名が作中で出てきますが、フィアルーンの愛称です。シルフィアがロリの時は「アル姉さまっアル姉さまっ!」って懐いてたよ。

「今もロリですけど?」

ァッ……ス──…………スイマセンした──ッッッ!!!!!

「わぁ〜。」


まるでサーカスでも見るようなテンションで、フィオネムアが言う。


「すごいですね〜うちのアルちゃんと打ち合うなんて!」


因みにそれを見てシルクはドン引きしていた。

一方シルフィアはいつの間にか丸眼鏡を取り出し…………なんか、クイクイしてた。


「いえ、お兄様は『錬金術師』……いくらアビスを倒してレベルが上がったからといって、お姉様と打ち合うには実際、力不足です。」


シルフィアがピンと、人差し指を立てながら早口で言った。

そして、それを微笑ましく見つめていたフィオネムアが言う。


「へぇ、じゃあ何か理由があるのかしら〜?」


フフン、と鼻を鳴らしながらシルフィアが解説を始める。


「えぇ!お兄様は全身に結界魔法を常に展開しているんです!MPが余ってるのに使わないなんて勿体ないですからね!!」


「結界そのものの『堅さ』を利用して攻撃もしているのね〜。」


「はい!名付けて、『防御は最強の攻撃!』戦法です!」


──と、


「……あ、あれ?シルフィア〜なんで俺の戦法を大っぴらにお話ししてるの〜?」


しまった、というような表情をシルフィア浮かべた瞬間、メガネが砕け散った。

どうやらシルフィアのメンタルとリンクしていたらしい────そして、


「……えへっ。」


小さく舌を出してシルフィアがそう言った。


「『えへっ。』ってなんだよォォォ──ッッ!!!??!!!」


原神すき。


「ほーう?成程、『堅さ』に重きを置いた結界ねぇ。

つまり!!魔法に対する防御力はそれほどでもないということ!!!

てんくす!最愛の妹(マイ・シスター)シルフィア!!最強エルフイレブンブラザーズはすぐそこだ!!」


自信満々といった様子でそう宣言してみせるフィアルーンとは対極にシルフィアは、


「えぇ……ガチで言ってたんですかそれ……。」


と、ドン引きしていた。


「モチロンさ!!さぁ!エルフといえば魔法!!金子練、貴様には特別に私の魔法を見せてあげよう!」


まるで釣り竿のように柔らかく、靭やかに、振るわれた脚技に淡いエメラルド色が乗る。


「『ウィンドスラッシュ』!!」


「ウィンドスラッシュだと!?くっ!!」


やはりと言うべきか、彼女の予想通り、魔法攻撃を防御した練の左腕の結界は簡単に砕け散ってしまう。


「アンタといえば変態ってのが先に来ると思うけどな!!」


そう悪態をつきながら、砕かれた結界の再生を試みるが、


「それは仕方ない、伊達に百年パンツ捲ってないからねぇッ!!」


その好機を逃してなるものか、とでも言うようにフィアルーンは回転を乗せた回し蹴り(通常攻撃)で追撃してみせる。

しかし、練も咄嗟に蹴りを合わせ、お互いの身体が宙に浮く。

即座にお互いに体勢を整え、仕切り直し……とその時。


「パンツ……めくっ……!!」


身内の恥知らずな発言に耐え兼ねたシルフィアが遂にキレた。


「バカ!お姉様!!どうしてそんな恥ずかしい事をまるで勲章でも見せびらかすみたいに言えるんですかーッ!!!!!

恥を知って下さい!!お願いですから!!」


「えぇ〜常識を超えなければ見えない景色があるというのに……。

お姉様は哀しいよ、かわいいシルフィア!!」


そう言いながらも手刀に乗せた『ウィンドスラッシュ』を練に何度も放つが、練も魔法を放ち、それを相殺する。


「シルフィアは知ってますよ!景色ってそれパンツでしょ!!

