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<悲報>災厄の時空神さん、この世に生まれてしまう。(え?空き容量不足?このゲーム容量食い過ぎじゃね?!)

最近筆が早くて筆がノリノリの海苔で出来てる説あるねぇ?!ないか。

それは、朝早くに起きた。

早起きをして畑仕事をする豊治……季のお兄様もまだ起きていないような時間にそれは起きた。


「すぴ──────………………んが?」


一瞬、季が剣でも振るったかと思ったが、隣の部屋で転がり落ちるような音がしたので、理由は別だろう。


「……なんだ?こんな朝早くから………………は?」


それは、とても大きな円柱状の何かがこちらへ、つまりは家財道具たっぷりな我が家へと倒れて来る所だった。


「んな馬鹿な…………!」


「大丈夫()()()()?お兄様!」


いや、これから大丈夫じゃなくなるぞ。なんて不吉な事を口走る直前に。

────ッッズッッッッバァァァァァァァァァン!!!!!!

飛んでる飛行機に飛んでる飛行機が正面衝突したらこういう音が鳴ると思う。

要するに普通の音ではなかった。


「………………あぁ、大丈夫だ。」


脳の処理能力の限界を迎えたお兄様は、頭から変な煙を立ち昇らせて、そう呻き始めた。

けれど、全然大丈夫なんかじゃなかった。


「大丈夫だと?それは貴様の問題だ。」


薄ぼんやりと赤紫色のオーラを迸らせている鎌がまるで遊ばれる様に手元で廻る。

そして地から足を50センチ程浮かせた男は、眉をピクリとも動かさずにそう告げたのだった。


「……そうか、貴様か。」


「……何だか分からんが、季があの倒れて来た木をなんとかしなければ、俺達はあの家と一緒にお陀仏だったぞ?

悪気が無いにしろ、説明責任やらなんやらがあるんじゃないか?」


少し考え、男はまた口を開いた。


「あれは『世界喰らいの大樹(リソースイーター)≒ユグドラシル』この3本の根から魔力を根刮ぎ吸い取り、葉の上に新たな世界を構築するという魔樹だ。」


「…………え?」


「……()()()()()()()期待し過ぎだったらしいな。簡単に言ってやろう。

……この樹は世界を滅ぼす。この世界に有ってはならんものなのだ…………そして、」


それは、意外にも大きな音だった。


「お兄様……?…………ッ!?お兄様ッ!!!」


それは、破裂音でも、突き刺す様な音でもなく、ただ乱暴に物を置いた時の様な音だった。


「そして、だ。」


まるで、そこに倒れ込んでいるのが()()()()かのように動かない『それ』は彼女の兄。

何度も目を疑ったが、間違いはなかった。

そして、


「なん……で?どんどん……冷たく…………!!」


理屈が教えた、彼は死んでいると。

経験が教えた、彼は助からないと。

世界が教えた、これは当然の事だと。


「こんな樹を扱える人間もこの世界に有ってはならんのだよ。」


それは、その男は、まるで自らが正義だと言わんばかりの台詞で、尚且それ以外に方法が無かったとでも言わんばかりに、悲しげに、目を伏せるのだった。


「……………………あなた、ですか?」


ふと、


「……ん?」


ふと、感じたその些細な違和感は、時間のズレが巡り巡って『世界神』である彼へと辿り着いたからかも知れない。

その時を操る力は、通常ならば数多もの儀式が必要にも関わらず、片手間に兄の時間を止める。

ゆらりと、兄を空へと寝かせ、少女が立ち上がる。


「お兄様を、こんな風にしたのは。」


その少女は、言動からは感じ取れない程、理性的であった。

言葉の節々から漏れ出す怒りに反して時間停止(応急処置)は素早く、涙で目の前を塞ぐ事もせず、仇をしっかりと見据えていた。


「……ふん、人間如きが我に戦いを挑むつもりか?やめておけ、勝負にすら────」


そして、衝動に突き動かされた身体は止まることを知らない。

諦めを知らない…………知りたくもない。

ならばどうするか?


「いえ……あなたしかいません。私が……私がお兄様にこんな酷いことをするハズがないから。」


少女が、徐ろに右の掌を突き出しただけだった。

しかし、話を遮られ、ちょっとばかり腹を立てていた男の意識をそれに全て集中させる理由がそこにあった。


「────ッ!?なん……だ?この魔力量は……?『月の女神(ルナ)』なんかよりもよっぽど……!!」


魔力を高めると同時、世界が揺れ動き、顕現。

その剣の名は『時空司剣(タイムウォーカー)』。季の攻撃に使われる度に何度も壊れ、その都度()()()()()()()刀身を時空魔法で固められた代物だ。


「莫迦な……途方もないこの世界そのものを、()()()()()()()動かすだと……!?」


そんな馬鹿げた事象を起こすには?

