<悲報>災厄の時空神さん、この世に生まれてしまう。(これは序奏に過ぎない……本当の地獄を思い知らせてやる!)
おまたせ!
────それは、誰にでも起こり得るコトだった?
そんなわけないだろ。
「肺に腫瘍が見つかりました……お母様と、同じ病気です。」
元は艷やかな黒を呈していた髪の色はすっかりと灰色に、痩せた身体は動かす度に痛みを訴える。
外面を遺して虫に食い荒らされる植物と、人間は違う。
体に巣食う病魔が、自分を蝕んで行くのが判る。自分の中身が空っぽになっていくのが、苦痛と共に理解できるのだ。
(だからこそ、お母様が死んだあの時、私もそうなるんじゃないかって覚悟していた。)
「御苦労さまです……寂しくさせる、事になりますね。」
「お嬢様……やめて下さい。」
「いいんです……。どうせこんな身体では父の遺産を食い潰して死ぬ事しか出来ませんでした。
…………だから、これで。」
「良かった。」なんて口に出す事はできなかった。『お母様と同じ病気』その言葉が、身近ながらも漠然とした死の『漠然さ』だけを消し去り、私に残りの寿命を計算させる。
……覚悟なんて、これっぽっちも役に立たなかった。
「それでも……私はあなたに延命処置を施すという仕事が残っています。あなたのお母様にそう頼まれたのです。」
「…………辛いですね。生きていても、何も報われないというのは。」
ポツリ。偶然溢れた本音が、医者の顔をハッとさせた。
それでも、全く病状を伺わせないその表情が、他でもない彼女の独りよがりな強さの現れだった。
「人に希望を与える者も居れば、他人に絶望を、長く……永く味合わせる者も居る。
……私が後者を選んだんです。親友との約束を破る勇気すらない私は、あなたの精神を……犠牲にするしかなかったのです。どうか天国で恨んで下さい……地獄へ落ちろと言ってください……!悪いのはあなたを苦しめたのは病気なんかじゃない!
…………私だ……。」
冬の冷たい風が頬を撫でた。その風は何故か穏やかで、私を妙に落ち着かせる。痛みを、苦痛を奪い去ってしまうように。
「……お医者様。」
「はい。」
「お医者様は、神様を信じますか?」
「……あなたのような薄幸な少女を救わずして何が神か!!例え、これが神が定めた運命だったとして、そんな神は私にとって悪魔と同じ…………気を悪くしないで下さい。こんな職業柄ですから、神なんてものを疑わずにはいられないのです。」
「大丈夫です。もし、お医者様の言うとおりなら、神様はいるのかもしれませんから。」
「は?…………失礼、しました。
……ですが私には…………他でもないあなたが救われていないように感じるのです。」
「いいえ、救われています。風が私を呼ぶのです。」
医者が怪訝そうに目を細める。
「風が……ですか?」
「はい、まるで誘うように……といってもこれは、私の願望かも知れません。この病気が治せる場所へ行きたいという、私の。」
「………………。」
……その少女は、その丁度3日後に病状が悪化し、永遠の眠りに着いた。
だが、死際のその表情は、遠足を待ちに待つ子供の様に安らかな笑顔だった、らしい。
それが、『私』の記憶の断片だった。
いつも読んでくれてありがとうございます!!!
……というかその……投稿が遅れたのにはすごい理由がありまして……!
「A○ex、○ズドラ、お絵描き。いい趣味だね!」
うん!めっちゃ楽しい!……あっ。
作者は死んだ。止まった時の中で永遠に小説を書かされたのだ。それでもクロノスちゃんの新作は出来なかった。