お姉様が私の話を聞いてないってことも、シルフィア知ってるんですから──ッ!!!」


ぷくーっと焼き餅の様に頬を膨らませて怒るシルフィアは正に姿相応の少女で、普段のしっかり者(?)とのギャップがあって凄く可愛らしかったです。


「怒ってるの可愛いな、かわいいシルフィア!」


そう、練がサムズアップしてそう言うくらいに!


「お兄様!?」


「さてと……。」


練の結界魔法に関する練度は実際のところそれほど高くはなく、再生にはかなりの時間を要する。

相手の魔法を全て撃ち落とす事もできるが……


(それをすると、必ず相手に先手を取られてしまうことになる。

何か手を考えないと……!)


……と、その時。

シルフィアが結界に手どころかほっぺもくっつけて叫ぶ。


「お兄様!お姉様は魔力総量が少ないです!!

しかも魔道具がないとまともに魔法が使えないです──っ!!」


その言葉は一瞬にして戦況をガラリと変えた。


「なるほど!サンキューシルフィア!!」


「くっ……妹よ!どうして敵に私の情報を赤裸々に語るんだ!!」


一転、余裕の表情を呈していたフィアルーンがあわあわと焦った様子でそう言い放つ。


「それはお姉様に勝って欲しくないからです──ッ!!」


その言葉は、フィアルーンに大きなショックを与えたらしく、フィアルーンは決闘中にも関わらず思い切り膝をついて項垂れていた。


「……なん…………だと……?

じゃ、じゃあ!最強エルフイレブンブラザーズの約束は!?」


「だから勝って欲しくなかったんだろ。」


練の珍しく冷静なツッコミを受け流し、突如何かに気付いたようで目をカッと開き立ち上がった。


「……ッ!!なるほど、情報が筒抜けになった程度で負けたら、11人(+α)の子供たちを守る事なんて夢のまた夢だと!そう言いたいんだね?!シルフィア!!

だとすればこれもまた愛の試練!!」


「え……?違います……。」


その口撃は練が放ったどんな攻撃よりも重かったらしく、フィアルーンは今までで一番の苦悶の表情を浮かべていた。


「し、シルフィア……そんなぁ…………。」


お兄様今です!と言うようにシルフィアがジェスチャーをするので、思わず練は────


「…………羨ましいな。」


誰にも気付かれないように、そうポツリとつぶやいた。


「最強エルフイレブンブラザーズ……最強エルフイレブンブラザーズ…………。」


そして練は、悪夢にでも魘されるようにそう呟き続けるフィアルーンに背を向けて、にへらっと笑いながら言った。


「…………これ、俺の勝ちでいいですか?」


「「「えぇ──────ッッッッ!???!!?!!!!!!!」」」


「た、確かにアルは戦闘不能だけど……。」


「いや〜よかった!シルフィアの援護で大勝利!!じゃあこれからヨロシク!お義姉さん!!」


さて、フィアルーンの癪に障ったのは、その『お義姉さん』というフレーズか、練の口調か、もしくはその両方か────ただ一つ確かな事は、


「だ────ッッッッッッ!!!!!!」


怒りによって変態大魔人が再び復活してしまったということだった。


「────れがお義姉さんだコラ──ッッッ!!!!」


「お姉様が…………復活した!?

……というかこんな扱いしといてなんですが人のお姉様の事を変態大魔人とか言うのやめてもらっていいですか?」


アッ……ス──…………スイマセンっしたー!!


「おっとっと、気が早かったか。」


そう言って練はフィアルーンを煽ってみせるがしかし、フィアルーンは怒りに全てを忘れる程、甘くもなかった。


(こいつに()()()()()……不本意だけど!!)