()()()()()()()()()()()()()()()()()。それくらいしか考えられない……いや、それ以外有り得ないという方が正しいだろう。

しかし、


「それは……それこそそんな事は()()()()()。」


何故なら、そんな事実が罷り通ってしまうのなら、目の前の少女は惑星を片手で、あんな片手剣を扱うかの様に軽々と持ち上げられてしまう事になってしまう。

……そして、少女が満を持して発したのはただの一言。

その一言でそんな不毛な思考の波を割る。


()()()()。」


それはテレビのリモコンを操作する位に気軽かつ、手軽だった。

加速を意識するだけで自身を加速させ、一コマ一コマ毎に世界の時間を停止させる。

実に単純明快、しかしその効果は抜群。


「は、速ッ!?」


時間に干渉し、速さという概念を超える『移動』、逆に通用しない相手を見付ける方が難しいだろう。

だが、彼女の本領はそれだけではない。

自分を軸に半回転し、遠心力を載せた重撃。そして示し合わされたように時間停止解除、ガラ空きの胴に大剣が迫る。


「ぐ……ッ!?ぬぉおッ!!」


『万物を切り裂く』能力を持つ。それが男がその手に携える鎌である。そしてそれに虚偽は無い。

『ハズなのに』そんな性質を持つ鎌での防御が間に合ったにも関わらず世界を支配する側である神が押し負けるこの事態。

信じられないといった表情で呻き混じりに呟く。


「馬鹿な……我は『世界神クロノス』だぞ?世界の統括者がこんな小娘に……ッ!!」


だが、それは何も不思議な事でも、奇跡が起きた訳でもなかった。

当時の季のステータスは、神様時代のおよそ九百六十二倍。

レベルは()七十六(・・・)()である。さらに時間停止より繰り出される予測不可能な攻撃。寧ろ神でなくては……チーター同士でなければまともに打ち合うことも出来ないだろう。


「ちぃッ……上書きだ!『小娘は死んでいる』!!」


しぃんと、世界が静まり返る。

だがそれは、少女が活動を止めた事によるものでは一切無い。

ただ、神が絶句していた。それだけの事である。

『世界神』の『権限』の行使。それは『世界に属する汎ゆる存在の状態を()()()()()』事だ。そして、それが通用しないという事は?


「……馬鹿な…………上書きを……跳ね、返すだと……?まさか……()()()()()()()()()()()()()()!?」


「強いから、なんだ。」


それは、その一言は、世界神の概念を破壊するような一言だった。

世界のルールに逆らうような言葉だった。


「自分の過ちがお兄様に矛先を向け、自分の力不足でお兄様を救えなかった。

…………()()()()()、こんなのはまだ序の口。

私が目指し、到達する場所まではまだ遠い…………!!」


それは、その覚悟は、どんなに絶望的な状況に置かれても進み続けられるのはあまりにも歪んだ欲望故だった。

『何も残せず死にゆく絶望』

『手を伸ばしても手に入らない絶望』

『希望すら見えない絶望』

それが少女の一生だった。絶望なら売るほど経験してきた。


「ならばお兄様を奪ったその力……それを奪ってやる……!!

その力でお兄様を助ける!!」


……だが、『できること』すらなかった少女は、逆に言えば『できること』を諦めた事が無かった。

『できること』を『できないこと』として、自分に納得させる方法を識らなかった。


「…………愚か、余りにも愚かだぞ、小娘。

人は人でなくては救い切れんのよ。化け物には何も救えない。」


(差し伸べた手すら握り潰してしまう……からだ。)


「お前……みたいな奴が…………ッ!お前みたいに人の命をどうとも思わない奴に何が分かる……!!」


それは、これから何かを奪わんとする人間の吐く言葉ではないだろう。

だが、最期まで死に抗い、命の焔を燃やし尽くした人間の言葉は、重みが違う。


(あぁ、悲しい事だ。こんな小娘が、圧倒的な力を持ってしまったばっかりに。死という絶対的な事象を引っくり返そうと藻掻く羽目になるとは!)


「お兄様を……返せッ!!」


(ならば同じ化け物同士、胸でも貸してやるのが礼儀。それが命を奪った代償だろう。)


「来い……小娘。気が済むまで相手をしてやる。」


そして剣閃は空を裂いた。悲痛な泣き声と共に。

いつも読んでくれてありがとうございます!!!


因みに、過去にユグドラシルが一度だけ成長し切った時があって、そのユグドラシルが作った世界の『人族』がエルフだったりします。

そんでもって伐られて残った幹が御神木になっています。

それが原因で迫害活動が起きた事もありますが、転生してきた主人公(笑)達が迫害活動からエルフを毎度毎度救ってるので被害を受けたエルフは一切居ません。

後は成長を止める為に切った上の部分は空島になっています。

5000年は浮いてるかも。

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