そして、練の『正々堂々戦いたい』という思想も完全にではないが理解していた。

故に彼女が選んだ行動は────


「……恩に着るよ。あまりのショックで自分を見失っていたみたいだ。」


感謝だった。対して練はにっこりと笑顔を浮べて言った。


「じゃあお礼はシルフィアで。」


…………前言撤回。


「それとこれは別だ貴様ァァァ──────ッッッッッッ!!!!!!!!」


フィアルーンは怒りに全てを忘れるくらい、妹には激甘だった。


「そうこなくちゃな!!」


完璧な体術の合間に差し込まれる不完全な魔法。制度も、速度も、効率もまだ荒削り、しかし。


「何が『お兄様♡』だ!!!!!シルフィアは私の妹だろうがァァァァァァッッッッ!!!!!返せッッ!!!!私の妹返せェェェェェッッッ!!!!!!」


しかし完璧でないが故に、相手が読み違える。


「クッ……!!」


(俺のウィンドスラッシュよりも()()()ッ!!)


完璧でないからこそ、パズルのようにピタリと隙を埋める。


「カハッ!?」


遂に、フィアルーンの攻撃が結界を貫通し、攻撃をまともに受けた練は錐揉み回転して吹き飛ぶ。


「私は…………シルフィアの為に!!たとえ魔力が尽きようとも!!!なんとしても私は……勝つッッッ!!!!!!!!!!」


しかし、ゆらりと足をもたつかせながらも練は立ち上がる。

全身から致命的なダメージを示す赤いエフェクトが迸るがそんな事は気にも留めない。


「…………俺だって……シルフィアの為ならなんだってする覚悟があるぜ!!恨むなよッ!!!」


そう言い放った練は、笑っていた。


「それはこっちのセリフだァァァァ──ッッッ!!!!!」


そんな練の態度に一瞬気圧されたが、直ぐに追撃のウィンドスラッシュを放つ。

だが、『敢えて』だ。


「接近……!?私に魔法を使わせないつもりか!!」


敢えて練はそれを大きく前方に飛び出し回避する。


(だが近接戦ならば私に分がある!それに……)


「『ウィンドスラッシュ』ッッ!!!」


手刀で放ったウィンドスラッシュに自分の拳を重ねる。

物理重視の結界ならば魔法で砕き、拳で本体を破壊する。

仮に魔法重視ならば拳を受け止めきれない。

そしてこの距離ならば回避も間に合わない。


「この波状攻撃は受けきれないだろッ!!」


実際、この状況において金子練は確実に詰んでいた。


(よしっ!完璧に入った!!)


結界が破壊される音と同時、自分の中で最大の拳を叩き込む。

…………しかし、


「なッ!!?」


放った拳は鳩尾の寸前、練の掌に完全に受け止められていた。


(まさか……私の拳とウィンドスラッシュの間に自分の掌を差し込んだというのか?!)


体の結界と掌の結界でそれぞれの攻撃を受け止めたのだ。


「……なんて奴……!限界ギリギリの体力でこんな賭けに…………!!!」


拳を受け止めた掌でそのまま手首を掴み取り、ギラリと笑う。


「間合いに……入ったぜ……ッ!!!!」


それは、ヒットアンドアウェイ戦法を繰り返していたフィアルーンが初めて受けた練の全力。


「くっ……!?」


「俺は!!!弱体化(ナーフ)食らっても!!史上最強の錬金術師だッ!!」


「錬金術だって!?!!」


左腕を勢い良く突き出し、言の葉を紡ぐ。


「『有言速攻(アブソリュート)』!!魔法を使えッ!!」


それは、()()()()()()()()()()()()

強制した行動は相手の『それをしようとする意思』に比例して強制力を高めるのだ。


「そうか……君が、伝説の……!」


それを言い切る前に、エメラルドグリーンの風が吹き荒れ、清々しい表情でフィアルーンが倒れ伏す。


「これで、ジ・エンドだ。」

いつも読んで頂きありがとうございます!!!

……あれ?中編?おかしいなーフィアルーン倒したのになー

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